ホールの中はとても静かです。
クラシック音楽は他のジャンルの音楽と比較すると曲中の静かな部分は極端に小さな音です。
お客様はそんな小さな音を聴こうと真剣に聴いているので、ちょっとした物音がすごく気になってしまうのです。
音というのは出している本人は気にならないものですが、周囲の人はすごく気になります。
特にコンサートホールはよく響き渡るように設計されているため聴こえる範囲がかなり広く、かなり遠くの物音もよく聴こえます。
観客はみなさんがお金を払って演奏をすごく楽しみに聴きに来ています。
あなたの出す雑音で気分を害している方は周囲に大勢いると思ってください。
(時にはホールの全員が気分を害していることも。。)
もちろん、咳などの生理現象はしかたありませんが、ちょっと意識していれば出さずにすむ雑音がたくさんあります。
演奏中に気になる雑音とその対策をリストアップしてみましょう。
1) 咳(ゴホン)
生理現象なのでどうしようもないです。どうしても咳をしたくなった時のためにハンカチやタオルを用意しておくといいです。タオルを口にあてるとずいぶん違います。どちらも無い場合は自分の腕(肘の内側)の服の部分を口にあてて咳をすると少し吸音されます。
2) パンフレットをめくる音(カサカサ)
演奏中にパンフレットを触らないのが無難です。どうしても見たい場合は曲の間に音を立てないようにそーっと見てください。たまにパンフレットを落とす方もいるので触らないほうが無難です。カサカサという音が出にくいパンフレットを使っているホールもあるそうですが、そのようなホールは稀だと思います。
3) コンビニなどの袋を探る音(ガサガサ)
買ってきたのど飴を探しているのかも知れませんが、この音はかなり耳障りな音です。演奏前に必要なものは出しておいて、演奏中は触れないほうがいいですね。布製の柔らかなものはあまり音がしません。ちなみに、のど飴を包装紙から取り出すときの音も気になりますのでご注意ください。
4) 傘を倒した(バタン)
傘は預けてください。ホール入り口には傘立てがあります。傘立てが無い場合は、椅子に立てかけないで床に寝かせてください。杖は預けるわけにはいかないので、床に寝かせて置いたほうがいいです。床に置けない場合は座席に立てかけずに持っていたほうがいいです。
5) 席からモノを落とした(ガタッ)
隣の席が空いているからバッグなどの荷物を置いていたら落としてしまった。落ちないように常に気をつければいいのですが、それだと演奏に集中できないので床に置くのがベストです。床の汚れが気になる場合は自分の膝の上に置いてください。バッグはクロークで預けることもできます。
6) いびき(グーグー)
演奏が気持ちよくて寝てしまうことはよくありますよね。でもいびきはNG。自覚のある方は寝ないようにがんばってください(^^; 同行の方がいらっしゃる場合はいびきをかきそうになったら起こしてあげてくださいね。
7) スマートフォン・携帯の着信音、時計のアラーム
これは問題外です。ホール内ではスマートフォン・携帯の電源を切ってください。時計などはアラームを解除してください。電子音はあえて聴こえやすく作られていますので小さな音でもかなりうるさいです。音ではないですが、演奏中にスマートフォンの画面を見ている人がいますが、薄暗いホールではスマートフォンの画面の明りも気になりますので、スマートフォンは見ないようにしてくださいね。
8) 話し声
これも非常識です。素晴らしい演奏の感想を友人に話したくなるのはわかりますが、休憩時間か公演終了後にたっぷりお話ししてください。
9) 服の衣擦れ
意外な雑音に衣擦れがあります。稀なケースなのですが、冬のダウンジャケットなどの固めの合成繊維の服は動くたびにガサガサッと音がします。近くにいる人は気になって演奏に集中できなくなります。
10) 足音
「ホールで足音?」と思うかもしれませんが稀に演奏中に歩いている方がいらっしゃいます。一般的にホールは響きをよくするために床は固い木や石がよく使われています。ヒールの靴だと「コツコツ」という足音がかなり響き渡ります。
11) 子どもの泣き声・話し声
クラシックの演奏会で子どもの泣き声が聞こえるってことは滅多に無いと思いますが、ごくごく稀にあります。演奏会によっては年齢制限を明記している場合もありますが、もしチラシに書いて無くても静かに聴くことが難しそうなお子さまでしたら入場は遠慮したほうがいいです。1~2時間もある演奏をじっと聴ける子どものほうが珍しいと思います。託児所があるホールもありますのでそちらもご利用ください。心配な方はホールの出入り口の近くの席に座るのもいいですね。泣きだしたらそーっと出られます。
12) 補聴器のハウリング(2019/4/3追記)
先日の演奏会で、演奏中にピーっという音がしばらく鳴り続けていたことがありました。その日は何の音かわからなかったですが、どうやら補聴器のハウリングのようでした。ハウリング音は本人には分からないらしく、対策も難しいです。高齢化が進んでいる時代ですので利用者も増えてくると思います。鳴り出したら隣の席の人がすぐ本人に伝えるようにするしかなのかもしれません。
とまあ、思いつくだけでもこれだけあります。他にもあるかも知れないので、こんなのもあるよという方はぜひコメントください。
個人的にはコンサートホールの入り口や案内にこれらの事を注意事項として書いてほしいです。
せっかくの演奏なのでみんなで気持ちよく聴きたいですよね。