時事解説「ディストピア」

ロシア、イラン、中国等の海外ニュースサイトの記事を紹介します。国内政治、メディア批判の記事もあります。

山本議員の天皇直訴を共産党が支持した?(メモ)

2013-11-02 23:47:07 | 日本政治
まず共産党の公式見解を見てもらいたい。

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山本参院議員の行動について 志位委員長がコメント


日本共産党の志位和夫委員長は1日の記者会見で、山本太郎参院議員が
秋の園遊会で天皇に手紙を手渡したことについて見解を問われ、
「国会議員が、憲法上の存在である天皇に対して、政治的対応を求める行動を
とるというのは、『天皇は、国政に関する権能を有しない』としている憲法を
知らない者の行動だと思います」と述べました。


http://www.jcp.or.jp/akahata/aik13/2013-11-02/2013110202_03_1.html

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そもそも、共産党は昔っからこういう市民運動には懐疑的で、
それが反核運動は分裂するわ文学運動は分裂するわと
騒動の原因にもなっているのだが、他方でこの手の活動家が
行う自己満足的行為を冷めた目線で評価できる強みにもなっている。


さて、この共産党の見解を自称保守派が見るとこのようになる。


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【速報】 日本共産党が山本太郎氏を擁護 「懲罰にはあたらない」

2013年11月01日17:15 | カテゴリ:日本共産党
1:影のたけし軍団ρ ★:2013/11/01(金) 16:35:14.20 ID:???0

先月31日、山本太郎参議院議員が園遊会の場で
天皇陛下に手紙を手渡したことをめぐり、
山本氏は参議院の議院運営委員長らに対し、
「こんな騒ぎになるとは思わなかった」などと釈明した。

参議院の議院運営委員会の理事会では、
山本氏の行為について共産党の理事から
「常識を欠いて不適切だが、懲罰までにはあたらない」
という意見が出たものの、
「国会議員としてあるまじき行為で、参議院議員としての品位に欠ける」
という点では与野党とも一致し、山本氏本人から事情を聞くこととなった。

岩城委員長らによる聴取に対し、山本氏は「こんな騒ぎになるとは
思わなかった」などと釈明した。山本氏「園遊会で手紙を渡すと
いうことがルールに反しているということは、自分の中で意識がなかった」

理事会は、来週、あらためてこの問題の対応について協議することにしている。

http://www.hoshusokuhou.com/archives/33676080.html

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右翼の特徴の一つに、間違いを犯した奴は罰しなければならない
という歪んだ正義感があると思うが、この記事などはその典型で
「懲罰はやり過ぎだが国会議員としてはあるまじき行為」という
 意見の前の部分だけを取り上げて、さも、山本議員の支持者
 であるかのように好き勝手なことを書き込んでいる。


どうも左翼=朝日・共産党という間違いを持っているようなのだが、
戦後左翼は反共左翼が中心であり、共産党抜きの活動を行っている。

山本議員も、共産党批判を堂々と行った人物で、立ち位置も
共産党を除外した上での改革を望んでいる場にいる。
(http://d.hatena.ne.jp/debri/20130325/p1)


私は山本議員がやったような虐められた人間が
自分より更に弱いものを虐めるような行為が嫌いで
どうにも好きにはなれなかいのだが、保守派を気取るなら
せめてこれぐらいの情報をつかんだ上でコメントしてもらいたいものだ。


朝日新聞の記事についても随分と恣意的な曲解を行っている。

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【朝日新聞】「山本太郎議員の行動…主権回復式典や五輪誘致で
皇室を利用してきた政府に批判の資格なし」

2013年11月02日12:14 | カテゴリ:マスコミ
1:かじてつ!! φ ★:2013/11/02(土) 10:31:28.26 ID:???P

○山本太郎議員の行動、識者の見方は 園遊会で陛下に手紙

10月31日の園遊会で、天皇陛下に手紙を渡した
山本太郎議員の行動について、明治時代に天皇に直訴した
田中正造になぞらえる向きもある。元衆院議員の田中は
1901年、足尾銅山(栃木県)の鉱毒に苦しむ農民を救おうと明治天皇の馬車に
走り寄り、その場でとらえられた。

「田中正造における憲法と天皇」の論文がある熊本大の小松裕教授(日本近代
思想史)は、(1)田中は直前に辞職し個人で直訴したが、山本氏は議員の立場を
利用した(2)明治天皇には政治権力があったが、今の天皇は象徴で何かできる立場
ではない、という点で「同一視できない」とみる。

山本氏には「公人の立場を考えるべきだった」と指摘しつつ、
政府内の批判にも違和感があるという。天皇陛下が出席した
4月の主権回復式典を踏まえ、「政府の方こそ利用
しようとしており、あれこれ言う資格はない」。

一方、栃木県の市民大学「田中正造大学」の坂原辰男代表(61)には、
環境や住民を顧みず開発を続けた当時の政府と、福島で大きな
被害を出しながら原発再稼働を進める現政権が重なる。
「善悪の判断は難しいが、正造が生きていたら同じ行動をしたと思う」

http://www.hoshusokuhou.com/archives/33698148.html
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記事をよく読めば小学生でも理解できるはずだが、
政府に資格がないと言っているのは熊本大の教授であり、
朝日新聞の社説の意見ではない。こんな単純な事実さえ見落として
朝日新聞=悪として罵ることしか出来ないから馬鹿にされるのだ。
(はっきり言って、朝日新聞は御用新聞であり左翼なんかじゃない)


