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流れる雲を追いかけて…SINCE 2004

V-Strom DL650AL3 5ヶ月の軌跡

2013-06-14 23:01:40 | Motorcycle/Touring

乗り始めて5ヶ月が経過、オドが約7000kmになったので今までの経過を纏めてみた。

先ず乗り出しての第一印象はバイクってこんなに軽くて曲がるものだったっけということ。
当然今まで乗っていたバイクとの比較になるので、これがSSやスポーツツアラー、或いはスクーターだとまた印象は異なるのだろうが、私の場合は大きくて重たいアメリカンタイプだったから尚のことそんな第一印象を受けたのかもしれない。

ただアメリカンは先ず何より荷物を積んでいると如何にもツーリングって感じで絵になること、実用上は足付きが良く、のびのびとしたライディングポジション、トルクの塊で急かせないエンジンフィール、そしてあまり触れられないが、タンデムや過積載でも操縦性への影響が少ないのも長所の一つで、存外ツーリング向きだと思っている。

車両

C109R(1800cc/400kg)の約半分の車重だから、取り回しが楽なのは言うまでも無い。走り出して最初に感じたのはサスペンションがちゃんと仕事をしていること。
特にリアはC109Rのサスの衝撃吸収が悪くギャップで跳ね、それは25000kmを過ぎても変らなかったのでそれに比べるとかなり良い感じだが、猫足のしなやかさは無い。

足付きとの関係でリアはイニシャルの調整を数度行い、現在は10段階とすると3位に弱めこれで今の所落ち着いている。
フロント側のイニシャルは納車時のままでいじっていない。全体に路面からのショックは少なく、サスのストロークが長めな割りにはブレーキを掛けた時の挙動は安定していて安心して乗っていられる。
また低速での車体の安定も良く、信号などで減速した時にも車体のふらつきは少ない。
以前TDM(850/900)では重心がトップヘビーで取り回しの安定性が無く、購入を見送った経緯があるが、DLは満タン状態でも比較的重心が低くて取り回ししやすい。

コーナーリングについては、速くは無いが安定したコーナーリングが出来ると思う。
もともと余り車体をバンクさせない乗り方なので(アメリカンでもバンクセンサーをあまり接地させなかった)DLではまだ一度もバンクセンサーが接地していない。
7000kmのうち、高速、下道を含め延べ1000km程の雨天走行を経験したが標準のタイヤはドライ、ウェット共に特に不安も不満も無い。磨耗については初期でフロント4mm、リア6mmの溝が7000kmで3mm、4.5mmとなったが1.6mm残しだと、フロントは約15000km、リアは約20000kmと予測されるが実際の所は分らない。

DLの外装はプラスチックが多用されていて、掃除をしてもバイクが輝くといった感は無い。
黒いプラスチック部分には細かいシボがついていたりするが、ここに土埃や花粉が溜まりやすく、掃除がしにくい。
案外水洗いが一番良いのかもしれないとも思うが、集合住宅住まいでは水の確保がままならず、錆びる部分も少ないので主にはプレクサスをスプレーして拭き取るだけ。 
少し気になっているのはマフラーの裏側(タイヤ側)でここは梨地仕上げの塗装だが泥が付き易く落ちにくいので錆びの発生はこの辺からかもしれないと思っている。細かい事だが、マフラーのエンドキャップ(ステンレス製)が焼けて黄色味を帯びてきた。ステンレスクリーナーで磨いてやれば元の色には戻ると思うのだが。

ウィンドシールドはハイポジションに変更、標準位置と比べ、風が数センチ上を流れる感じで例えるなら標準ではヘルメットの目の位置位に来ていた風がアライのロゴの辺りを流れるという感じ。
ある程度風を感じて走る方が好きなのと、余り大きいウィンドシールドは高速での走安性に影響がありそうな気がしている。膝周りへの風の当りは殆ど感じず、また高速でもステップの足が風圧でずれるようなことも無い。

