~豊後富士(由布岳/ゆふだけ・1583.3m)~
慢心、油断、過信、そして老化も加わって、大分県は由布院のシンボル
的存在である豊後富士、由布岳で“血祭り”にあげられた。
出足は、ことのほか順調でいいペースだった。しかも天気は快晴であり、
2つある由布岳ピークの分岐点となる「マタエ」にも、予定よりかなり早め
の到着となる。まずは難所もある西峰へ。ホールド、スタンスもしっかりと
していたので、こちらも特に問題もなく、ピークに到着である。
景色を堪能して、今度は東峰だ。再び来た道を戻る途中で、アクシデント
発生である。マタエまであと少々のクサリ場を、スパイダーマン気分でヒョ
イヒョイと降りていると、左足が足場から抜けない。ええいと、力任せに抜
こうとしてバランスを崩す。おっと危ないと体勢を立て直したつもりだった
が中途半端だった。その結果、マット運動の前まわりの感じで一回転、落下
してしまった。
高さもさほどなく、下も平坦だったため、着地は見事に足からと決まった。
急いでセルフチェックである。身体は特に異常はなし。が、汗かと思って額
をぬぐえば、ややや血である。どうやら回転した際に岩で頭を切ったようだ。
これが本当の“大痛”県だなと、おっさんジョークもいつになくスピーディー
に飛び出たので、切った以外は脳も意識も大丈夫、いやむしろ冴えているの
かもしれない。ただちにポリタンの水で傷口を消毒した後、三角巾とバンダ
ナを使っての間接圧迫で止血である。
すぐに血は止まった。そしてしばし休息、ひとり反省会だ。原因は、謙虚
な山登りをモットーに行動しているつもりだったが、これならお茶の子さい
さいとルートをなめてしまった。そして老化。若かりし頃のイメージで、身
体を動かして危機回避のつもりだったが、やはり身体は年相応に衰えており、
昔とは勝手が違っていたようだ。
これも「山をなめんなよ」と、山の神様からの忠告と真摯に受け止める。
よし行動再開。東峰は残念ながら、また今度。大事を取って下山することに。
下に着いたら温泉で傷を癒すか。その前に、念のため薬局で消毒薬も購入し
よう。下山後、すぐに薬局は見つかった。しかし薬局での会話で、老いにつ
いてあらためて考えさせられる。会話はこんな感じだった。
・店員さん「どうされました?」
・おっさん「頭を切ったので、消毒用の薬をください」
・店員さん(店員さんは、おっさんをじっと見て)
「頭ですか。頭は毛が薄い…」
(この後2秒の沈黙タイム。そして何ごともなかったように)
「頭の皮は薄いので、小さな傷でも切るとかなり出血が…」
あの2秒間の沈黙は、単にいい間違えだったのか、それとも。自称“福山
某”似のナイスなミドルと思っていたが。現実は残酷なようだ。
●コースタイム(カッコ内の左・到着、右・出発時間)
《第1日目》
羽田空港
(06:40)
↓↓↓↓
(飛行機移動)
※
久方ぶりの飛行機である。しかし運賃は、実家の名古屋までの新幹線と
大差なし。最近は飛行機代も随分とお安くなりましたである。
↓↓↓↓
大分空港
(08:10/09:45)
↓↓↓↓
(バス移動)
※
平日の午前中だけあって空いているだろうとは思ってはいたが。何と
バスの乗客は私だけと、貸切状態である。そのせいか由布院到着も、
時刻表よりも早めに。お陰でバスの乗り継ぎも楽々となる。
↓↓↓↓
由布院駅前バスセンター
(10:33/10:40)
↓↓↓↓
(バス移動)
↓↓↓↓
由布登山口(正面登山口/780m)
(10:55/11:05)
↓↓↓↓
※
登山口からは草原、次に木々が日差しをさえぎってくれる森の中を続
く道を進む。振り返ると景色は絶景。急登ではあるが心地よい。ただ
しマタエに近づくにしたがい、木々の恩恵は少なくなり直射日光にさ
らされるハメに。しかも傾斜は急。本日のような晴天時は結構きつい。
↓↓↓↓
マタエ
(12:33/12:45)
↓↓↓↓
※
クサリ場の登場となる。だがホールド、スタンスはしっかりしており、
三点確保と慎重な行動を心がければ、通過は意外とスムーズ。
※
ただし同ルートをマタエに戻る際は、難所の障子戸過ぎの何でもない
クサリ場は油断大敵。さもないと今回のように“血の雨”が降ることに。
↓↓↓↓
由布岳西峰(1583.3m)
(12:52/13:05)
↓↓↓↓
合野越(登山道合流点)
(14:15/14:15)
↓↓↓↓
由布登山口(正面登山口/780m)
(14:45/14:50)
↓↓↓↓
狭霧台
(15:08/15:25)
↓↓↓↓
中原バス停
(15:43/15:48)
↓↓↓↓
(バス移動)
↓↓↓↓
由布院駅前バスセンター
(15:58)
~2015(平成27)年6月29日に歩く、そして落ちる~
慢心、油断、過信、そして老化も加わって、大分県は由布院のシンボル
的存在である豊後富士、由布岳で“血祭り”にあげられた。
出足は、ことのほか順調でいいペースだった。しかも天気は快晴であり、
2つある由布岳ピークの分岐点となる「マタエ」にも、予定よりかなり早め
の到着となる。まずは難所もある西峰へ。ホールド、スタンスもしっかりと
していたので、こちらも特に問題もなく、ピークに到着である。
景色を堪能して、今度は東峰だ。再び来た道を戻る途中で、アクシデント
発生である。マタエまであと少々のクサリ場を、スパイダーマン気分でヒョ
イヒョイと降りていると、左足が足場から抜けない。ええいと、力任せに抜
こうとしてバランスを崩す。おっと危ないと体勢を立て直したつもりだった
