11月10日、津市を本拠地とする三重スリーアローズが、球団解散を発表しました。
三重の独立球団としての活動は、実働2シーズンで幕を閉じました。
三重スリーアローズの解散(その1)では
ファン(観客)の獲得、スポンサーの獲得に向け
チームをいかに地域に浸透させるかという戦略が甘かったのではないかと、いうことを書きました。
今回は、
野球の場合、安易にプロ球団が設立できるという点を指摘したいと思います。
再度ここで、サッカー(Jリーグ)を引き合いに出すのですが、
日本のプロサッカーの場合、独立リーグというのは認められていなくて、
およそ日本国内に存在するサッカーチームとは
JFA(日本サッカー協会)に所属したうえで、
プロのJリーグかアマチュアのリーグのどちらかに所属しています。
例えば、三重県でプロのサッカーチームを創設しようとした場合、
社会人とかアマのクラブチームが加入する三重県の地域リーグを突破し、
次にその上部リーグである東海地区のリーグ戦、
その地域リーグチャンピオンが戦う全国地域リーグ戦、と
次々に突破してやっとアマチュアの最高峰であるJFLに所属することができます。
それと同時に、
「Jリーグ準加盟」を申請します。
これの承認には、
・クラブの法人化
・ホーム試合を相当程度開催可能でJ入会迄に基準に適合するよう改修可能なスタジアムの確保。
・県サッカー協会の承認を受け、自治体が支持を文章で示している。
・相当数の企業の支援。
・練習場の確保等。
が条件となります。
準加盟が認められた上で、JFLで上位の成績を収め、
・指導者がS級ライセンス所持者であること、
・「プロA統一契約書」を締結した選手を5名以上保有。
・収容人員等の規格を満たすスタジアムの確保
などの条件を満たして、やっとJ2リーグに昇格、これでやっと「プロ球団」となれるのです。
最短でも、チーム結成から数年かかるのです。
強さと経営状態と施設の規模、すべてが揃わなければプロ球団とは認められないシステムです。
これと比べれば、
近年の「独立リーグ」のチームはいかに安易に設立されているか、がわかると思います。
もちろん、三重だけが安易だったわけではありませんが、
「広き門」ゆえにその後の格差も広がった、と考えます。
上記のJリーグ加盟のような厳しい条件があれば、
数年かけてチームも強くなり、また地域への浸透も図れ、経営も安定するのではありませんか。
少なくとも「周辺のどの社会人チームより強いこと」くらいは
プロとしてスポンサー収入や入場料収入を得るのであれば、当然の条件ではないかと思うのです。
まずはアマチュアのクラブチームとして、
アマ野球の3大全国大会(都市対抗、日本選手権、クラブ選手権)に出場できるような、
強いチームを作ることから始める、そういう地道な方法もあったのでは、と思います。
「終わってから(後から)では何とでも言える」のかもしれません。
しかし、ここで言いたいのは、
「もう三重では(津市では)プロ野球チームを創設するのは不可能」
だという結論になってほしくないのです。
確かに、この地域では中日や阪神という人気チームの陰になってしまい、
ファン獲得が非常に難しいという点は否定できませんが、
道を開く方法は必ずやあると信じています。