"リングの妖精"
万喜なつみと
シングルマッチで戦う
ほっこりプロレスの
Mr.しもが
念願の一戦の実現に
歓喜している。
2020年7月3日夕方、
雨の降る東京で
傘もささずに
スキップしながら
家路につく
ピンクジャージに
身を包んだ中年男の
姿があった。
Mr.しも、その人である。
「さっき社長からの電話で
万喜なつみ選手との
シングルマッチが
決まったって聞いたよ。
・・・嬉しいかって?
いや、別に普通だよ。
プロレスラーだからね。
対戦カードが決まったら
ただやるだけ。
それ以外の感情なんて
ありゃしないよ。
それがプロってもんでしょ。
それ以上でも
以下でもないよ。
そういうアレだよ、うん」
Mr.しもは常々、
最も推している
女子レスラーとして
万喜なつみの名前を
挙げている。
想像とは違う返答に
インタビュアーが
戸惑いを感じていると
Mr.しもは
再び口を開いた。
「いや、でもあれだよね。
興味があるか
ないかって聞かれたら
少しは興味あるよね。
・・・違うよ!?
万喜選手に
興味があるっていう
話じゃないよ!?
このタイミングで
女子レスラーと
シングルマッチで
戦うっていう
そういうアレだ、
シチュエーションっていうか
そういうモノに対する
興味って話だよ!?
勘違いするんじゃないよ!」
元々、Mr.しもという男は
よく喋るタイプの
人間ではあると思うが
この日はより一層
口数が多く感じられる。
「いやでもアレだ、
あくまでも・・・
あくまでも
プロレスラーとしてって
意味だけどさ、
万喜選手に関しては
興味があるかないか、
シロかクロかって
言われれば
それはもちろん
オレもいち
プロレスラーとしてね、
興味がないという
こともないよ。
カワイイ見た目に反して
泥臭いプロレスを
するからね」
「ちょ・・・、バカ!
今のカワイイってのは
好きとかそういう
アレじゃないっつーの!
何勘違いしてんのよ!
そんな風に
考えるってことは
逆にお前さんが
万喜選手のこと
好きなんじゃないの!?
うわっ、恥ずかしい!
お前さんの感情を
オレに押し付けるの、
やめてくれるー!?」
・・・なんだかもう
面倒くさくなって
一刻も早くこの場を
離れる為にも
Mr.しもの言葉に
いちいち反応を返すのを
やめることにした。
雨空の中、
ずぶ濡れの中年男は
自らの恋心を
この後、約30分間も
語り続けていた・・・。
to be continued・・・
★Mr.しもの中の人の裏話★
「小学生かッ!!」と
ツッコミたくなるくらい
精神年齢の幼い
Mr.しものやり取り。
これを書きながら
なんだか若い頃の自分を
思い出しました。
好きな子の前では
なぜか素直に
なれなかったときが
皆さんにも
あるのではないでしょうか?
それはそれとして・・・
万喜選手が
AAAのファンだと
聞いたことがありますので
このストーリーのタイトルは
すべてAAA縛りで
いきたいなーなんて
思ってる次第です。
いきなり難題を
選んじゃったような
気がしないでも
ないですけどね。
ちなみに私は
『MIRAGE』が好きです。
↑バナーをクリックでランクアップ!
ご協力よろしくお願いします。