一級建築士の「住宅のヒントと秘訣」

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リビング空間について考える(8)

2007年04月16日 15時46分00秒 | 2階リビング空間を考える
こんにちは、ミタス一級建築士事務所の清水です。

さて、2階リビングのメリットについての話、

リビング空間を考える(7)

の続きです。


今までの話は、

①空間については上部の屋根空間を目一杯使えること
②耐震性に極めて有利であること
③温熱環境や快適性が有利であること
④視覚面、プライバシー面で優位性があること
⑤災害時での優位性

でした。

防犯面を心配される方が多いのですが、これもよく考えてみると2階リビングは意外にメリットがあると思います。デメリットもあるでしょうが、これを一緒に考えてみたいと思います。


1階が寝室ですと、夜中に突然入ってこられると怖いですよね。しかし、そういう方は、面格子だとかシャッター、雨戸、防犯ガラスのいずれかは必ずお使いになるでしょう。

夜中に寝室で寝ていたら、その部屋に侵入しようと思えば、同じ部屋でガチャガチャするのですから普通は起きるのではないでしょうか?侵入しようとする泥棒の気持ちになると、2階の寝室にいてくれた方が、入りやすいはずです。

1階が寝室とわかっていれば、そこからは入ろうとは思いませんよね?
万一入って来ようとすれば、時間が稼げれる状態にしてあれば、逃げることも声を出すことも可能でしょう。

入るなら1階のトイレや洗面、浴室ということになりますが、これは1階リビングでも狙われやすさは同じで、2階で寝てくれている方が心理的には入り易いはずです。あと、狙われ易いのは、キッチンの勝手口です。キッチンが2階になれば、ここは狙われにくいですね。

侵入者の気持ちになれば、昼間は1階であろうと2階であろうと、誰か人がいるとわかっていれば入ろうとする犯罪者は、何か理由がない限り少ないはずです。

夜は、眠っている間に入ろうとするでしょうが、1階に寝ていれば1階からは、入りにくいでしょう。どうしても入りたいと思えば当然入ってくるでしょうが、入る場所は絞れますので対策も考えられます。

2階から入ろうと考えると思いますが、これも対策は絞り易いですし、目立つ道路側や防犯灯に照らされながら上るのも、1階から侵入するより躊躇しやすいでしょう。

夜中に2階の物音や侵入者に気づけば、1階にいれば外部へ逃げやすいです。これは、火災などの防災面と同じです。

ある新興住宅街で、両隣の家が夜に泥棒に1階の勝手口から入られました。真ん中の家は、入られなかったのですが、この家はリビングは他と同じように1階にあり勝手口もあったのです。ですから条件的には同じでした。

他と異なったのは、セコムに入っていたということです。宣伝をするわけではありませんが、「この家にどうしても入りたい。この家でなければならない。」という以外では、入り易いところ、リスクのない方を当然選ぶと思います。
ということで、デメリットは考えられますが、侵入者の心理的には1階寝室の方が入りにくいと思います。

実際には、センサー付の防犯等など、いくつか組み合わせることが大切でしょう。
この点は、またいずれの機会にお話したいと思います。


 住宅設計 ミタス一級建築士事務所 





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