六根清浄、お山は晴天。 登って下って、どっこいしょ。

たまに書く、時々入力、気が向いたら、したためる。駄文満載、阪神裕平ことおやじぃ雅のアウトドア雑記帳。

山の幸だから「山塩」。だが岩塩にあらず

2015-06-02 17:14:53 | Hungry?~喰らわねば帰れん
 生命維持に不可欠であるが、摂取過多は身体に悪い。また給料(サラ
リー)の語源といわれ、時にはライバルに送ることもある。さらには、
女性の控えめで、しとやかな態度も、これが欲しさゆえという話もある
「塩」。そして島国日本で塩となれば、やはり海の恵みと思うのが一般
的だ。しかし最近は「山塩」と呼ばれる山の一品も注目の的となってい
る。さて、この山塩とは。一体どんな塩なのか。

 山塩とは、日本各地の山間部にある温泉地産の塩だ。ただし岩塩では
ない。山塩とは、その形成のメカニズムはいまだに謎の部分も多いが、
太古の海水成分が“化石”となった岩塩に対し、温泉などの高温の地下水
に溶けだしたものだ。海とは縁のない場所では、古くから貴重な塩の供
給源として利用されてきたという。味も海水とは異なる独特のおいしさ
がある。そうなるとグルメな現代人、山塩を無視するわけにはいかない。

 山塩を、いますぐに自宅で味わいたい派は「会津の山塩(702円・税
込、40グラム1瓶より/会津山塩企業組合・福島県耶麻郡)」を取り寄
せてみたい。同商品は、磐梯山のふもとに位置する大塩裏磐梯温泉の温
泉水を煮詰めたものだ。
 
 温泉の始まりは、弘法大師によって弘仁年間(810~824年)とのい
い伝えもあり、そのルーツはいまから約1200年前。山塩づくりは江戸
時代には隆盛を極めたが、その後の専売制度もあり、いったんは途絶え
る。しかし2005年に、村おこしの一環として復活し2007年より本格的
な再開となり、今日にいたっている。大量生産が難しいため、やや“高め”
の価格ではあるが、味は絶品と価格以上に“高い”評価を得ており、人気
は年々高まっている。

 山塩を味わいに出かける。こちらの販売は現地のみだ。それが長野県
下伊那郡にある塩辛い温泉、鹿塩(かしお)温泉の山塩。開湯は神代の
時代とも、ここでも弘法大師が尽力との伝えもある同温泉で、本格的な
山塩づくりが始まったのは明治中期からだそうだ。

 だが先の会津同様に、諸般の事情で一時中断。再開は1997年で、い
まも鹿塩温泉 湯元 山塩館の手によりつくり続けられている。味は、塩
辛さのなかに甘味を感じる独特のおいしさが特徴で、かつて大正天皇ご
成婚の際にも献上されたという。さて味とともに気になる山塩の価格は
530円(税込、50グラム1袋)。また数は1人1袋まで。

 山塩を自らがつくることもできる。甲斐駒ヶ岳温泉 尾白(おじら)
の湯は、名水・森・人がテーマの白州・尾白の森名水公園 べるが(山
梨県北杜市/運営はアルプス・本社:山梨県中巨摩郡)内に湧く塩分
の強い温泉だ。公園内では、体験イベントとして「森の学校 おいしい
教室」もおこなわれており、塩づくりもそのひとつとなっている。

 つくり方はいたってシンプルで、温泉水を土鍋で煮詰める。1鍋につ
き対応人数は2名から5名で、費用は1,000円より。なお塩づくり体験は、
火にかけた土鍋を根気よくかき回すと、長時間の暑さがともなう作業。
そのため開催は、秋から春先と季節限定となっている。今度寒くなった
ら山塩づくりに甲斐の国へ。ユニークなグルメ旅にはなりそうだ。

 調理にはもちろん、暑い季節の熱中症対策にも。今年の味つけや塩分
補給は、山塩を活用してみるのもいいかもしれない。

(「粥の味つけにもいいかも」と思う、糊口を凌ぐ阪神 裕平 書く)

どっち、どうする、決めかねている

2015-03-28 02:10:50 | Hungry?~喰らわねば帰れん
~JR高尾駅→ザリクボ→影信山(727m)→
    城山(670.3m)→高尾山(599m)→JR高尾駅~
 


