映画「ローマの休日」のラストの名シーンで、
別れの辛さに胸がいっぱいで、
見送られたり、言葉をかけられたら、もっと辛くなるので、
このままお互いに背を向けて別れましょう、という、
涙ナミダの別れのシーンです。
アン>
はい、私はあなたの元を去ります。あの角まで行って曲がります。
あなたは車の中にいて、走り去ってください。角の先に行って、私を見ないと約束してください。
ただ走り去ってください。私もそうします。
ジョー>
わかった。
アン>
お別れに何と言っていいかわからないわ。どんな言葉も思いつかない。
ジョー>
何も言わなくていいんだよ。
すごいですね。
切なさがひしひしと伝わってきます。
が、
このブログは映画評論のブログでは無くて「美里町の探検日記」なので、
上記のセリフを美里人の男女が言ったらどうなるか、
というのをご紹介します。
アン>
ほしたら、うちもう行くでな。うちはあそこの角曲がってくで。
あんたは車ん中におって、行ってもうたらええで。先行ってうちのほう見やんといてな。
こっから家に帰ってえな。うちもそうするで。
ジョー>
そうするわ。
アン>
お別れにって何言うてええかわからへん、うち何にもよう言わんし。
ジョー>
何も言わんでええが、はよ帰りい。
三重県中勢地方は、基本的に関西語圏なので、
関西弁のイントネーションで読んでいただければ結構です。
本来の美里弁は、女性言葉で自分のことを「わたい」と呼ぶようですが、
今ではもう、そういう言い方をする人も少なくなりました。
女性のほうの切ないイメージを壊さないように、と思うと、
「うち」のほうが合うような気がします。