11月10日、津市を本拠地とする三重スリーアローズが、球団解散を発表しました。
三重の独立球団としての活動は、実働2シーズンで幕を閉じました。
プロ野球の独立リーグは現在、関西リーグ、四国アイランドリーグ、北信越のBCリーグなどがあり、
今年度は、四国リーグの高知が初めて収支黒字になったり、
同じく四国リーグの香川の選手が大量にドラフト指名されるなど、明るい話題も増えてきたのですが、
その一方で、三重の解散は対照的な暗いニュースとなりました。
三重がこのような事態になった理由は、多くのメディアで書かれているので、
あえて、ここでは書きませんが、
活動をどのようにして地域に浸透させていくのか、
ビジョンがはっきりしていなかったような印象を受けます。
私は、地方都市にこのようなプロ球団を根付かせる方法として
サッカーJ2の草津のような運営方法が最も良いと思うのですね。
草創期の草津は、選手全員が草津温泉の旅館で働きながら、
サッカーに取り組んでいたといいます。
試合での入場料収入やスポンサー収入などを過大に見込むのではなく、
選手が働きながら運営経費をねん出していたということです。
で、
働きながらサッカーをする選手らは、地域でも身近な存在であり、
彼らを応援しようという機運が徐々に高まってきたのです。
選手が津市内のどこかの鰻屋さんで働きながら野球をしていたとしましょう。
少なくともその店の関係者やお客さんは、津球場へ応援に来たと思うんですね。
25人の選手がそれぞれお店のお客さんを20人ずつ連れてきたら、
毎回500人が観戦に来るという計算になりますし、
商店街や町内会がまるごと応援する可能性もあります。
「いやプロ選手として、野球に専念できない環境ではいけない」
という意見もあろうかと思います。
(事実、三重はそういうスタンスであったようですが)
「選手が市内でアルバイトしてたら良かった」というようなレベルでは解決できない、
もっと大きな問題が他にもあったようです。
けれど、大口のスポンサーが付かなかったとか、
観客動員数が目標を下回ったとか、そんなことは初めから予測できたわけで、
しかも1年目よりも2年目のほうが実績が下がったのですから、
これは完全に「魅力を失っていた」のであって、
2年間の活動の方向性が間違っていた、ということだと思います。
球団がチームと選手をメディアに露出させようと努力していたことは認めます。
熱心に応援していたファンや地元メディアがあったことも知っています。
ですが、それらが広がりを見せることは無かったようです。
「一度もスリーアローズを観に来たわけでもないのに、偉そうに言うな」
と言われるかもしれませんが、
例えば、
選手が何人かうちの子どもの小学校にやって来て、一緒にソフトボールをしたとか、
南長野イルミネーションのイベントに来て、フライドポテトを揚げるのを手伝ってくれたとか、
そんなことがあれば、私は絶対に試合を観に行くようになっていたと思います。
そうやって、応援したいと思う人が増えて、
地元に愛されるチームになれば、絶対にスポンサーだって付いたと思うのです。
三重スリーアローズの解散(その2)
津まつりで、元中日ドラゴンズ、谷沢健一さんと、感激;ショット!!
三重スリーアローズ、関西独立Lから撤退
>11月10日毎日新聞
プロ野球独立リーグ:三重スリーアローズ、球団解散を発表
プロ野球の独立リーグ「四国アイランドリーグplus」を今季限りで脱退した三重スリーアローズは10日、球団の解散を発表した。三重は関西独立リーグへの参加を打診したが、拒否されていた。
津市の球団事務所で会見した壁矢慶一郎代表は、実働2シーズンで解散を決めた理由として、来季から加盟できるリーグがなかったことを挙げた。壁矢代表は「来季に向けた準備の時間が無かった。残念だ」と話した。
今季は中日などで活躍した野口茂樹投手の入団で話題を集めたが、主催試合の平均観客数は282人と低迷し、約1000万円の赤字を計上、累積赤字は約1億3000万円に増えた。所属25選手のうち、現役続行を希望する大半の選手は移籍先が決まったが、まだ数人の進路が未定という。