ハイカーズ・ブログ(徘徊者備録)

「あなたの趣味はなんですか?」
「はい、散歩です」

「こうなる前からですか?」
「いいえ」

年相応に

2013-06-17 09:29:07 | 晩年学
「年相応」もあっていい

香山リカのココロの万華鏡(毎日新聞)

80歳でエベレスト登頂を果たした三浦雄一郎さん。
帰国早々の記者会見では「次は8000m級の山でスキーを」と新たな夢を語っていた。

最近の80代、90代の「元気っぷりは」すごい。

書店に行くと80代の作家の本がベストセラーになったり、90代のピアニスト、写真家の自叙伝が出ていたり。

私の知人で70代になってから語学留学を決意して友人に相談したら「それ『グランママ留学』っていうんでしょ?孫の世話が一段落した祖母たちの間で流行っているんですって」と言われて、拍子抜けしてしまったという女性がいた。

今や70代で新しいことを始めても、誰も驚かない時代になったのだ

とはいえ、誰もが健康に恵まれ好奇心旺盛のまま、高齢になるわけではない。

「日常生活に制限のない期間」を「健康寿命」と呼ぶことがあるが、2010年度の日本の調査では男性の平均がおよそ70歳、女性は74歳。
「バレエを習い始めた82歳」や「毎週、山歩きを続ける91歳」というのは例外中の例外ということがわかる。

仕事にせよ趣味にせよ、現役のまま80代、90代を迎えるのは素晴らしい。
やりたいことがあれば「年だから」と遠慮せず挑戦して欲しいもの。
でも、誰もがエネレストに登ったりベストセラーを出版したりする必要はない。

そう言う人はとても珍しいからこそ、世間から注目されるのだ。

「年相応」というのは近頃なんだか否定的な言葉にも聞こえるが、その年なりの病や老いとも向き合いつつ、静かに過ごす高齢ライフがあってもいいはずだ

楽しむけれど、無理はしすぎない。

そんな生活を楽しんでと、人生の先輩たちに伝えたい。