母から相続した、
実家の家屋と土地が人の手に。
リフォームして賃貸住宅にするらしい。
見納めにと実家に足を運ぶと、
母の使っていた寝室の窓辺に、
白い山茶花が、
今年もひっそりと咲いていた。
家は単なる箱に過ぎないけれど、
そこには
母と過ごしていた時代の、
私の人生の時間が詰まっている・・・
ひとつひとつの部屋に、
ありがとう、と言ってまわっていると、
庭にひろがる芝生の冬色が、
少しにじんだ。
帰る場所がなくなるのだなと・・・
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