「年相応」もあっていい
香山リカのココロの万華鏡(毎日新聞)
80歳でエベレスト登頂を果たした三浦雄一郎さん。
帰国早々の記者会見では「次は8000m級の山でスキーを」と新たな夢を語っていた。
最近の80代、90代の「元気っぷりは」すごい。
書店に行くと80代の作家の本がベストセラーになったり、90代のピアニスト、写真家の自叙伝が出ていたり。
私の知人で70代になってから語学留学を決意して友人に相談したら「それ『グランママ留学』っていうんでしょ?孫の世話が一段落した祖母たちの間で流行っているんですって」と言われて、拍子抜けしてしまったという女性がいた。
今や70代で新しいことを始めても、誰も驚かない時代になったのだ。
とはいえ、誰もが健康に恵まれ好奇心旺盛のまま、高齢になるわけではない。
「日常生活に制限のない期間」を「健康寿命」と呼ぶことがあるが、2010年度の日本の調査では男性の平均がおよそ70歳、女性は74歳。
「バレエを習い始めた82歳」や「毎週、山歩きを続ける91歳」というのは例外中の例外ということがわかる。
仕事にせよ趣味にせよ、現役のまま80代、90代を迎えるのは素晴らしい。
やりたいことがあれば「年だから」と遠慮せず挑戦して欲しいもの。
でも、誰もがエネレストに登ったりベストセラーを出版したりする必要はない。
そう言う人はとても珍しいからこそ、世間から注目されるのだ。
「年相応」というのは近頃なんだか否定的な言葉にも聞こえるが、その年なりの病や老いとも向き合いつつ、静かに過ごす高齢ライフがあってもいいはずだ。
楽しむけれど、無理はしすぎない。
そんな生活を楽しんでと、人生の先輩たちに伝えたい。
香山リカのココロの万華鏡(毎日新聞)
80歳でエベレスト登頂を果たした三浦雄一郎さん。
帰国早々の記者会見では「次は8000m級の山でスキーを」と新たな夢を語っていた。
最近の80代、90代の「元気っぷりは」すごい。
書店に行くと80代の作家の本がベストセラーになったり、90代のピアニスト、写真家の自叙伝が出ていたり。
私の知人で70代になってから語学留学を決意して友人に相談したら「それ『グランママ留学』っていうんでしょ?孫の世話が一段落した祖母たちの間で流行っているんですって」と言われて、拍子抜けしてしまったという女性がいた。
今や70代で新しいことを始めても、誰も驚かない時代になったのだ。
とはいえ、誰もが健康に恵まれ好奇心旺盛のまま、高齢になるわけではない。
「日常生活に制限のない期間」を「健康寿命」と呼ぶことがあるが、2010年度の日本の調査では男性の平均がおよそ70歳、女性は74歳。
「バレエを習い始めた82歳」や「毎週、山歩きを続ける91歳」というのは例外中の例外ということがわかる。
仕事にせよ趣味にせよ、現役のまま80代、90代を迎えるのは素晴らしい。
やりたいことがあれば「年だから」と遠慮せず挑戦して欲しいもの。
でも、誰もがエネレストに登ったりベストセラーを出版したりする必要はない。
そう言う人はとても珍しいからこそ、世間から注目されるのだ。
「年相応」というのは近頃なんだか否定的な言葉にも聞こえるが、その年なりの病や老いとも向き合いつつ、静かに過ごす高齢ライフがあってもいいはずだ。
楽しむけれど、無理はしすぎない。
そんな生活を楽しんでと、人生の先輩たちに伝えたい。