豚肉への抗菌剤使用1位の日本 “クスリ漬け”の西友・サミット・ライフ、牛豚鶏で不使用品を揃えるイオン
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MyNewsJapan11/30 2018
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【Digest】 ◇2050年には耐性菌感染症死亡者数はがん死亡者数を超える ◇日本の豚への抗菌剤使用量は先進国中1位 ◇豚の大腸菌の55%が耐性菌 ◇抗菌剤不使用の鶏肉はイオン、ダイエー、ヨークマート、丸正で ◇抗菌剤不使用の豚肉・牛肉はイオンだけ ◇2050年には耐性菌感染症死亡者数はがん死亡者数を超える 世界保健機関(WHO)は、世界の公衆衛生の最大の脅威として、2015年に世界行動計画を採択し、家畜への抗菌剤使用削減目標を打ち出した。だが日本は削減計画を作らず放置しており、豚については、アメリカを超えて使用量1位だ。家畜の中で最も抗菌剤使用量が多いのが豚で、豚の大腸菌での耐性菌出現率も、55%と高い。家畜への抗菌剤削減のためには、抗菌剤不使用の肉を、消費者が買い支える必要がある。 薬剤耐性菌が問題になるのは、主に病院内で発生した場合だ。病気や治療で抵抗力の弱った患者にとっては、健康な人ならば問題にならない細菌にも感染症を引き起こしてしまう可能性がある。 その時、感染症治療に有効なのが抗生物質などの抗菌剤なのだが、近年あらゆる抗菌剤が効かない耐性菌(多剤耐性菌)が発生し、院内感染が深刻な問題となってきた。 だったら新しい抗菌剤を開発すればよさそうなものだが、今や製薬会社は、高血圧、高脂血症、糖尿病などの生活習慣病の治療薬に向いている。感染症の抗菌薬は、これらの治療薬に比べ投与期間が短いため、製薬会社の利益につながらないからだ。 新しい抗菌薬が増えない状況で、使えない抗菌剤が増えていき、最終的にはどの抗菌剤も効かない病原菌が発生したら、治療できなくなってしまう。
多剤耐性菌が発生する原因は、抗菌剤の乱用にある。そもそも風邪の原因はウイルスで、抗菌剤は効かないのに処方されるなど、医薬品としての抗菌剤も濫用されている。 日本の「薬剤耐性対策アクションプラン」では、人の抗菌薬の使用量を2020年までに33%削減するという目標を立てている。 人間の医薬品としての耐性菌対策については国立国際医療研究センター病院が分かりやすい動画をアップしている。 その中で指摘されているのが、このまま対策を取らないと、2050年には耐性菌の感染症による死亡者数が年間1000万人に達し、ガンによる死亡者数(820万人)を超える、という予測だ。 ◇日本の豚への抗菌剤使用量は先進国中1位
ただ、日本全体の抗菌剤の使用量のうち、人間の治療用の医薬品に使われるのは3割程度に過ぎない。家畜に使用される方が6割と、ずっと多い(残り1割は農薬として使用)。 家畜への抗菌剤の使用では、家畜が病気になった場合の治療用だけでなく、慢性的に、エサに抗菌剤を混ぜることで、成長促進や、過密な環境での病気を予防する目的から投与することも行われている。 家畜に抗菌剤を与えた場合、家畜の腸内では、普通の細菌は死滅し、その抗菌剤に耐性をもった細菌だけが生き残って、増殖する。 そして、家畜の糞などに付着して環境中に出たり、食用肉に付着したものから、人が感染することになる。 現在、国の「薬剤耐性対策アクションプラン」では、人用の医薬品と違って、動物用の抗菌剤を減らす目標が、立てられていない。 ではいったい、日本での家畜用の抗菌剤の使用量は、外国と比べてどのくらいなのか。 私たちが食べる牛・豚・鶏の飼育中に使われる抗菌剤の問題については、これまでもマクドナルドによる中国産病気鶏肉騒動などで記事にしてきた。 上の図を見てもわかるように、家畜への抗菌剤使用が圧倒的に多いのは.....この続きの文章、および全ての拡大画像は、会員のみに提供されております。
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