終戦の日:天皇陛下「深い反省」…全国戦没者追悼式 ← クリックするとリンクしている記事につながります。
毎日新聞 2015年08月15日 12時05分(最終更新 08月15日 15時31分)
安倍首相は、歴代首相が言及してきたアジア諸国の戦争犠牲者への加害責任や「哀悼の意」「深い反省」には一昨年、昨年に続いて触れず、世界の国や地域の繁栄のために歩んできた戦後日本の姿を強調。「今を生きる世代、明日を生きる世代のために、国の未来を切り開いていく」と述べた。
正午の1分間の黙とうの後、天皇陛下は、日本が「国民のたゆみない努力と、平和の存続を切望する国民の意識」に支えられ平和と繁栄を築いたと述べ、初めて「さきの大戦に対する深い反省」を語り、「戦陣に散り戦禍に倒れた人々に対し、心からなる追悼の意を表し、世界の平和と我が国の一層の発展を祈ります」と述べた。続いて、遺族代表らが追悼の辞を述べ、その後の献花には9歳から17歳の遺族6人が青少年代表として初めて参加した。
14日に閣議決定した戦後70年の首相談話は「我が国は、先の大戦における行いについて、繰り返し、痛切な反省と心からのおわびの気持ちを表明してきた」と述べたうえで、「歴代内閣の立場は今後も揺るぎない」としている。
1937年7月に始まる日中戦争と41年12月開戦の太平洋戦争の戦没者は軍人・軍属約230万人と民間人約80万人の計約310万人と推定されている。厚生労働省によると、参列を予定する遺族のうち戦争を直接知らない戦後生まれは1109人(20.1%)と初めて2割を超えた。一方で戦没者の妻は14人と過去最少で、遺族の世代交代が進んでいることを印象づけた。【古関俊樹】