クラッチにはレバー位置の調整ダイアルが無いが、遠すぎる感じは無い。標準的な重さだが、引き始めの抵抗が少し強いような気がする。
フロントブレーキレバーはダイヤル式のクリアランス調整がついているが、最初の設定から調整はしていない。
フロントブレーキの効きはリニアな効きで必要十分ではあるが、強力という訳ではない。ただブレーキを掛けた時の調整代が少ない様に感じるがABSが前提なので、ガンと握って後の微調整(ロック)はABSに任せるという仕様なのかもしれない。
リアブレーキは踏み代(ストローク)がやや短くて軽くブレーキを当て引きずるようにしてコーナーに入る時の微調整は不得手。絶対的なストッピングパワーも弱いようだが、余り意識せずにブレーキを掛けられるという意味ではバイクの特性に合っているのかもしれない。

1速からでも2速からでも操作を確実にすればニュートラルへは入れやすいし、1速から2速へのシフトアップでもニュートラルに入ってしまうこともないが、全体のシフトフィールは余り滑らかでは無い。
シフトペダル、ブレーキペダル共やや小ぶりで余り踏み易く無いのとシフトペダルは長さが短めでワークブーツのようにつま先に厚みがある靴だと意識的にシフトペダルの下側につま先を滑り込ませ事になる。

ハンドルバーへの振動は無く、ミラーもぶれないで比較的鮮明な像をむすぶが、ミラー形状がほぼスクェアでミラーアームの調整範囲が少ないこともありライダーの腕の映り込みを除いた部分の捕捉範囲は狭目に感じ、できればもう少し広範囲が写る横長が望ましいが、転倒時にミラーが当たるのを防ぐ為に幅を狭めているのかもしれない。
ハンドル、タンク、シート、ステップ等身体と接する部分で振動を感じる箇所は無いが、5000rpmでテールのサイドカバー辺りを触るとかなり振動が感じられるので、マン・マシーン・インターフェースの振動は旨く逃がしているのだろう。

ヘッドライトは2灯同時点灯で左右の照射範囲が比較的広いのは好ましいが、荷物を積んだり、タンデムだとロービームでもかなり水平に近い照射角になり、ハイビームは上向き過ぎる傾向にある。明るさ自体に不満は無い。

サイドスタンドの出し入れは容易だが、地面との接地面積が狭いので地面が柔らかいと沈み込みが多く社外品のサイドスタンドエクステンションを後付けしたが、このバイクの用途を考えるとメーカーで初めから接地面積の大きいスタンドを付けるべきだと思う。実際、グラディウスのそれよりも面積が狭いというのは納得が行かない。
尚、社外品のサイドスタンドエクステンションをつけてもスズキオプションのセンタースタンドとの干渉は無い。

シートの評価について実は迷っている。オド4000km位までは走り初めから300km位で尻の痛みが出てきて、500km前後ではかなり不快だったが、5000kmを越えたあたりからは尻の方が慣れたのか一日最長720km走っても尻の痛みは殆ど無かった。
1月末から乗り始めて、ずっとプロテクターインナーパンツと革パンという組み合わせ(寒い時期は防寒インナーパンツをプロテクターの上に履いていた)で、こと尻の痛みに関しウェアによる変化は無いと思う。
スェード調のシート表皮は滑りにくいので着座位置が固定される傾向にあるのも一因かもしれない。
米国のDL関係のフォーラムでは尻の痛みを指摘する投稿が多数あったのでやはり痛みを感じているライダーも多い反面、国内オーナーについては尻の痛みに関するコメントは殆ど見ない。

タンデマー(カミさんと長女)からのコメントでは排気音が静かでシートの座り心地も良く、見晴らしも良いこと、タンデムステップの位置が上過ぎないので膝の曲がりがきつくなく楽なこと。タンデムグリップも握り易いと割りと好評(但しLC1500,C109Rとの比較が主、身長160~165cm)。
ライダーからすると、タンデムでも走安性は比較的影響されにくいが、タンデマーの着座位置が高いので、特に低速でタンデマーが左右に身体を振るとバイクがグラつく感じがある。

足付きについては、敢て触れるのを止めようかとも思ったが毒を含んで一応書いておく。
本人のスペックは173cm、70kg。股下が云々というのも良く出てくる話ではあるが、ウェアや靴でも変る。
私の場合はパッド入りの革パンプロテクトインナーに防寒インナー、ジーンズタイプ革パンが標準だが、これだと尻の部分に厚みがあり、また股から太股にかけての動きが悪い上にスェード地のシート材質ともあいまって足を出しにくい。
非常に感覚的なのだが、ジーンズに履きかえるだけで1cm位は足付きが楽になる。靴もライディングブーツとワークブーツ(プラススポーツタイプのインナーソール)でも1cm位の差がある。体重プラスリアのイニシャル調整で1~2cm位の相違があり、ジーンズにワークブーツでイニシャルを下げると感覚的には3~4cm足付きが改善され、キャンプ装備をフルに積む(約30kg)と更に下がる・・・

