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2016年12月09日 | 社会・経済

長渕剛がFNS歌謡祭でワイドショーや歌番組を真っ向批判! 凍りつくフジ、『とくダネ!』は長渕映像を封印

リテラ 2016.12.08

 

 昨晩の『2016FNS歌謡祭 1夜』(フジテレビ)での長渕剛のパフォーマンスが大きな話題となっている。本サイトは「FNS歌謡祭出演なんかよりすごい!」として、長渕剛が作家の柳美里と共作した福島・南相馬の高校の校歌を紹介したが、FNS歌謡祭のほうもすごかった。

 番組の最後、トリとして登場した長渕。同番組への出演は今回が初めてで、予め告知されていたのは、この歌謡祭用にアレンジされたスペシャルバージョンの『乾杯』を披露するということだった。

 カラフルなジャケット姿に、ギターを持ってひとりで暗いステージに立った長渕は、のっけから鬼気迫る雰囲気を漂わせていた。画面右上には「初出演!魂の叫び」とのテロップ。ギターをかき鳴らし始めた長渕が歌ったのは、文字通り魂の叫びだった。

『乾杯』本編を始めるまえ3分半以上にわたって、ギターをかき鳴らし時折「はあ!」と叫びながら、オリジナルのメッセージを歌い上げた。

 その内容は強烈なもので、冒頭いきなり、こう歌い出す。

 アメリカの大統領が誰になろうとも

 凶と出るか吉と出るかって

 そりゃ俺達次第じゃねぇか

 今日もマスメディアの誰かが

 無責任な話ばかりしている

 これは、アメリカ大統領の顔色をうかがってばかりの日本のメディアに対する痛烈な批判だ。さらに、長渕は「歌の安売りするのも止めろー!」と、ミュージシャンたちに檄を飛ばした後、被災地を置き去りにしてオリンピックに浮かれるこの国にこう問いかける。

 俺達の東北、仙台、俺達の九州、熊本

 そして福島も頑張ってんだ

 オリンピックもいいけどよぉ

 若者の貧困 地域の過疎化どうする?

 そして、サビ。

 騙されねぇぜマスコミ

 騙されねぇぜヒットチャートランキング

 騙されねぇぜワイドショー

いまのマスコミではほとんど聞かれることがなくなった、真っ当な批判の数々で、それを地上波の大番組で堂々と披露したのはさすがと言うほかない。

 しかし情けないのは、そのマスコミだ。たとえば、今朝の『とくダネ!』。いつも前夜の『FNS歌謡祭』名場面集を嬉々として放映する『とくダネ!』は今日も名場面集を放送。しかし、他のアーティストの映像は長々と紹介する一方、長渕に関しては小倉がアリバイ的にちらりと触れたくらいで、しかも前述のメッセージ映像は一秒も放送されることはなかった。明らかに上層部の怒りを買うことを恐れて、忖度したのだろう。

 長渕がきのう語ったことは、ただの思いつきや単なるパフォーマンスなどではなく、これまで彼が折にふれ語ってきたことの延長線上にある、本当の“魂の叫び”だ。

 たとえば、昨晩長渕が語ったミュージシャンたちへの痛烈な批判や鼓舞も、以前にも語っていたものである。当時本サイトでも紹介したが、長渕は、SEALDsの活躍を絶賛する一方、若いミュージシャンたちの日和見な態度を「そんなに銭が欲しいなら、もっと勉強して、医者か弁護士になれば?」と強い言葉を投げかけたことがあった。

 本サイトがこれまで取り上げた記事のなかから、その意図をより理解できるこれまでの長渕メッセージを紹介した記事を以下に紹介するので、ぜひご一読いただきたい。

(編集部)

「俺らの大将、違うんじゃない?」長渕剛の反安保、反安倍発言に話題沸騰…でも長渕はもともと反戦主義者だった!

http://lite-ra.com/2015/07/post-1322.html

川内原発再稼働に「長渕剛がその気になれば阻止できる」の声が…脱原発を語ってきた長渕よ、原発ゲート前でゲリラライブをやってくれ!