目的は、開催中の「冬そばキャンペーン」で
名物のとろろそばに舌鼓を打つことだった。

早朝の高尾駅は北口を、
頭上の天狗様に見送られて出発。

登山道入口へと向かうルートの沿道は
意外とにぎわっている。

皆さんのお目当ては「花」と「鳥」。
道中にあるいくつもの梅郷では、
すでに花は満開。

また沢沿いには、何でも雀よりも小さい
キセキレイ? をこの目でと
バードウォッチングに興じる人も多い。

ここに「風」と「月」が加われば、
風流この上なしだが、本日は日が明けたばかり。
風は少々あるが、月はさすがに、また今夜にでもだ。

林道を離れ、山道となる。
1時間かけて景信山の頂に立つ。

頂一帯に広がる売店のベンチは無人。
ポツンと1人座って、富士を眺めつつ
朝ご飯。次に口にするのは、おいしいおそばだ。

高尾の道といえば、ぬかるみで汚れは覚悟、
スリップ要注意だったが、
さすがはインターナショナルなお山。
整備は着々。知らないうちに、かなり改善されており
まるでしゃれたビーチにあるような
ボードウォークのようなところもある。

雨天時は滑りそうだが、本日のような
好天のもとでの山歩きでは、道は“高速道路”。
お陰で歩く速度も速くなる。

高尾山に着く。学校も春休み時期なので
ごった返している。
薬王院では、たった5円のお賽銭で
頼まれる方も、きっとあきれ顔となる
健康から商売繁盛まで、てんこ盛りの
お願いをして、さあ、本日の目的である
おそばである。

事前に入手したパンフレットを参考に、
どこで食べるかな周囲を見渡しながら歩いていると
1本の麺類を告知する「のぼり」を見つけた。
ただし、そばではない。

これも美味しそうだ。と思いつつ、
体はすでに店の中。席に着いて
のぼりにあったメニューを注文し
出されたお茶をすすっている。

しばらくして、注文の品がやって来た。

山芋と雑穀米でつくった長い棒を
天狗様の鼻に見立てた
こちらはご当地ラーメンだ。

味はよい、実に旨い。いつもながらの早食いで
瞬時の完食となる。

さてここで、考える。
今日の目的はそばを食べること。
しかしこのラーメンには、替玉もある。

おかわりをするか、それとも
河岸を変えて…。

ラーメンかそばかで悩むこの時間に、
きっと世界のどこかでは、国家の存亡や
今後の人生を左右するなど、
重大な選択に迫られる人もいる。

それに比べれば、誠に微笑ましいというのか
何ともスケールの小さな実にせこい話ではあるが
これは、これで究極の選択である。

さあ、どうしようかな。

 



●コースタイム(カッコ内の左・到着、右・出発時間)  
《第1日目》
JR「高尾」駅
(06:15)
 ↓↓↓↓
 

JR高尾駅・北口を出て、甲州街道→西浅川T字路→小仏関跡と、早朝の
高尾の町を登山口となるザリクボまで歩く。春休みとはいえ、本日は平
日の早朝。しかし梅林までは花見客、小下沢沿いの林道にはバ-ドウォッ
チャーと人、駐車中の車は多し。

車止めのゲートを過ぎ、広場に出る。左手に登山口を示す道標あり。

 
 ↓↓↓↓
登山口出合い(ザリクボ)
(07:25/07:45)

ルートは、特に急登でもないジグザク道。危険箇所もなし。

 ↓↓↓↓
登山道合流点(小仏バス停からの登山道)
(08:24/08:30)
 
 ↓↓↓↓
景信山(727m)
(08:40/08:50)
 ↓↓↓↓
小仏峠(・548)
(09:05/09:05)
 ↓↓↓↓
城山(670.3m)
(09:20/09:30)
 ↓↓↓↓
 

城山と高尾山の間といえば、足元は“ぬかるみ地獄”というのがこれまで。
しかし現在急ピッチで木や砂利で、歩きやすい道へと改修工事中。この
道ならとちょっとトライと、思わずトレイルラン気分で小走りで進む。

↓↓↓↓
高尾山(599m)
(10:05/12:00)
 ↓↓↓↓
京王高尾山口駅
(12:25/12:40)
 ↓↓↓↓
JR「高尾」駅
(13:15)

新宿駅のジャンボな“梅干”?

