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緊急連載 コメが食卓から消える日 真剣に考えるべき「コメの現物支給」

2023年03月08日 | 自然・農業・環境問題

東京都と大阪府の取り組みが注目集める

日刊ゲンダイ 2023/03/08 

 米価の下落、コストの上昇で恐ろしい勢いで離農が加速しそうなコメ農家。そうなれば、ますます食料自給率が下がり、コメが食べられない日がやって来る。肥料の原材料は中国やロシアが握っているし、「コメがなければ小麦粉」というわけにもいかないのは、ロシア侵攻後、目の当たりとなった現実だ。日本人が飢えるリスクは日増しに高まっているのだが、政府は知らんぷりだ。国会で質問されても「生産基盤の強化と安定に取り組む」(岸田首相)、「価格転嫁の方法を議論している」(野村哲郎農相=写真)とノンビリしたものだ。この危機感の欠如は何なのか。

 農業関係者は「政府の無能や怠慢なら、まだいい。これが政府の方向性なのだろう。つまり、地域のために先祖からの土地を守ってきた農家なんて潰れてもいいと思っている。株式会社化した大規模経営の方が効率が良いし、米国の食料を輸入すればもっと褒めてもらえると思っているのではないか。だから、ますます農家はやってられないんだ」と嘆いたが、その通りだろう。農林中金総合研究所の主任研究員、小針美和氏もこう言った。

「コメ自体が余っていることに加えて、予算がないことが政府の動きが鈍い理由ではないか。昨年、補正予算で肥料の高騰に関しては値上げ分の7割を補填する予算措置をした。7割でも足りないが、足元はそれでいいと思っている。食料安保を考えれば担い手の支援が必要なのに、農政はそういう方向になっていません。防衛予算と同じように国民の合意を得て農家を支援する体制をつくることが大切です」

 国は「自然災害や価格低下による収入減を補償する収入保険制度がある」とも言うが、こちらは収入が減ると補填されるもので、コスト高による農業所得減少はカバーされない。農家が絶望的になるのもわかるのだ。

 そんな中、注目を集めているのが東京都と大阪府の取り組みだ。物価高騰の生活支援策として、低所得世帯にコメなどを配ることにしたのである。

 東京都は住民税均等割が非課税の174万世帯が対象で、コメだけの支給を選んだ場合は1世帯当たり25キロを配る。全世帯が「コメだけ」を選択すると4万トン超になる。すでに補正予算に組み込まれていて、早ければ今月中にも支援が始まる。大阪府は子育て世帯への支援で、18歳以下の子ども1人に対して10キロを配る。対象は139万人で、こちらは総量1万3900トンになる。

「これはいい取り組みだと思いますよ。自治体だけじゃなくて、企業も賃上げだけでなく、コメの現物支給をやればいいと思います。とにかく、今、コメ農家に離農されたら、いくら武器を持っていても兵糧攻めで一巻の終わり。コオロギの研究に何兆円も出すくらいならば、苦しんでいる人にコメの現物支給を考えるべきです」(東大大学院教授・鈴木宣弘氏)

 最近の若い人は自炊をしないらしいが、こうしたことが自炊のきっかけになれば、コメ離れも止まりそうだ。


 余っているのだから、どんどん拠出すればいい。牛乳だってそうだ。捨てないで子ども食道などに出せばいい。牛乳、捨てる一方で輸入だ。バターなどもどんどん値上がりしている。「資本主義の矛盾」と言えばそれまでだけど。