とまあこの辺がフィジカルな部分だが、DL自体は比較的トップヘビーでは無いので止まっている時や、極低速時の安定性が良く、不安感が少ないので仮に足付きが悪くても経験で何とかなる部分もある。
また道路のうねりにより、何処にタイヤを乗せ、どの位置に足を出すかを読めば足を出したが地面が予想位置に無かったなどということは避けられるし、停車する時にどちらの足を接地するかにより、接地する側にバイクの車体を少し傾けて止まることもテクニックと言える。

ちなみに教習所では左足接地で停車中は右足でフートブレーキを踏んでいるように教えるらしいが、白バイは右足接地で左足はいつでもギアを入れて緊急発進が出来るようにしていると聞く。私は状況によって右か左か使い分けているが、通常は白バイと同様に右足接地が多い。それは道路がマクロ的には蒲鉾形でセンターライン側が高くなっていのと、もっと大きな理由は後続車が突っ込んで来た時に備え発進して逃げ易いようにしているのが主な理由。
停車時に車体を傾けるのは容易でハンドルに軽くカウンターを当てるだけ、左右どちらに倒すかが無意識にできるようになれば楽である。DLには標準シートの他にローシート、ハイシートと3つの高さが選べるが、標準シートでもややステップが後ろ気味で膝の曲がりがきつい感じ(長時間では膝の血行が悪くなり足がだるくなる)しているし、尻の痛みの面でシート厚が薄くなるは避けたいので、ローシートを選択する余地は無いし、ハイシートを選べるほどの体格も無いので標準シートで迷いは無い。
ローダウン用のパーツも販売されているが、そこまでの必要性は感じていないし、通常のオンロードツーリングメインでは殆ど関係無いとは思うが最低地上高が下がる分、下回りをヒットしやすくなる。

ツインばかり乗ってきたからかもしれないが、DLのエンジンは低速でも十分粘るし、トルクもあると思う。
前に乗っていたLC1500は11.6kg/mの最大トルクを僅か2300rpmで発するという低回転型で私は耕運機と呼んでいたが、そのLCと比べても発進時のトルク感は引けをとらない。
大体低速が無いという表現自体が良くわからない、低速での回転のスムーズさをさしているのか?DLに限らず、単にマルチエンジンに慣れた者がマルチの操作をそのままツインに適用してそんな事を言っているようにも思える。
ツインの特性に合わせたアクセルやクラッチワークをすれば随分と印象も異なると思うし、実際ツインの方が低速からのエンジンのトルク感はあると思う。
タンデムで6速2000rpmからもでもアクセルワークを丁寧にすればスムーズに加速が出来る。ただし4800~4900rpm辺りでエンジンがガサつく感じがあり、少し気になる。この感覚はアクセサリーバーを装着後に感じる様になったので、あるいはエンジンハンガーへの装着によりエンジンの振動特性が変化したのかもしれない。
私の場合は更にWホーンのステーもアクセサリーバーに共締めしているが、これは装着前と後で変化は無いようだ。

高速もアクセルを開けば穏やかだが伸びのある加速感が味わえる。また6速から4速に落し、アクセルをワイドオープンすると結構力強い加速感が味わえる。ただしメーターの80%を越える速度域を維持するのは風の抵抗も含めかなり疲れるし、走っていても楽しくない。
もし高速メインで使うならエンジンに余裕のある1000ccの方が良さそうな気がするが、1000ccなら多分DL以外にもっと高速向きの選択肢があると思う。
ちなみに100km/hの時、DL(国内モデル)は4000rpm(逆車は4500rpm)、NC700X(マニュアル)は3000rpm、TDM900は3500rpm。DLのレッドゾーンは10500rpmだが5速9000rpmまでで頭打ちの感覚があった(リミッターは効かなかったが)。

