子ども食堂 新たな絆に 題材の映画 23日から公開
東京新聞 2019年3月19日
映画「こどもしょくどう」の一場面 |
![]() |
子どもに無料または低額で食事を提供する子ども食堂をテーマにした映画「こどもしょくどう」が二十三日から、東京都千代田区の岩波ホールで公開される。四月五日まで。「子どもたちに今の社会がどう見えているかを描いた」と語る監督の日向寺(ひゅうがじ)太郎さん(53)。地縁・血縁が薄れる中、孤立する子どもの現状と、子ども食堂に新たな希望を感じさせる内容になっている。 (寺本康弘)
◆日向寺監督「地縁・血縁薄れ救う網ない」
作品について語る日向寺監督=東京都内で |
![]() |
物語は、父母が切り盛りする小さな食堂で暮らす小学五年の男児が、橋の下の軽ワゴン車で暮らす姉妹と知り合うことから始まる。社会から孤立する姉妹に、男児は自分の食事を分けてあげたり、姉妹を自宅に招いたりする。父母が子ども食堂を立ち上げるきっかけを描いたフィクションだ。
映画では、車中生活前の姉妹が、かつて両親と行った旅行の場面など幸せな日常を送っていた過去も描かれる。日向寺さんは「誰もが姉妹のような状況に陥る可能性がある社会に生きていることを知ってほしい」と話す。
その理由について「今の社会は地縁や血縁が薄くなった」と指摘。加えて「病気になったり、勤める会社が倒産したり、何か一つ大きなことに遭遇したら社会には救う網がない」と説明する。
日向寺さんは「今の社会をつくったのはわれわれ大人の責任。子どもには責任はない」と話す。「思いを持った人と人が出会うことで人も社会も変わりうる」と映画に込めた思いを紹介した。
社会の助け合い機能が細る中、日向寺さんは、子どもに食事や居場所を提供する子ども食堂が「地域の共同体となりうる」と期待を寄せる。「全国各地につくられているのは素晴らしい。地縁や血縁などが崩れていく中で新たな動きだ」
食堂を営む父母役を吉岡秀隆さんと常盤貴子さんが演じる。映画は岩波ホールの他、順次各地で上映される。スケジュールは映画「こどもしょくどう」のホームページで。
◆厳しい現実物資・人足りず善意が支え
必要性が認識され、全国的な広がりを見せる子ども食堂。支援する企業も出てきたこともあり、昨年の市民団体の調査では、全国に約2300カ所あるとされる。しかし運営を継続していくための支援体制は十分ではない。
豊島区で2月10日に開かれた子ども食堂の運営者やスタッフ、支援者が集う「こども食堂サミット2019」でも、持続可能な仕組みにするための課題が話し合われた。
全般的に「ヒト・モノ・カネ」が足りず、食材の調達から調理、場所の提供まで、多くが関係者の善意に支えられている。
サミットの出席者からは「コメや野菜を提供してくれるところもあるが、(体を作るのに必要な)肉や魚の入手が難しい」や「スタッフが足りない」との切実な声が相次いだ。資金不足も課題。行政に補助を依頼しても「子ども食堂だけを特別扱いできない」と断られることもある。
ブログの機能、表示が新しくなり少し戸惑いつつ慣れていくしかないでしょう。動画を貼り付けようとしましたが、うまくいきません。映画「こどもしょくどう」の予告編
オフィシャルサイト https://kodomoshokudo.pal-ep.com/
でご覧ください。
今日は、ようやくプラス気温となり、雨も少し降りました。でも、そんな雪が解けるような状況ではありません。