知ってる人は知ってると思いますが、ヤギヤのピアノ C.Bechsteinのハンマーを7/18から3日間かけて交換しました。
ヤギヤをオープンする1年前に今のピアノを購入し、その時に購入店でハンマーを交換してもらったのですがヤギヤのスペースには音が大きくて硬い気がしてたんですよね。
いつかハンマーを交換してもっと柔らかい音にしようと考えていましたが、今回いろいろなご縁に恵まれて交換することにしました。
交換作業後に以前よりも状態が悪くなってしまうことを恐れてなかなか踏み切れませんでしたが、ドイツにあるベヒシュタインの製造工場で製造マイスターの資格も持つKさん(日本人です)が夏に帰国する際に交換作業のお手伝いをしてくれるという話になり、この機会にとお願いしました。
ハンマーはドイツで選定してもらい、針を入れたり穴を開けたりする下準備はドイツの工場で行ってもらいました。
ヤギヤの店内で調律の輪島さんとKさんのふたりで交換作業。
作業工程を説明したいところですが、見てただけなので詳しくは説明できませんが、簡単に説明していきます。
なにしろピアノ関してはまったくの素人なのでちゃんと説明できないと思いますが、間違っていたらごめんなさい(^^;
まずは現行のままでいろいろと(ハンマーかな?)長さを測っていきます。新しいハンマーの取り付け位置の目安にするみたいです。
実際に音を聴きながらちょうどいい長さを探っていきます。
低音部から測って、
高音部分も測ります。これは上から計測してますね。
アクションの部分を取り出してと。。
見たことがない方も多いと思いますが、ずいぶん大掛かりな仕掛けですよね。
よく見るとアクションが4つのグループに分かれています。
長さ等の位置決めは各グループの端っこを正確に決めます。(←ここ大切みたい)
作業の邪魔になるので鍵盤の部分はいったん外して、
別のテーブルに置いておきます。
こうしてみると鍵盤って長いんですね~ ふだんは白い部分しか見えてないのですが、その三倍はありそうです。
こちら、新しいハンマーです。
って、検査した人の名前の日付だけ?(笑)
現行のものはアベルのものでしたが、今回はレンナー(Renner)に交換。
こちらが中身です。シャンクという部品らしいです(^^;
こちらが新しいハンマーですね。
横にRennerと書いてあります。芯のフェルトの色が赤です。これまでは緑でした。
他には黄色もあるらしく、色で何か違いがあるのでしょうか?
木の材質も違うみたいで、新しいハンマーはウォールナットらしいです。
グループの端のハンマーを外します。計8本。
外すときに気がついたのですが、ネジ山の形が日本のものと少し違います。
拡大すると、
日本のネジを見慣れている人は違和感を感じると思います。
これは特殊なネジで、当然ドライバーも専用のものが必要です。
日本にある普通のドライバーを使うとネジ山をナメてしまうことがあるそうで、この写真でもよく見るとナメてしまったネジもいくつかありました(^^;
こちら、現行のハンマーです。フェルトが緑色です。
手前のハンマーだけ取り外して新しいシャンクを取り付けてます。
新しいシャンクの規定の位置にハンマーを取り付けます。
この時点ではまだハンマーを差し込んでいるだけ。接着はしてません。
新しいのはシャンクが白いですね。以前の取り付け位置よりも少し長くなっています。
(ってことは今までの位置って。。(^^;)
後々わかるのですが、この位置はすごく大切で、音がかなり変わります。
すごく重要なポイントですね。
上の写真はまだ仮ぎめの段階です。
位置が決まったらハンマーをニカワで取り付けます。
このハンマーの取り付け位置を間違えるとたいへんな事になるので見てる方もドキドキです。
棒でニカワを塗り塗りしてます。
シャンクの付け根に黄色いものが付いてますが、これも大切な部品みたい。
現行のものはずいぶん長い年月使っていたみたいで、かなり変形していました。(ホントは丸いらしい)
両端のハンマーを取り付けたら、1本おきにハンマーを外していきます。
そして新しいシャンクを取り付けていきます。
このときにちゃんと平行に取り付けないといけない。
平行はシャンクの取り付け部分で確認できます。(ネジのある部分ね)
一本おきに外していくのは平行を取りやすいのだと思います。
こういうちょっとした作業工程の工夫で作業時間がずいぶん変わりますね。さすがマイスター(笑)
新旧のシャンクが並んでいるところは、色的に綺麗で好きです。
よく見たらまだネジ止めしてないですね(^^;
古いネジは40年ほど昔のネジですね。手前のネジだけ新しいので光ってます。
新しいシャンクの位置が決まったら取り付けて、残っていた古いのを外して同じように新しいシャンクを取り付けます。
まだまだ作業は続きますが、長くなるので今回はここまで。
作業が終わってから気がついたのですが、ハンマーをすべて交換するという作業はなかなか見られることじゃありません。
せっかくの機会だったから興味がある人にも見てもらえばよかったと思いました。
次に交換するの数十年先になると思いますが(笑)