http://lite-ra.com/2015/08/post-1374.html

長渕剛が大混乱のオールナイトライヴで発していた“反安倍政権”のメッセージ「連中のどす黒いはらわたに響かせろ」

http://lite-ra.com/2015/11/post-1638.html

長渕剛がSEALDsに「希望を見た」! 一方、口をつぐむ若手ミュージシャンには「銭が欲しいなら医者か弁護士になれ」

http://lite-ra.com/2015/12/post-1753.html

清原逮捕で注目の長渕剛が芥川賞作家・柳美里と「原発」批判対談! 被災地に身を置いた二人の怒りの声を聞け

http://lite-ra.com/2016/03/post-2059.html

FNS歌謡祭出演なんかよりすごい! 長渕剛が柳美里と南相馬の高校の校歌を共作…2人の震災、反原発への思い

http://lite-ra.com/2016/12/post-2752.html



FNS歌謡祭出演なんかよりすごい! 長渕剛が柳美里と南相馬の高校の校歌を共作…2人の震災、反原発への思い

リテラ 2016.12.07

今夜、『2016FNS歌謡祭 1夜』(フジテレビ)に長渕剛が出演する。『FNS歌謡祭』に長渕が出演したのは今回が初めてとのことで、この日のためにアレンジされた「乾杯」を歌う予定だと話題となっている。

 なぜいまごろになって初出演することになったのかは知らないが、長渕といえば、当サイト的には今夜の演奏以上に注目したいトピックがある。

 それは、原発事故による避難指示が一部解除された福島県南相馬市に来年4月に新設される県立小高産業技術高校の校歌を、作家の柳美里が作詞し、長渕が作曲するというニュースだ。

 片や筋肉隆々のマッチョなミュージシャンで、片や芥川賞受賞作家。接点のなさそうな2人がなぜ共作することになったのか。

 実は、両者には共通点がある。震災や原発問題について、継続的に活動を行い続けていたという点だ。世間的に原発や被災地に対する関心度が低くなろうと、2人はずっと変わることなく、この問題に真摯に向き合ってきた。

 長渕剛が3.11直後から航空自衛隊松島基地や石巻の避難所での慰問ライブや、避難生活を余儀なくされた福島県浪江町の子どもたちを鹿児島に招いてサマーキャンプを主催するといった活動を行ってきたのはよく知られているが、その他にも『報道STATIONスペシャル「愛おしきあなたへ」』(テレビ朝日系)に出演し、福島第一原発20km圏内に入って警戒区域の実情を取材するなど、実際に被災地に赴きながらメッセージを発信し続けてきた。

そのように現地の状況を実際に見てきた経験は音楽にもつながる。2012年に発売されたアルバム『Stay Alive』には、浪江町をテーマに、原発が地域や家族の絆をバラバラにしてしまった悲しみを歌う「カモメ」という楽曲が収録されていた。

 一方の柳美里。彼女にとって福島は母の故郷であり、もともと浅からぬ縁だったと言うが、123月からは南相馬市にある臨時災害事故放送局「南相馬ひばりFM」で『柳美里のふたりとひとり』という、南相馬の人々と語り合うラジオ番組を開始。1612月になったいまでも放送は続き、番組は200回をとうに超えている。この番組はノーギャラ。それどころか、福島への交通費や宿泊費なども完全に自腹であるらしく、著書『貧乏の神様 芥川賞作家困窮生活記』(双葉社)でも書かれているように困窮状態にある彼女は、借金をしてまでも滞在費を工面していたという。そして彼女は現在、南相馬市に居を移している。

 そんな2人が出会い、今回の校歌共作のきっかけとなったのが、昨年11月に出版された長渕剛のムック本『長渕剛 民衆の怒りと祈りの歌』(河出書房新社)で行われた、原発をテーマとした対談企画だった。そのなかで2人はいったいどんな対話をしていたのか?

 まず長渕は、震災によってこれまで信じてきた価値観がまるっきり転倒してしまったと語る。

「僕は1956年生まれなんですけど、特に震災を機に、自分が何も知らなかったと打ちのめされた」

「戦後復興の過程で僕らを洗脳していた教育は『強い者になりなさい』『人を蹴落としてでも勝ち上がりなさい』『お金を持たなくてはいけない』というものでした。それがあの震災でストンとやられた。教育や価値観というものが根底から断ち切られてしまった。今でも実は迷っています。その恐怖がここにあるんです。だから僕は恐怖を表現に変えなくてはいけない」

 柳も長渕と同じく、震災を機にこれまで自分たちがもっていた価値観に疑問を抱くようになる。そのきっかけは、南相馬の人々との触れ合いであった。

「敗戦から高度成長期にかけて、大多数の幸せと豊かさを追い求めた結果、経済至上主義に陥り、真っ当に働き、慎ましく生きていた人たちの暮らしを壊し汚してしまった──、それが原発事故です。南相馬には、儲けを二の次にして、真っ当な仕事をしている人が多い。そして、その仕事や暮らしに誇りを持っているんです」

我々は経済的な豊かさと引き換えに福島の人々に犠牲を強い、果てには、取り返しのつかない事故を起こしてしまった。そして、そんな犠牲を強いられたのは「人間」だけではない。長渕は前述の「カモメ」を生むきっかけともなった、浪江町の牛たちとのエピソードを振り返る。