が中途半端だった。その結果、マット運動の前まわりの感じで一回転、落下
してしまった。
高さもさほどなく、下も平坦だったため、着地は見事に足からと決まった。
急いでセルフチェックである。身体は特に異常はなし。が、汗かと思って額
をぬぐえば、ややや血である。どうやら回転した際に岩で頭を切ったようだ。
これが本当の“大痛”県だなと、おっさんジョークもいつになくスピーディー
に飛び出たので、切った以外は脳も意識も大丈夫、いやむしろ冴えているの
かもしれない。ただちにポリタンの水で傷口を消毒した後、三角巾とバンダ
ナを使っての間接圧迫で止血である。
すぐに血は止まった。そしてしばし休息、ひとり反省会だ。原因は、謙虚
な山登りをモットーに行動しているつもりだったが、これならお茶の子さい
さいとルートをなめてしまった。そして老化。若かりし頃のイメージで、身
体を動かして危機回避のつもりだったが、やはり身体は年相応に衰えており、
昔とは勝手が違っていたようだ。
これも「山をなめんなよ」と、山の神様からの忠告と真摯に受け止める。
よし行動再開。東峰は残念ながら、また今度。大事を取って下山することに。
下に着いたら温泉で傷を癒すか。その前に、念のため薬局で消毒薬も購入し
よう。下山後、すぐに薬局は見つかった。しかし薬局での会話で、老いにつ
いてあらためて考えさせられる。会話はこんな感じだった。
・店員さん「どうされました?」
・おっさん「頭を切ったので、消毒用の薬をください」
・店員さん(店員さんは、おっさんをじっと見て)
「頭ですか。頭は毛が薄い…」
(この後2秒の沈黙タイム。そして何ごともなかったように)
「頭の皮は薄いので、小さな傷でも切るとかなり出血が…」
あの2秒間の沈黙は、単にいい間違えだったのか、それとも。自称“福山
某”似のナイスなミドルと思っていたが。現実は残酷なようだ。
●コースタイム(カッコ内の左・到着、右・出発時間)
《第1日目》
羽田空港
(06:40)
↓↓↓↓
(飛行機移動)
※
久方ぶりの飛行機である。しかし運賃は、実家の名古屋までの新幹線と
大差なし。最近は飛行機代も随分とお安くなりましたである。
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大分空港
(08:10/09:45)
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(バス移動)
※
平日の午前中だけあって空いているだろうとは思ってはいたが。何と
バスの乗客は私だけと、貸切状態である。そのせいか由布院到着も、
時刻表よりも早めに。お陰でバスの乗り継ぎも楽々となる。
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由布院駅前バスセンター
(10:33/10:40)
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(バス移動)
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由布登山口(正面登山口/780m)
(10:55/11:05)
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※
登山口からは草原、次に木々が日差しをさえぎってくれる森の中を続
く道を進む。振り返ると景色は絶景。急登ではあるが心地よい。ただ
しマタエに近づくにしたがい、木々の恩恵は少なくなり直射日光にさ
らされるハメに。しかも傾斜は急。本日のような晴天時は結構きつい。
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マタエ
(12:33/12:45)
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※
クサリ場の登場となる。だがホールド、スタンスはしっかりしており、
三点確保と慎重な行動を心がければ、通過は意外とスムーズ。
※
ただし同ルートをマタエに戻る際は、難所の障子戸過ぎの何でもない
クサリ場は油断大敵。さもないと今回のように“血の雨”が降ることに。
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由布岳西峰(1583.3m)
(12:52/13:05)
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合野越(登山道合流点)
(14:15/14:15)
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由布登山口(正面登山口/780m)
(14:45/14:50)
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狭霧台
(15:08/15:25)
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中原バス停
(15:43/15:48)
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(バス移動)
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由布院駅前バスセンター
(15:58)
~2015(平成27)年6月29日に歩く、そして落ちる~