生命維持に不可欠であるが、摂取過多は身体に悪い。また給料(サラ
リー)の語源といわれ、時にはライバルに送ることもある。さらには、
女性の控えめで、しとやかな態度も、これが欲しさゆえという話もある
「塩」。そして島国日本で塩となれば、やはり海の恵みと思うのが一般
的だ。しかし最近は「山塩」と呼ばれる山の一品も注目の的となってい
る。さて、この山塩とは。一体どんな塩なのか。
山塩とは、日本各地の山間部にある温泉地産の塩だ。ただし岩塩では
ない。山塩とは、その形成のメカニズムはいまだに謎の部分も多いが、
太古の海水成分が“化石”となった岩塩に対し、温泉などの高温の地下水
に溶けだしたものだ。海とは縁のない場所では、古くから貴重な塩の供
給源として利用されてきたという。味も海水とは異なる独特のおいしさ
がある。そうなるとグルメな現代人、山塩を無視するわけにはいかない。
山塩を、いますぐに自宅で味わいたい派は「会津の山塩(702円・税
込、40グラム1瓶より/会津山塩企業組合・福島県耶麻郡)」を取り寄
せてみたい。同商品は、磐梯山のふもとに位置する大塩裏磐梯温泉の温
泉水を煮詰めたものだ。
温泉の始まりは、弘法大師によって弘仁年間(810~824年)とのい
い伝えもあり、そのルーツはいまから約1200年前。山塩づくりは江戸
時代には隆盛を極めたが、その後の専売制度もあり、いったんは途絶え
る。しかし2005年に、村おこしの一環として復活し2007年より本格的
な再開となり、今日にいたっている。大量生産が難しいため、やや“高め”
の価格ではあるが、味は絶品と価格以上に“高い”評価を得ており、人気
は年々高まっている。
山塩を味わいに出かける。こちらの販売は現地のみだ。それが長野県
下伊那郡にある塩辛い温泉、鹿塩(かしお)温泉の山塩。開湯は神代の
時代とも、ここでも弘法大師が尽力との伝えもある同温泉で、本格的な
山塩づくりが始まったのは明治中期からだそうだ。
だが先の会津同様に、諸般の事情で一時中断。再開は1997年で、い
まも鹿塩温泉 湯元 山塩館の手によりつくり続けられている。味は、塩
辛さのなかに甘味を感じる独特のおいしさが特徴で、かつて大正天皇ご
成婚の際にも献上されたという。さて味とともに気になる山塩の価格は
530円(税込、50グラム1袋)。また数は1人1袋まで。
山塩を自らがつくることもできる。甲斐駒ヶ岳温泉 尾白(おじら)
の湯は、名水・森・人がテーマの白州・尾白の森名水公園 べるが(山
梨県北杜市/運営はアルプス・本社:山梨県中巨摩郡)内に湧く塩分
の強い温泉だ。公園内では、体験イベントとして「森の学校 おいしい
教室」もおこなわれており、塩づくりもそのひとつとなっている。
つくり方はいたってシンプルで、温泉水を土鍋で煮詰める。1鍋につ
き対応人数は2名から5名で、費用は1,000円より。なお塩づくり体験は、
火にかけた土鍋を根気よくかき回すと、長時間の暑さがともなう作業。
そのため開催は、秋から春先と季節限定となっている。今度寒くなった
ら山塩づくりに甲斐の国へ。ユニークなグルメ旅にはなりそうだ。
調理にはもちろん、暑い季節の熱中症対策にも。今年の味つけや塩分
補給は、山塩を活用してみるのもいいかもしれない。
(「粥の味つけにもいいかも」と思う、糊口を凌ぐ阪神 裕平 書く)
リー)の語源といわれ、時にはライバルに送ることもある。さらには、
女性の控えめで、しとやかな態度も、これが欲しさゆえという話もある
「塩」。そして島国日本で塩となれば、やはり海の恵みと思うのが一般
的だ。しかし最近は「山塩」と呼ばれる山の一品も注目の的となってい
る。さて、この山塩とは。一体どんな塩なのか。
山塩とは、日本各地の山間部にある温泉地産の塩だ。ただし岩塩では
ない。山塩とは、その形成のメカニズムはいまだに謎の部分も多いが、
太古の海水成分が“化石”となった岩塩に対し、温泉などの高温の地下水
に溶けだしたものだ。海とは縁のない場所では、古くから貴重な塩の供
給源として利用されてきたという。味も海水とは異なる独特のおいしさ
がある。そうなるとグルメな現代人、山塩を無視するわけにはいかない。
山塩を、いますぐに自宅で味わいたい派は「会津の山塩(702円・税
込、40グラム1瓶より/会津山塩企業組合・福島県耶麻郡)」を取り寄
せてみたい。同商品は、磐梯山のふもとに位置する大塩裏磐梯温泉の温
泉水を煮詰めたものだ。
温泉の始まりは、弘法大師によって弘仁年間(810~824年)とのい
い伝えもあり、そのルーツはいまから約1200年前。山塩づくりは江戸
時代には隆盛を極めたが、その後の専売制度もあり、いったんは途絶え
る。しかし2005年に、村おこしの一環として復活し2007年より本格的
な再開となり、今日にいたっている。大量生産が難しいため、やや“高め”
の価格ではあるが、味は絶品と価格以上に“高い”評価を得ており、人気
は年々高まっている。
山塩を味わいに出かける。こちらの販売は現地のみだ。それが長野県
下伊那郡にある塩辛い温泉、鹿塩(かしお)温泉の山塩。開湯は神代の
時代とも、ここでも弘法大師が尽力との伝えもある同温泉で、本格的な
山塩づくりが始まったのは明治中期からだそうだ。
だが先の会津同様に、諸般の事情で一時中断。再開は1997年で、い
まも鹿塩温泉 湯元 山塩館の手によりつくり続けられている。味は、塩
辛さのなかに甘味を感じる独特のおいしさが特徴で、かつて大正天皇ご
成婚の際にも献上されたという。さて味とともに気になる山塩の価格は
530円(税込、50グラム1袋)。また数は1人1袋まで。
山塩を自らがつくることもできる。甲斐駒ヶ岳温泉 尾白(おじら)
の湯は、名水・森・人がテーマの白州・尾白の森名水公園 べるが(山
梨県北杜市/運営はアルプス・本社:山梨県中巨摩郡)内に湧く塩分
の強い温泉だ。公園内では、体験イベントとして「森の学校 おいしい
教室」もおこなわれており、塩づくりもそのひとつとなっている。
つくり方はいたってシンプルで、温泉水を土鍋で煮詰める。1鍋につ
き対応人数は2名から5名で、費用は1,000円より。なお塩づくり体験は、
火にかけた土鍋を根気よくかき回すと、長時間の暑さがともなう作業。
そのため開催は、秋から春先と季節限定となっている。今度寒くなった
ら山塩づくりに甲斐の国へ。ユニークなグルメ旅にはなりそうだ。
調理にはもちろん、暑い季節の熱中症対策にも。今年の味つけや塩分
補給は、山塩を活用してみるのもいいかもしれない。
(「粥の味つけにもいいかも」と思う、糊口を凌ぐ阪神 裕平 書く)