そもそも、政府が天皇を政治利用してきたことは周知の事実であり、
政府はOKで個人はNOという理屈はおかしいという意見は
しごく真っ当である。加えてこの教授は公人としての立場を
考えるべきだったと述べているのだからおかしな意見というほどではない。

結局、天皇陛下を汚すもの許すまじというカルト的パラノイアに
冒されているからこんなろくでもないスレが立てられるのだろう。


私が右翼のサイトを読まないのは、騒ぐために叩くというか
正確な情報が皆無だからだ。もちろん少しぐらいはあるかもしれないが、
右翼に書かれる程度の情報は別の本や新聞から十分入手可能である。


だいぶ前に「痛いニュース」とかのまとめサイトを見ていたが、
いつしかこの手のゴミ情報ばかり載るようになり見るのをやめた。

やはり情報は新聞社、それも海外からのそれに限る。
今、海外新聞は日本人向けに翻訳バージョンを掲載している所もあり、
だいぶ読みやすいようになっている。違う国の視点から同じ事件を
考えることができる。また、個人で海外のニュースや雑誌を
翻訳している人もいる。こういう情報を集めることで、なるべく
広い視野から全体を包括的に敷衍することこそが求められるのだろう。


山本議員の報道について

2013-11-02 22:38:29 | 日本政治
その昔、足尾銅山の公害を訴えるために、
田中昭三が明治天皇に直訴状を持ち駆け寄った事件がある。

この時、直訴状は読まれもせず、明治天皇は去ってしまった。
当然である。大日本帝国の発展のため、無茶な開発を積極的に
推し進めてきたのは他でもない天皇なのだから。それを知るには、
カムイコタンに住まうアイヌ民族が天皇率いる明治政府によって、大幅に土地を奪われ、
あまつさえその土地のいくつかは天皇の私有地になった
という事実を見れば一目瞭然だ。


天皇は決して傍観者ではない。
関係者なのだ。



さて、山本議員の平成天皇への原発問題の直訴という問題だが、
個人的には議員としての在り方云々以前に、議員の行動はまるで
落し物をして交番に行かずに
神社に神頼みしに行くようなもの
で、
訴える相手が違うということを一番強く感じた。



運動家ならそれで許されたのかもしれないが、
議員は国会で与党や官僚の腐敗っぷりを追及してなんぼだ。


同じ反原発の人間でも、共産党の吉井議員は国会でも
活発に質問し、自民党や通産省のろくでもなさを追求してきた。

問題点を調べ上げ、指摘し、法律によって改正する。
こういう地道な作業は運動家には出来ない議員ならではの特権だ。


議員の特権を捨ててまで天皇に訴えて何か変わると本気で思ってんのか
 と私は言いたいのである。天皇だって馬鹿じゃない。
 現状が悲惨なことぐらいは百も承知だ。

だが、それでも慰問という名のパフォーマンスをして
結果的に推進派に加担しているのが今の天皇なのである。

私は天皇個人をバッシングしているのではない。
象徴天皇制という名の檻の中にいる以上、
そうせざるを得ないということを言いたいのだ。

日本国の象徴である限り、天皇は国家に背くことはできない。
原発推進を半世紀にかけて着手してきた国家にNoと叩きつけるどころか、
被災地を慰問することによって、その罪を洗い流す。

言ってみれば、慰問という形で通産省や東電の代わりに
国家を代表して謝罪しているわけである。
 
こういうことに対してこそ
天皇を愛しているとぬかしている連中は怒らなくてはいけない。
 

現時点では天皇は国家のシナリオを演じる名優であり、
それ以上の権限はない(憲法にもそう明記されている)。

天皇に直訴して何か変わると思ったのか?
彼がすべきなのは議員立法だろう。

反共左翼の中には、天皇を神のように崇め奉る者がいるが、
これなどはナンセンスだ。如何に刀が美しかろうと
それを振るう持主の腕によって剣技は変わってくるのだ。

刀を敬い剣術家を見下すような
アベコベの行為は控えるべきだ。
人間ではなく、物が崇拝されるようなことは
あってはならない。


マルクスは、ただの紙切れにしかすぎない紙幣が
いつの間にか権力の象徴として崇拝されている
事態を
物神性という言葉によって表現し、警鐘を鳴らした。

私たちは、君主制とさよならをしなくてはいけない。



岩波書店や朝日新聞がいい気な顔をして東京電力を
バッシングしたから気づいていない人間も多いが、
原発は国策である。
国家が推し進めてきたのである。
そうある以上、その最大の責任は国家にある

ところが、この責任は象徴天皇制という君主制によって
リセットボタンが押され、またリスタートされてしまった。
 

東京電力や通産省、地元の自治体の責任は天皇によってリセットされ、
今やトルコやベトナムにむけて原発がビジネスとして売り込まれているのである。


私たちは再度、君主であろうと誰であろうと権威からは背を向けて、
国家そのものに対しての責任を認知し求めるよう努力すべきだ。
そうすることによってしか、真の成功はないと思う。