「民進党は潰さなければならない」
前原氏が代表についた時からいよいよ自滅の時が来たと感じたのだが、こうもプライドも投げ捨てて「解党」する方法があったのかと大いなる驚きを感じている。
政権交代は十分にあり得る状況だ。おそらく小池氏は知事の座を投げ捨て、国政へと転じるでしょう。野党4党と市民連合は、3党になっても協議を進めるべきでしょう。
今の政治状況は保守政治の問題ではなく、安倍右翼政治の危機を救う小池右翼政治の台頭です。「自民VS希望」に見せかけ、窮地の安倍に代わる右翼政治のバトンタッチに過ぎません。ブレブレの民進党が格好の餌食になってしまいました。
劇的、急転「自民VS希望」に 民進解党
毎日新聞2017年9月28日
頭を下げて前原氏「そうじゃなくて協力してくれ」
希望の党が結党記者会見を開いた27日、民進党は希望に合流する党内調整を進めた。両党が別々に衆院選候補者を立てれば、政権批判票を食い合って安倍晋三首相を利するだけ。壊滅的な惨敗も予想された野党第1党が、結成されたばかりの新党に吸収される劇的な展開となった。衆院選は「自民対希望」という2大政党対決の様相を呈し、希望側の首相候補として小池百合子代表(東京都知事)が出馬するかが注目される。
「希望する候補者は全員、希望の党から(衆院選に)出てもらいたいと考えている」。27日午後、民進党の前原誠司代表は枝野幸男代表代行を国会内の事務所に訪ね、こう打ち明けた。
民進党の候補はほぼ全員が希望の党に公認を申請し、希望側が認めれば同党から立候補する。基本政策も固まっていない新党に野党第1党が完全にひれ伏す形になる。全員が公認される保証はなく、小池氏側が候補を選別する余地が残る。事実上の解党に一方的に踏み切る屈辱的な吸収合併案に枝野氏は驚きを隠さなかった。
前原氏は「小池氏は長妻(昭選対委員長)さんや枝野さんのところに(対立候補を)立てるようなことはしない」との感触を伝えて説得した。枝野氏は共産、自由、社民との4党共闘を進める立場で、リベラル色の強い枝野、長妻氏らが「改革保守」を掲げる小池氏に受け入れられるかどうかは民進側の懸念材料だ。
ただ、この合流案を蹴ったとしても、民進党から離党者が続出するのは必至。残留した候補者の多くは当選が見込めない。同僚の多くが希望から出馬できるのなら仕方ないと考えた枝野氏は「邪魔はしない」と容認する姿勢を伝えた。前原氏は「そうじゃなくて協力してくれ」と頭を下げた。
関係者によると、前原氏が苦渋の決断をしたのは前日26日夜、連合の神津里季生会長とともに臨んだ小池氏との会談だった。小池氏から「民進党所属だから排除するということはない」との言質を取り、候補の大半が希望の党の公認を受けられるとの感触を得た。
腹をくくった前原氏は27日、枝野氏のほか、野田佳彦前幹事長ら党内実力者を説得した。連合も、合流がスムーズに進めば希望との政策協定を目指し、多数が公認から漏れることになれば民進党に残る候補者を支援する方針を固めた。
候補者擁立の準備が進んでいない状況で衆院選に臨まなければならなくなった小池氏側にとっても民進党の候補者や地方組織、資金力を活用できるのは大きな魅力。しかし、民進党丸ごとと合流すれば「第2民進党」との批判を浴びる。
民進党の合流について小池氏は27日夜、記者団に「どういうふうな対応を取られるかは先方がお決めになることだ」と突き放すようにコメントした。希望側は「憲法改正反対」「安全保障関連法廃止」を主張する候補は公認しない構えで、小池氏は「極めてリアルな安全保障政策に付いてこられるかどうかだ。(旧社会党系は)そもそも来られないのではないか」と語った。
民進党内にはベテラン議員を中心に「できれば民進党から選挙に出たい」などの不満もくすぶる。衆院選後に希望に合流する方向となった参院側には労組系議員も多く、27日夜に開かれた参院議員総会では「代表独裁だ」「賛成できない」などの批判が噴出した。
だが、党内の大勢は容認に傾き、衆院議員の間では小池氏の出馬待望論が広がった。「小池氏は出る可能性が高い。この選挙は『小池対安倍』になる」「自民党からも離党者が出たら雪崩現象が起きる。政権交代で初の女性首相だ」と高揚する声も聞かれた。
民進党重鎮は「このままいけば消滅しかねない民進党が、まさか東京都議選で敵対した小池氏に救われるとは」と複雑な表情で語った。【高橋恵子、円谷美晶】
「希望の党」 政策の具体化難航 所属議員の幅広さも要因に
希望の党と民進党が合流する見通しになったことで、次期衆院選は自民党と希望の党の政権選択をかけた戦いとなる。ただ、希望の党の政策の具体化は難航している。
結党記者会見で、細野豪志元環境相は党の衆院選公約について問われ「中身のあるものを今作っている。まだ集約しきれていないので遅くとも来週には示したい」と釈明した。
小池百合子代表は、消費増税凍結や、地方分権をテーマにした憲法改正、「原発ゼロ」などで政権との対立軸を作りたい考えだ。しかし、27日に発表された党綱領では「情報公開」「しがらみ政治からの脱却」「税金の有効活用の徹底」などを掲げて改革色を打ち出したものの、具体的な政策には言及がない。
政策の調整は、自民党出身の若狭勝氏と、民進党を離党した細野氏の両衆院議員を中心に進められてきたが、細部の詰めが間に合っていない。小池氏は27日、原発ゼロに向けた年限を公約で示すとしたが「今、工程表を確認しているところだ」と述べ、年限自体への言及は避けた。
所属議員の幅広さも政策策定が遅れる要因の一つだ。結党の記者会見に出席した議員14人のうち8人が民進党出身だが、自民党や旧みんなの党、日本のこころの出身者も含まれ、右から左までまちまちだ。そのうえに民進党と合流すれば、同党の「バラバラ感」がそのまま持ち込まれることになる。
希望の党は、内政課題では政権との違いを強調しているが、外交安保政策では日米同盟重視の現実路線をとる方針だ。細野氏は27日の会見で「安保法制の対応も含めて必要なことはしっかりと実現していく」と強調した。安保法制に反対した民進党の議員が大量に流れ込めば、党内の火種となる可能性もある。
民進党との合流も、衆院選に勝利する見通しが立たない民進党の救済という側面がある。政策の詰めが甘いままで選挙戦に臨めば、「選挙のための野合にすぎない」と足元を見透かされかねない。【松井豊】