今年アカデミー賞の話題といえば授賞式でのウィル・スミスの平手打ち事件と、
国際長編映画賞を受賞した日本の「ドライブ・マイ・カー」盛り上がりでした。
あれっ?…作品賞をお忘れじゃありませんか!(笑)
『コーダ あいのうた(CODA)』2021・米
監督・脚本:シアン・ヘダー出演:エミリア・ジョーンズ、マーリー・マトリン、
トロイ・コッツァー、エウヘニオ・デルベス、フェルディア・ウォルシュ=ピーロ
ものがたり:港町の漁師家族の中で、ただひとり耳の聞こえる高校生ルビー
(E・ジョーンズ)両親と兄の家族3人のろう者通訳や稼業を助けながら多くの問題を
健気に乗りこえ合唱クラブで歌の才能をあらわす。顧問V先生(E.デルベス)の指導のもと
名門音楽大学への進学志望と、CODAとして家族への援助の継続との狭間に悩むが…。
笑って、泣かせて感動させる秀作映画でした。見事第94回アカデミー賞3部門
(作品賞、助演男優賞T.コッツァー<父親役>、脚色賞)受賞。鑑賞後もしばらく
幸せな気持ちにさせてくれます。愛すべき家族に乾杯。
ところでコーダといえば、ロックファンならこれだね!
レッド・ツェッペリン /最終楽章<Led Zeppelin /CODA(1982)>
映画はZEPとは関係なく、
”CODA”はChildren of Deaf Adults=“耳の聴こえない両親に育てられた子ども”を指します。
映画に関係ある重要なテーマとなる”うた”のひとつは、ジョニ・ミッチェルの
『青春の光と影』”Both Sides, Now” ・・・Joni Mitchell / Clouds (1969)に収録。
物事の二面性を歌う歌詞は、聞こえる世界と聞こえない世界を生きるCODAの主人公
ルビーにぴったりでした。エミリア・ジョーンズ歌もうまいし可愛かったなぁ!
他にマーヴィン・ゲイ&タミー・テレルの”You’re All I Need to Get By"、デヴィッド・
ボウイの”Starman”、ザ・クラッシュの”I Fought The Law”など名曲が合唱でも歌われ
楽しい。特筆すべきは音楽顧問のV先生が、高校生にマーヴィン・ゲイの愛と官能の曲
”Let's Get It On”を歌わせるのが傑作!先生が、自信なさげに歌う入部したてのルビーに
『デヴィッド・ボウイがボブ・ディランの歌声を”砂と糊のような声”と評した。
歌う気持ち、魂が聴くものを惹きつけ離さないのだ』と励ますエピソードもGood。
trivia・・・ジョニ・ミッチェルの曲「青春の光と影」を映画に採用する前の脚本には、
フリートウッド・マックの曲 *「ランドスライド」 と書かれていたそうだ。また映画を
観たジョニ・ミッチェルがエミリア・ジョーンズの歌唱に賛辞を贈っていたとの事。
* ”Landslide”・・・ファンタスティック・マック/ Fleetwood Mac(1975)に収録。
I really love you
あーだこーだ と云うとりますが 劇場公開上映に、まだ間に合うヨーダ。(グワシ!)