DLはやはり、空いた一般道を景色を楽しみながら3000~4000rpmで走るのが似合っているし、そんな走り方だと燃費も向上する。このバイクの排気音は静かだが力強さがあり気にいっている。騒音対策のため、エンジン部分をプラスチックの外装で覆っている効果もあってかメカニカルノイズも少ない。

燃費は、約7000kmの総平均で約25km/L、30km/L越えも何度かあるが、20km/Lを割り込んだことも数回ある。特にパニアを付けて高速を5000rpm(ぬふわ)以上で走行すると燃費計が20km/Lを割り込む。
ただ(サイド)パニアを付けると高速でも燃費が10~20%悪化するのは前のバイクでも経験済みなので、まあ妥当なところだと思っている。燃費計は若干少なめ(悪目)の数値を示すが比較的正確と思う。

オプション等

積載については前のバイクで使っていたKrauserのパニアを流用し、ステーのみを購入した。既に10年間使っているパニアなので扱いについては特段の問題も無いが、汎用パニアなのでどうしてもステーの車体側への追い込みが不十分で、左右で約1200mm幅とハンドル幅よりもかなり外側に出っ張ることになり、先日高速走行後にパニアを見たら左右のパニアの蓋の部分(約100mm幅)全体に虫の死骸が付いていたからこの部分は車体や身体よりも明らかにはみ出していると言える。

アクセサリーガードとハンドガード、センタースタンドはメーカーオプション品を選択、アクセサリー値引きで半額で入手、取り付けはサービスしてもらった。メーカーオプションのシガーライターは使い辛そうだったので社外品をハンドルに取り付けた。ナビとETCはキャンペーンサービスで入手。ETCはJRC(日本無線)からミツバサンコウーワに変ったが、ミツバ製の方がETCの作動が安定していて、今の所、JCRでは何度か発生したゲートエラーも発生していない。
サイドスタンドのエクステンションは前述の通り。基本これだけ装備していれば十分だが飛び石、甲虫類の衝突によるラジエターフィンの曲がり、破損を防ぐラジエターガードだけは追加を検討中。

まだ7000km程なのでヘビーメンテナンスはない、Eオイル交換(500km、1000km、5000km)、Eオイルフィルターは1000km。Eオイルはスズキワールド使用認定のモチュール3100を20Lデポジットしてあるので、交換手数料525円(税込み)、Eオイルフィルターは1050円+工賃となる。
Eオイルは5000km毎、フィルターは10000km毎に交換予定。昔からEオイルはメーカー指定のもので高い社外品を使うことは無く、メーカーの交換インターバル以内なら十分、高いオイルを2~3000kmで交換するならその分の費用で走りに行ったほうが良いと思っているし、実際10万キロ走って一度もエンジンは開けなかったLC1500もEオイル、フィルター交換については同じだった。

30年以上ずっとシャフトドライブばかり乗ってきたので、チェーン駆動には抵抗があったが、いまのところ特に不具合は無い。
チェーンの遊び調整は2回(2000km、7000km)、給油はチェーンの使用状況を見て500~1000km毎に行っている。
チェーンの潤滑オイルは色々と検討したが結局初期からエンジンオイル(新品)を使用、油膜の持ちは悪いが何よりも掃除が楽で10分もあれば作業が完了してしまう、給油後余分なオイルのふき取りを十分に行い、馴染ませれば周囲への飛散は少なく汚れないので暫くは継続予定。 

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
さすがです。 (けん)
2013-06-16 10:41:44
こんにちはw
これは、これからV-Strom購入を検討中の人には、非常に参考になるインプレだと思います。

シートの尻痛
自分は、一度もないです。純正シートで十分と思います。

エンジン
おっしゃる通り。低速のトルクは、ソコソコの粘りがあると思います。
4000~5000rpmの、
高速は、ぬふわkm巡航、下道は70km巡航
このくらいが、ストレスなく走れるのではないでしょうか?

燃費
燃費お化けのNC700シリーズには及ばないけど、26~28km/Lでますからね、十分満足してます。

長く付き合って行ける 旅の相棒ではなかろうか?
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恐縮です (MOMO)
2013-06-16 11:40:20
>けんさん、

同じDLのオーナーさんにそう言っていただけると
恐縮です。

長距離の高速もそこそここなし、一般道ではストレス
無く走れ、荒れた道路や狭い山道でも躊躇無く
進め、足も長いので身の丈に合った旅バイクとして
の資質は高いと思います。

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