11月5日(土)午後4時から
津市美里町三郷の美里文化センターで「月亭八方・桂きん枝 落語二人会」が開催されました。
美里文化センターでは、久しぶりの落語公演です。
出演者の桂きん枝さんが、
「こういう地方のホールに呼んでいただきますとね、
落語と言えば「笑点」のメンバーが来るとお客さんが思っておられまして、
落語家と言えばみんな東京からやって来るみたいに」
ということを冒頭に言われたのですが、
まさにその通りで、美里文化センターが開館してまもない頃に
好楽さん、こん平さん、楽太郎さん、夢の助さんらが
東京から美里へ来られて、落語をされています。
で、
上方落語を上演するのは今回が初めてです。
(前座の桂ちきんさん)
前に置かれた、見台(けんだい)・膝隠(ひざかくし)を使うのが上方落語の特徴です。
これは、上方落語が生まれた元禄時代に
道端に机を置いて、立ったまま話をしていた名残りだと言われています。
しかし、上方の噺家さんでも、この道具を使わない方もいます。
桂三枝さんなどがその代表です。
上の桂ちきんさんは、次の桂きん枝さんがこれを使われないので、
自分が退場するときに、これらの道具を持って退場していきました。
桂きん枝さんは「禁酒関所」という上方落語の代表的な噺を演じました。
藩主が禁酒令を出した城下で、武家屋敷に酒が持ち込まれぬよう取り締まる関所の役人と、
何とか注文の酒をこっそり届けようとする酒屋との知恵比べを描いた噺で、
4代目林家小染さん(故人)が得意としていました。
私は小染さんの「禁酒関所」をTVで見たことがあります。
噺の終盤で、ひどい臭いに顔をしかめながらも
大好きな酒が飲めるので、とても幸せそうな顔を演じていました。
最後に登場した、月亭八方さん。
古典と創作落語をミックスした「赤穂浪士」の噺でした。
巷で大人気の赤穂浪士、
仇の吉良屋敷への討ち入りが近々あるのではないかと町民たちが噂しています。
それに目を付けた塩問屋秋元屋が、赤穂浪士の人気投票を画策、
人気投票で1位になった浪士が、吉良邸討ち入りの際に隊の中央に立てる、というので
誰が1位になるか、町民たちの話題になっています。
「AKB総選挙」のパロディを赤穂浪士の講談にミックスしたのですな。
会場の年齢層が高かったので、AKB48のネタが分かるかどうか心配したのですが、
皆さん大爆笑でした。
「月亭八方・桂きん枝 落語二人会」
11月5日(土)午後4時00分開演
入場者数296人
月亭八方・桂きん枝 落語二人会