六根清浄、お山は晴天。 登って下って、どっこいしょ。

たまに書く、時々入力、気が向いたら、したためる。駄文満載、阪神裕平ことおやじぃ雅のアウトドア雑記帳。

バスしかない、こともないが          ~おっさんは“夜”バスにゆられて~

2015-10-08 23:55:00 | Graffiti~チョイとひと言


「前夜発夜行」の登山で、夜行といえば
夜汽車、鉄道と相場が決まっていた。
ただ、これは大昔の話。
最近は、もっぱらバスを指すようになってきた。

バスは便利である。値段も安く、
時間も大体予定通り。
ザックはバスのトランクに収納され、
人は確保されている席にどっかと腰をおろせる。

しかし、少々味気ない。
かつての夜行、鉄道の場合は
混んでいても座れますようにと、
勝手なことを思いながら、駅へと急ぐ。

案の定、列車は満員。そこでデッキや通路を舞台に
陣取り合戦。何とか場所を確保して、とりあえずやれやれ。

列車が動き出し、しばらくすれば
ザックや登山靴を枕に、時にはかなり
難度の高い姿勢でおやすみなさいであった。

一方のバスは、時間に遅れなければ
何の心配もなく、座って出発を待つばかりだ。

あまりにもスムーズで、どうもいざ出発という
緊張感というのか、気持ちの高ぶりに欠けるような、
どこか肩すかしのようなと、妙な気分になる。
が、そんな思いも時間にすれば、ごくわずか。
すぐに睡魔がやって来る。

いつでもどこでも爆睡できるのが取り柄なために、
バスが動き出せば、たちまち夢の中。気がつくと朝、
そろそろ下車の時間となるのが常だ。

今回も名月に見送られて、またたく間にグッドナイト。
目覚めれば、すでに目的地の和歌山に着いていた。

では、衣服を整えパッキングを直して、
それでは行動開始。おっとその前に、
早朝から開いているパン屋さんを発見。
あれこれ買って、食べて、腹ごしらえ。

本日も食欲は旺盛、体調は良さそうだ。




バスがない~おっさんは、駅から歩き出す~

2015-10-08 23:38:10 | Oyage Cruise~“道”との遭遇


9月のシルバーウィークは、
久々に大学時代のクラブが所有する山小屋へ
出かけることにした。

クラブの山小屋は2ヵ所ある。ひとつは新潟。
こちらは5月のゴールデンウィークに訪ねた。

そして今回は、群馬県にある山小屋。
場所は、群馬県の旧鹿沢というところだ。

新潟もかなり不便な場所にあるが
群馬の方も負けず劣らず、交通の便は悪い。

随分昔は最寄駅の「万座・鹿沢口」駅から、
路線バスもあったが現在はもう廃止されいる。
したがって今回の予定は人力、
駅から歩くことにした。

さすがに連休中であり、天気も晴。
道路は、バスにマイカー&バイクがひっきりなし。
そんな中を、黙々と歩く。

歩いていると、時折声もかかる。
例えばこんな感じ。

走る車からは「どこまで? 乗っていくか」。
これにはニッコリ笑って「大丈夫」と答えつつ
歩みを止めて、去りゆく車に最敬礼。
しばし人の心の温かさに感謝である。



また休憩していると、今度は路肩に駐車中の車から
釣り師らしき人が
「この辺りは、実はいい水が多く、
以前は湧き水を利用しての養魚・養殖が盛んで
今でも沢にはイワナが」と
それは存じませんでしたといった類いの内容を、
それこそ“サカナ”に、しばし談笑。
そうこうしているうちに結構な時間。
それではと、また歩き出す。

ようやく周囲も山深くなってきた。
道は延々登り道。下りの車道の路面には
車が一定の速度で走ると、
この地発祥の歌「雪山讃歌」が
流れるしかけがあり「雪よ、岩よ」と、
いやはやにぎやかである。

歩いてばかりではと、車道を外れて山にも登ってと
回り道も。よって、なかなか目的地の山小屋には着かない。

駅を出てから約5時間、ようやく山小屋の
看板が見えてきた。タクシーなら約30分くらいの行程を
10倍の時間をかけて歩きプラス山登りも少々。

スピードが求められる昨今、
壮大な無駄ともいえそうな時間を過ごし方ではある。

しかしスローな速度だからこそ、
見聞きできることもあり、
値踏み不能な貴重、かつ贅沢なひと時のような気もする。
これもひとつの「時は金なり」なのかもしれない。