花( サクラ )は咲き鳥は歌う、美しき春。緑の息吹きを感じ郷愁をさそう映画は、いかが。
わが谷は緑なりき How Green Was my Valley (1941年・米 B&W)
監督ジョン・フォード 製作ダリル・F・ザナック 原作リチャード・リュウエリン 脚色フィリップ・ダン
撮影アーサーC・ミラー 音楽アルレッド・ニューマン 出演ウォルター・ビジョン、モーリン・オハラ
ロディ・マクドウォール、ドナルド・クリスプ、サラ・オールグッド、アンナ・リー
ものがたり:19世紀末、英国ウェールズの炭坑町に暮らすモーガン一家の末っ子ヒュー
(R・マクドウォール)の回想形式で語られる。少年時代に過ごした炭鉱町と家族【厳格な父
(D・クリスプ)と母(S・オールグッド)と5人の兄そして美しい姉(M・オハラ)】や牧師(W・ビ
ジョン)らとのエピソードを喜怒哀楽いっぱいに、ヒュー・モーガン少年の成長とともに描く。
アイリッシュ系の監督J・フォードがウェールズ人気質を上手く描写し、映像は、絵画の名画を
見るようで素晴らしい。ウェールズ民謡とともに家族の厳しい生活を描き、愛と信仰、憎しみや
偏見に対する静かな諦観と人間賛歌を高らかにユーモラスに爽やかに語りかける秀作だ。
春なのに、精神が疲れてしまった人いませんか?子育てに悩んでいる人いませんか?
そんなアナタや未見の方へぜひお薦めしたい。人生は、なかなか思うようにいかないものです。
(注意!500円ワゴンセール売りにある画質の悪いDVDで観るのは、避けたほうが賢明。)
この映画を観て心ひかれたアナタは、最近の出来事はほとんど忘れてしまっていても
目を閉じれば、少年時代の出来事・家族・町の人々・自然の美しさ・匂い・雰囲気はきっと
“わが谷は緑なりき”と鮮やかに浮かびあがりますよ。・・・えっ! 映画を観なくても、心が
落ち着いていれば誰だって容易にできるって? ・・・ 「それをいっちゃ おしまいよ。」(by寅さん)