2014-12-23 23:52:20 | Hungry?~喰らわねば帰れん


普段、食生活の主役は米のご飯だが、
山では、格好よくいえば行動食というか、
パンを口にしつつとなることも多い。

そのため山へ出かける準備には
パンの購入も欠かせない“ルーティンワーク”だ。

そして先日、偶然目に留まったのが
JR新宿駅の構内で売っていたパンだった。

最初は、やけに大きな“梅干”かと思ったが、
じっくり見ると、それは「リンゴパン」なる
名称のれっきとしたパン。

真っ赤な色は、りんごをイメージしたものだったが、
それにしても派手なパンである。面白そうだから
ものは試しと買ってみた。金150円(税込)。

でもパン1個では何なので、ついでに隣のあった
こちらも地味ながら緑の色が主張する
「カボチャパン」も一緒に購入してみる。

実際に食べてみる。まずはリンゴパン。
このパンは味もよいが、それ以上に香りがよい。
ほのかというよりも、かなり強烈で
それだけで、う~ん満足となる。

        

続いて「カボチャパン」をかじってみると。
このリンゴパンより10円高い、
160円(税込)の一品は
カボチャのあんがぎっしり詰まっており
食べ応えは十分。もちろんうまい。

しかしこの2つのパンに出会って以来、
たびたび購入を試みるが
両品どちらもそろってとなるのはまれ。
特にリンゴパンとは、ご無沙汰の関係だ。

これは、もしやリンゴパンは
実はメジャーな逸品かもと
インターネットで検索してみると。

まあ、あるわ、出るわ、載っているわいと
リンゴパンに関する情報は多数あり、
人気もなかなかであることがわかった。

道理で、購入できないことも多いわけだと
納得はするが、買えないと欲しくなる。
そのため、無事に購入して山などで食すると
おっさん喜び“自撮”で1枚である。


ややこしいが、旨いらしい

2014-07-01 01:54:18 | Hungry?~喰らわねば帰れん
 サケとマス、その違いを正しく説明できる人は少ないが、日本
の各地には、ご当地“サーモン”なる絶品が存在している。そして
いま、すしネタでの人気を追い風に、ちょっとした話題だ。ただ
し名称には「サーモン」とあるが、これはあくまでもブランド名。
では、その正体とは。

 日本語で「サケ」と「マス」。生物学的には、両者の明確な違い
はないものの、一般的には海へ下る(降海型)はサケ、もしくは英
語の「サーモン(Salmon)」、また淡水にとどまる(陸封型)も
のをマス、または「トラウト(Trout)」と呼び、区別することも
多い魚だ。しかしこの区別が厳密かといえば、いささか心もとない。
実はトラウトには降海型が存在しており、お陰で何とも区別がよく
わからなくなっている。そして、この“海へ下るトラウト”の1種であ
るニジマスこそが、今回の主人公であり、日本各地のおいしい“サー
モン”にほかならない。

 ニジマスを海水で養殖すると名称は「サーモントラウト(または
トラウトサーモン)」となる。輸入品も多いが、国産も奮闘してお
り今年5月に産声を上げたのは「広島サーモン(サーモントラウト)」。
近頃のサーモン人気を背景に、中断していた海で養殖を再開したも
ので、目指すは新しい広島県の名物だそうだ。肝心の味は、あっさ
りとした脂で万人に好まれる点が特徴となっている。

 ご当地サーモンの育成は、海のない県でも盛んだ。たとえば長野
県には「信州サーモン(ニジマス×ブラウントラウト、交配種/長
野県水産試験場)」が、またお隣の山梨県には「甲斐サーモン(大
型のニジマス/山梨県養殖漁業協同組合)」がいる。前者は、養殖
専用に開発された交配種で繁殖力のない魚だ。食べ方は生が1番と
され、地元の名産として、刺し身やサラダなどに姿を変え、観光客
に振る舞われている。一方、後者は、豊かでうまい天然水でじっく
りと時間と手間をかけて養殖した大型のニジマスだ。こちらもクセ
のない味わいで、和洋中いずれの食材にも相性は抜群。使い勝手の
よい魚だそうだ。
 
 そしてもう1県、最近注目されているのが関東の海なし県である
群馬県の「ギンヒカリ(三年成熟系ニジマス/群馬県養鱒漁業協同
組合)」だ。群馬県が10年以上かけて選抜育成した魚で、成熟まで
通常のニジマスが2年に対して、ギンヒカリは3年と1年多くかかる
が、成熟にともなう肉質の低下は少なく、身のよくしまった高品質
で大型のニジマスとなるという。そのほどよい脂ののり具合は、特
に生食がおすすめだそうだ。なおギンヒカリは、一般の流通経路は
なく、出会えるのは温泉地など、群馬でも限られたごく一部となっ
ている。

 ほかにも「絹姫サーモン(愛知県)」や「魚沼美雪マス(新潟県)」
など、全国に存在するご当地サーモン(ニジマス)。いまは無名で
も、味は太鼓判だ。いずれはB級グルメに続いて全国区の名物として、
地域活性化の一助となる人気の味となるのかもしれない。山から下り
たら地元の“サーモン”に舌鼓。試してみてはいかがだろう。

