「しんぶん赤旗」2023年3月1日
「いよいよ最後のチャンス! カード申請は2月末まで!」「マイナポイントの申し込みはお早めに!」―テレビからは、プロ野球監督や俳優が出演するテレビCMが流れ、全国紙には2月4日付に続いて18日付でも全面広告です。政府は、マイナンバーカードを普及するため、新規に取得すると最大2万円のマイナポイントがもらえると大宣伝を展開しました。
しかし、待ってほしい。この“アメ”は、税金です。政府はこれまで、マイナポイント事業に総額2・1兆円もの予算を使っています。しかも、日本共産党の宮本岳史衆院議員の調べ(本紙昨年7月16日付)によると、マイナポイント第2弾のCMは、あの東京五輪談合事件の主役、電通が49・7億円で請け負っているのです。
そもそもカード取得は法律では任意です。政府の個人情報保護委員会に寄せられた報告では、2017年度から21年度までの5年間で、約5万6541人分のマイナンバー情報が漏えいしたり、情報が入ったUSBなどが紛失しています。
安全性への懸念や監視社会への不安から、国民のカード取得が政府の思い通りに進まないのは当然です。
そのため、政府は、“ムチ”作戦も。現在は社会保障と税、災害対策の3分野に限定しているマイナンバーの利用範囲を、国家資格更新や自動車登録などにも拡大しようと法改定をたくらんでいます。さらに、健康保険証を廃止したうえで、マイナンバーカードと一体化した「マイナ保険証」を義務付けようとしています。すでにカード未取得者の窓口負担増も始まっています。岡山県備前市では保育料や給食費などを無償とする対象を家族全員がカードを取得した世帯に限定する、という教育の機会均等に反することまで実施されようとしています。
便利でも必要でもないカードを“アメ”と“ムチ”で強引に利用拡大を図り、持ちたくない国民にカードを強制する“政策”はただちにやめるべきです。(藤沢忠明)
まったくだ!
現役世代ならいざ知らず、高齢者にとっては不便で必要でもないし、安全性にも欠ける。
税金、こんな使い方でよいのか?!