「あそこに行った時が本当にひどかった。雪が降っていた。無音で、時が一瞬止まって、心臓が止まるかと思った。静寂の中にこそ真実の音がある、僕はそう感じる。静音になった瞬間、次に聞こえてくるものが、真実の音。野良牛が駆けてくる音、息の音がする。目と目で対峙すると、もう56秒見ていたかと思うと、野良牛が踵を返してバタバタバタッと逃げていく。そうすると子牛が後をついていく。その姿を見ただけでも恐怖が先にたった。涙が出るという代物ではなかった。さらに奥に行くと、役場のおじさんがいて『見ていくか』と言う。『何ですか』と訊くと、『墓場だよ、墓場。牛の墓場だよ。今日もこれで殺してっから』と言う。(中略)『見せてください』殺された野良牛たちがあっち向いたりこっち向いたり。縦7メートル横15メートルの墓穴に幾重にも重なっている。薬殺された牛、白骨化したり腐敗した牛が断末魔の叫びを上げている。それはインドで見た名もない死人とは違う。死をまっとうした生き物の姿ではない。僕は震えた」

 柳もまた、長渕と同じように動物たちについて語る。

「今年の101日に福島第一原発の構内に視察に行ったんですが、汚染水タンクの上にカラスがたくさん止まっていました。カラスは自分たちが被爆していることを知らずに、あそこで餌を取り、水を飲み、巣を作り、子育てをしているんです」

 さらに2人は生き物だけでなく「土」にも着目し、この事故によって失ってしまったものの大きさを語る。「長渕剛10万人オールナイト・ライヴ2015 in 富士山麓」でも披露された「富士の国」には〈「家族」という土を踏みならして生きてきたんだ〉という歌詞があるが、長渕はその歌詞についてこう発言している。

「土にこだわったと思います。土はもともと誰のものでもないということですね。白人たちがインディアンたちの土地を収奪する時代に、酋長がその国の代表者に宛てた手紙を読んだことがあるんです。これは涙が出ました。言葉で言うと稚拙ですけどね。『土地は誰のものでもない。なぜそれを追い払おうとするのか』という、嘆願書みたいなものです。その手紙を見たのと、震災の後にあの土地に入った時の悪寒や恐怖感、おかしいと思ったこと、そういったものが総合的に『富士の国』の歌詞に入ったんだと思います」

 長渕が語る「土」に対する思い。それは実際に南相馬に居を移し、生活のリアリティを実感している柳にとっても同じものだった。

「福島県民にとって土が損なわれた、というのがやはり一番大きな問題だと思います。除染では、45センチの表土を削るわけですが、その厚さに作物にとって必要な養分が入っている。表土を削り取ると、有機物が欠乏した痩せた土壌になってしまう」

 

 事故によって土は汚され、動物たちも犠牲になった。そして、もう故郷に帰ることができない人々を大量に生みだしたのにも関わらず、現政権は原発再稼働へと向けてどんどん歩を進めていく。喉元過ぎれば熱さ忘れると言うにはあまりにも短い。3.11からまだ数年しか経っていないのにも関わらず、この国はまた悲劇を生み出そうとしているのだ。そんな状況に長渕はこう怒りをぶちまける。

「自国にプライドを持ちたいという気持ちが皆ある。だけど国は嘘をつく。僕たち民衆はいつも国家に裏切られる」

 富士山麓オールナイト・ライヴではオーディエンスによって日の丸が振られ、ネットで拡散されたその写真は「愛国カルト」と揶揄されたりもしたが、柳は旗が振られている様子を見てむしろ「怒り」を感じたと言う。

「日の丸の振り方に仰天しました。(中略)富士オールナイトライブで振られた日の丸は、日本が自国の国土と国民を蔑ろにしている、という憤怒と抗議によって振られたものなのですね」

「ファシストはあんな風に前後に、拳と一緒に突き上げるようには振らないですよ。戦時中に出征兵士を見送る時や、ヘイトデモでは左右にパタパタひらひら振っている。富士ライブでの旗の振り方は内心からのストレートな怒りを表現している。他国の国旗でも、あんな風に振られたのは見たことがない」

 県立小高産業技術高校の校歌は現在制作中とのこと。この作品がどのように公表されるかなどの発表はまだ少し先のことになりそうだが、あくまで自分の身体ごと現地に飛び込むことで被災地や原発について考えを深めてきた2人(今回の校歌制作にあたっても2人は避難先の仮説校舎などを見て回ったという)がどんな校歌をつくるのか楽しみである。

(新田 樹)