時事解説「ディストピア」

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アメリカのイラク・シリア空爆について

2014-10-04 00:19:24 | 国際政治
朝鮮新報でとても良い記事が書かれたので、こちらに紹介したいと思う。


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米国による空爆の意味

米国がついにシリア空爆に踏み切った。
イスラム過激組織「イスラム国」を撲滅するというのが口実だが、
ここにはとてつもない虚構が隠されている。


「イスラム国」とは


敵対する者は相手構わず殺し、首を刎ね晒しものにするような残虐行為で
世界に衝撃を与えている「イスラム国(ISISあるいはISIL)」。

勢力はわずか1万5千~2万とされるが、近代的な武器装備で武装し
潤沢な資金(数十億ドルといわれる)を持ち洗練された戦略戦術を
駆使する精鋭部隊ともいうべき実質的な軍隊だ。

すでにイラクとシリア両国に跨り広大な地域を制圧、
破竹の勢いで勢力を拡大しているこの集団は、
「真のイスラム国家」樹立を標榜する「テログループ」ではない

その実態と目的については、米国家安全保障局(NSA)の元被雇用者で現在、
ロシアに亡命中のエドワード・スノーデンが証言している。


彼が情報開示したところによると、「イスラム国」のリーダーのアル・バグダディは
米国、英国、イスラエルの諜報機関(CIA、MI6、モサド)が共同で創り上げたもので、
「スズメバチの巣(Hornet nest)」と呼ばれる作戦名の下、
世界の過激派を一箇所に引き寄せることによって、イスラエルを保護するべく
その周辺地域に共通の敵を創出するところにある
という。

イランの有力メディアもこの説を事実と認めている。


その核心部隊はCIAが訓練し、
メンバーやその家族に給料や手当てを払っている。


資金や最新武器などはサウジアラビア、カタールなど
親米イスラム国などから流れており、「シリア自由軍」など
シリア内の反政府武装勢力への訓練、資金、武器提供も同じ構図となっている。


「イスラム国」は、もう一つのイスラム過激派組織であるアルカイダから分離し再編された。
アルカイダは、アフガニスタンに軍事介入した
旧ソ連軍を駆逐するべくCIAが創設し武器を与え訓練を施したもので、
オサマ・ビン・ラディンは実質的にCIAエージェントだった。

つまり、過激な「反米テロ組織」というものはCIAの作品というのが真実なのだ。


空爆の真の標的はアサド政権

米国によるシリア国内の「イスラム国」の拠点空爆はそれ自体が重大な国際法違反であり、
主権国家であるシリアへの侵略行為だ。

それが余りにも露骨なため、EUの同盟国ですらこれに加わろうとしない。
米国はサウジアラビア、アラブ首長国連邦、ヨルダン、バーレーン、
カタールを「有志連合」という名目でかき集め「共に戦う」ふりをしているが、
猿芝居に過ぎない。

米国が大規模な陸軍投入をためらっているのは、
イラク戦争のようにまたもや泥沼化するのを恐れている側面もあるが、
自ら育てた武装勢力を自ら潰すのは自己矛盾だからだ。

長期化するシリア内戦は、
政府VS「反政府勢力」(大部分が外部からの侵入者)、
イランVSサウジアラビア、米国VSロシアという構図を持っており、いわば代理戦争だ。


米国は「イスラム国」をアサド政権をはじめ中東の「敵」の打倒、
米国の外国への軍事介入の口実作り、自国民の治安監視体制の徹底強化にも利用している。



「イスラム国」はまた、イラクをスンニ派、シーア派、国家を持たないクルド人が
それぞれ支配する「3つの地域に分割する計画」と関連しているという。

もちろん、米国の陰謀だ。

いずれにしても、国力が全面的に低下している米国が
「対テロ戦争」に最終勝利する可能性はゼロで、凋落を促すだけだ。

http://chosonsinbo.com/jp/2014/10/sinbo-j_141006/

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灰色の域を超えないが、イスラム国が元々はアメリカが作り、
育ててきた機関だという部分は、確かだと思われる。

実際、親米の中東国からの支援がなければ同団体は維持していけない。
元々はシリアを壊滅させるために育成していたのだが、
飼い犬に手をかまれたといったところなのではないだろうか?

いずれにせよ、またアメリカの空爆の正当性が否定されたわけである。
週刊誌や新聞は、この手の情報をもっと流すべきだと思う。

空爆は今も続いているのだから。