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出生数80万割れ 少子化克服へ覚悟示せ

2023年03月20日 | 社会・経済

「東京新聞」社説 2023年3月18日

 少子化が危機的段階に入った。

 厚生労働省の人口動態統計速報によると二〇二二年に生まれた赤ちゃんの数は七十九万九千七百二十八人。一八九九年の統計開始以来初めて八十万人を下回り、政府の推計より十一年も早い。

 国内に住む外国人などを除き、日本在住の日本人に限れば約七十七万人に落ち込むとみられる。

 少子化を克服するには、若い世代の結婚・出産・子育てを阻んでいる課題と向き合い、将来に希望を持てる社会に変えるため、効果が見込まれるあらゆる政策を講じる政治の覚悟が必要だ。

 岸田文雄首相は十七日、政府が取り組む少子化対策の方向性を示した。具体的な対策のたたき台は三月末までにとりまとめる予定だが、首相の説明はこれまでの考え方の繰り返しにとどまり、どういう社会を目指すのか、最も重要な方針を踏み込んで語らなかった。

 首相は若い人の所得増、社会全体の構造・意識の変化、すべての子育て世帯に切れ目ない支援との三つの理念を表明した。だが、具体策に乏しい。国会の論戦でも、明確な説明を避け続けた。

 児童手当の所得制限撤廃や、倍増を表明した子ども予算額も明示しなかった。これでは少子化への政権の危機感を疑われて当然だ。

 政府が掲げる対策の多くは主に子育て世帯にとどまる。子育て以前に結婚・出産を控える若い世代にとっては、経済的基盤を安定させる雇用対策が優先課題だ。

 首相は若者の所得増を目指すと言うが、今春闘以降も継続的な賃上げが実現しなければ生活を安定させることはできない。政府と経済界はその責任を自覚すべきだ。

 いったん非正規雇用になると抜け出しにくい労働市場の改革にも知恵を絞る必要がある。正社員との待遇格差を是正しつつ、成長産業に転職しやすくする職業訓練の充実などを進めねばならない。

 若い世代が結婚・出産をためらうのは、子育てや教育に費用がかかりすぎることが主な理由だ。

 負担の大きな支出は教育費と住宅費である。子どもを持つか住宅を買うかで悩むような社会では、とても子どもを産み、育てたいと思えないのではないか。

 幼児教育・保育の無償化の拡充や給付型奨学金の充実、低廉な住宅供給など、社会全体で子育てを支える対策を講じ、若い世代の期待に応えたい。

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人口激減、今後20年が「一番きつい」 近未来に起きる「介護難民」「多死社会」

「東京新聞」2023.03.18

 岸田文雄首相は17日の記者会見で、少子化対策に関し「時間との闘い」と強調した。政府が対策に乗り出してから30年。有効な手を打てずに少子化は加速し、昨年の出生数は見込みより11年も早く、統計開始以来初の80万人割れとなった。近未来に人口が激減する社会が到来するのは避けられず、識者は少子化対策とともに、社会機能を維持する対策の必要性を指摘する。(井上峻輔)

◆出生数減、最低100年は止まらない

 「出生数の減少は最低でも100年は止まらない。今から少子化対策を講じても、人口減少が進むことを前提として、社会をどう機能させるかの対策は即座に求められる」

 14日に国会内で開かれた超党派の「人口減少時代を乗り切る戦略を考える議員連盟」(野田聖子会長)の設立総会で、講師に招かれた一般社団法人・人口減少対策総合研究所の河合雅司理事長は訴えた。

 日本の人口は、2008年の1億2800万人をピークに減少に転じた。22年9月時点で1億2500万人だが、国立社会保障・人口問題研究所が17年に示した将来人口推計によると、標準的なシナリオでは53年に1億人を切り、2110年に5300万人程度と半分以下に落ち込む。

 42年までは、65歳以上の高齢者が増え続ける一方で、15〜64歳の生産人口年齢が急減し「一番きつい20年間」(河合氏)になるという。

 河合氏は、出生数はシナリオより悪い減少幅で推移していると指摘。「このままいけば恐ろしいほど減り、90年後には年間出生数は18万人になってしまう」と危機感を強調し、近未来を「人口激減社会」と表現した。

◆わずか7年後、荷物の35%が配達できない

 人口激減社会では、労働力が減って内需や経済が縮小し、生活サービスや社会保障の量や質が低下する恐れがある。

 例えば介護では、サービスを受けられない「介護難民」が増えかねない。淑徳大の結城康博教授(社会保障論)は「5年後に団塊の世代が80歳を超えると、介護が必要な人が一気に増え、介護人材が不足する」と指摘。年配の職員が引退する一方で人材確保は難しく、孤独死や介護離職が増える可能性があるという。

 物流への影響も大きい。野村総合研究所が1月に公表した推計では、働き方改革を含め運転手不足が深刻化し、わずか7年後の30年に国内で35%の荷物が運べなくなる。研究所の小林一幸氏は「このままでは配達できない日が増え、配達料金も値上がりする地域も出てくるだろう」と語る。

◆識者が警告する「不都合な真実」

 高齢化が進んだ先にあるのが「多死社会」だ。国内の年間死亡者数は21年が約144万人で、推計では39〜40年にピークの168万人に達する。

 横浜市では既に火葬の待ち日数が長期化し、65年に市内の死亡者数が今より3割ほど増えると予想。現在、市内で5カ所目の公営斎場の建設を計画中だが、死亡者数に対応できるのは56年ごろまでだという。

 近い将来の姿が見えているにもかかわらず、これまで政府や国会が十分に対応してきたとは言い難い。超党派議連は議論を本格化させるが、河合氏は「あと数年で東京都の人口も減り始め、東京が経済をけん引するスタイルも通用しなくなる。極めて不都合な真実を正面から受け止めて政策を考えなければならない」と警告している。


 

今、この記事を書いている途中でnerotch9055 さんから緊急のメッセージが届いた。「特別抗告断念」と。声を上げてよかった!

1966年に起きた「袴田事件」を巡り、死刑が確定した袴田巌さん(87)の裁判のやり直しを認めた13日の東京高裁決定について、東京高検は20日、最高裁に特別抗告しないことを発表した。今後、静岡地裁で開かれる再審公判で、無罪が言い渡される公算が大きい。(日本経済新聞)

 さらに、学校教育の問題等、多重的に存在する課題をどうするのかも考えなければならない。児童の不登校や自しが驚異的に増えている現実。それに対する教職員の増員を図らなければならないのに逆の方向に向いてしまった。兵器をかう前にしなければならないことは、多重的に存在する。

スイセンの芽が

氷が融ければまたカモたちが戻ってくる。