(「まずはご近所の甲斐あたりから」。
       歳はとっても、いまだ大盛り命の阪神 裕平 書く)

峠の…、いや奥多摩の「釜飯」。

2013-11-18 21:14:40 | Hungry?~喰らわねば帰れん
《軍畑~高水山~岩茸石山~黒山~棒ノ折山~川井》

     

 なぜここで「釜飯」なんだろう。これは、学校を出て就職した際に
出くわした光景に対して、浮かんだ疑問である。

 入社した会社で配属された部署の上司は、当時では珍しく女性だっ
た。ある時、その上司と一緒に出かけた帰り道に、甘味処へ立ち寄っ
たことがある。コーヒーは苦手だが甘いもの、特にあんこものは別腹
という上司。一方、その逆が私。しかし甘味処のメニューは、両者い
ずれにも対応可能な品揃えであり、上司あんみつ、私コーヒーを口に
しつつ、ありがたき上司のお話の拝聴タイムとなった。

 そんな甘味処のメニューには釜飯もあった。こういったお店でコー
ヒーだけを飲むのも不思議だが、釜飯はそれ以上。でも美味しそうだ
なと思いながら、コーヒーをすすっていた記憶がある。

 以来、釜飯に意外な所で食べるとの条件が加わると、無性に食べて
みたくなる。そんな私が、奥多摩のちょっと離れた場所に美味しい釜
飯がとの情報をキャッチしてしまった。これは当然GOである。早速、
山行名「回り道して、腹ぺこ状態で食べる釜飯大作戦」を敢行で「き
のこ釜飯」をパクつきに出かけてみた。

 店は「釜飯 なかい」という屋号で、なるほど車でもなければ無理だ
なという場所にあった。お店の人のテキパキとした対応も気持ちよく、
通された席に「よっこらせ」。しばらくして注文の品もやってきた。
いただきます。ふぅ~ご馳走様。今だに学生時代の悪いクセ、食べる
のがハイペースで、あっという間に完食である。

 では、おいとましますか。店を出て駅まで歩く道すがら、かつて甘
味処で、上司から「人と食事をする時は、ペースを考えて。あなたは
早過ぎ」と注意を受けたことを思い出した。すいません、まだ直って
いません。そして甘味処のメニューにある釜飯の謎についても残念、
現在も氷解していない。

    


●コースタイム(カッコ内の左・到着、右・出発時間)  
JR立川駅
(6:10)
 ↓↓↓↓
JR軍畑駅→→→→→登山道出合→→→→→分岐(上成木登山道合流点)→→
(7:05/7:15)   (7:30/7:45)     (8:17/8:17) 

JR軍畑駅から登山道出合までは、上りオンリーの舗装道路を進む。高源寺を
過ぎ、行く手に砂防ダムが出現したら、はい登山口に到着である。

分岐(上成木登山道合流点)までは結構急登で、なかなかしんどい。


高水山(759m)→→岩茸石山(793.3m)→→名坂峠(八桑下山路分岐)→
(8:35/8:45)   (9:05/9:20)      (9:25/9:25) 

高水山は、お寺の裏庭的雰囲気の場所。展望は今ひとつである。

高水山からは一気に鞍部へ急降下。その後は平坦な道が岩茸石山まで続く。

逆川ノ丸(・841)→→→→黒山(842.3m)→→→→ゴンジリ峠→→→→→
(10:10/10:20)     (10:33/10:40)     (11:00/11:05) 

名坂峠~ゴンジリ峠間は、道は明瞭で道標も完備。しかし稜線を忠実に
進むため、小ピークを全て拾い、道は何度も上下を繰り返す。短い時間
ではあるが意外と疲れる。なお展望も、黒山以外ではなし。


棒ノ折山(969m)→→→→→奥茶屋(キャンプ場)→→→→→→大丹波
(11:10/12:00)      (12:35/12:37)       (13:15/14:00) 
                              ↓↓↓↓
                            JR川井駅 
                             (14:18)     

ゴンジリ峠からは、ひと息で棒ノ折山のピーク。だが足元は、歩幅の
合わない丸太の階段&階段の周囲は、雨でも降ればぬかるみ必至と地
盤は“ゆるめ”。非常に歩きにくい。

棒ノ折山のピークから、時間にして約15分は落ちるかのごとしの道。
そして沢の流れを耳にするようになると階段状。さらに進めば、わさ
び畑が出現し、そうこうしている間に林道と合流。

お目当ての釜飯の店は、大丹波にあり。

(2009年12月/阪神 裕平)