2018.3.27追記
37日間で73人、10代の若者たちが銃の犠牲に。フロリダ乱射事件後も続く、アメリカの悲劇
それを変えようとしているのも、同じ十代の若者たちだ
ハフポスト Nick Wing 2018年03月26日
アメリカ中西部のインディアナ州サウスベントに住む17歳、デークワン・トバーさんの人生は始まったばかりだった。アイコンタクトの仕方やしっかりした握手、自信のある話し方など、大人の世界で必要な流儀を学び始めていた。
「卒業したら溶接工の仕事に就きたいと考えていた」とデークワンさんの家族は話す。そのために、履歴書の書き方を教えてもらっていた。周りの人たちは、デークワンさんが自分らしく活躍することを願っていた。
しかし2月17日、デークワンさんは銃弾に倒れた。昼間、祖母と一緒に買い物をして自宅に戻る途中に、足と臀部と頭部を撃たれ、命を失った。
2018年に入ってサウスベンドで銃の犠牲になった17歳は、デークワンさんで3人目だ。
「多くの人が、ささいなことですぐにカッとなるように感じています。そんな時にたまたま、弾を入れた銃を持っていたら、使ってしまう」とデークワンさんの追悼会を開いたマイケル・エリオットさんは地元のテレビ番組WNDUで語っている。
■フロリダの銃乱射事件の後も、悲劇は続く
フロリダ州パークランドのマージョリー・ストーンマン・ダグラス高校で17人が犠牲になる銃乱射事件が起きたのは2月14日。その後、同高校の生徒を中心に、銃規制を求める大きなムーブメントが起きた。
しかし、アメリカの銃撃事件を追跡するNPO「銃暴力アーカイブ」のデータベースによると、事件後の37日間で、少なくとも73人のティーンエイジャーが銃で命を失った。毎日2人のティーンエイジャーが殺されている計算になる。銃暴力アーカイブはメディアの報道を元に情報を集めているので、データに含まれていない犠牲者がいる可能性もある。
16歳の誕生日に、ケイドン・ヴァーグさんは、銃を誤って撃ち亡くなった。
15歳のジェイ・ダイアズさんは、銃を掃除していた家族が誤射して亡くなった。ジェイさんは幼児期にがんを経験したがんサバイバーだった。
18歳のエイリーン・ヴィヴェロス-ヴァーガスさんは妊娠中だった。ボーイフレンドが殺したとみられている。
17歳のコートリン・アリントンさんは、同じ高校に通う生徒から学校で撃たれた。
14歳のクリストファー・ラックマンさんと12歳の弟は、父から撃たれた。警察は無理心中だったと考えている。
名前のわかっていない17歳の生徒は、高校のトイレで自死した。
全ケースの詳細を把握できているわけではないが、事件の多くが都市部に偏っている。また、73人という数字には、13歳未満の犠牲者や銃で負傷した人は含まれていない。
ストーンマン・ダグラス高校の生徒たちは、3月24日に銃規制デモ「マーチ・フォー・アワ・ライブス(命のための行進)」を実行。アメリカだけでなく世界中で多くの人たちが、彼らに賛同してデモに参加した。彼らは今、根深い銃の問題にどう対処すべきかを探っている。
ストーンマン・ダグラス高校のような郊外の裕福なコミュニティでは、銃にまつわる議論は、学校の安全性確保や、セミオートマチック・ライフルのような高度な銃の使用に注目が集まりがちだ。
しかし、有色人種のコミュニティ、特に黒人のコミュニティでは銃問題は日々の現実だ。
事件の後、ストーンマン・ダグラス高校の生徒たちはシカゴの学校の生徒たちと、銃問題にどう対処すべきか話し合った。生徒たちは、メディアが取りあげる銃問題は「人種に偏りがある」として、貧しいコミュニティや有色人種のコミュニティの、声なき犠牲者を取りあげるよう求めた。
「私たちは今こそ白人の特権を利用して、全ての銃による犠牲者、私たちのようには耳を傾けてはもらえない犠牲者たちの声が届けられるようにしなければいけない」とストーンマン・ダグラス高校の生徒、デヴィッド・ホグさんは言う。
銃のせいで、短すぎる生涯を終えなかったデークワン・トバーさんのような犠牲者たち。今、彼らの声を社会に届けているのは、ホグさんのような若者たちだ。
ハフポストUS版の記事を翻訳しました。
銃撃を生き延びた高校生は、スピーチ中の「長い沈黙」で世界の心をつかんだ。
それは、どんな言葉よりパワフルだった。
ハフポスト 2018年03月26日 南 麻理江
全米で100万人以上の生徒・教師らが参加した、銃規制デモ「MarchForOurLives(命のための行進)」。
フロリダ州・パークランドの高校の銃乱射事件を生き延びたエマ・ゴンザレスさんが3月24日、ワシントンD.C.に集まった人々の前でスピーチをした。銃規制に取り組まない政治家たちを一喝し、世界的な注目を集めた彼女。銃規制運動の中心的存在として「TIME誌」の表紙も飾った。
この日、彼女は「6分と約20秒。この6分ちょっとの時間に、17人の友の命が奪われました」とスピーチを始めた。そして、事件で亡くなった17人、ひとりひとりの名前を読み上げた後、沈黙した。
あまりにも突然、まったく予期せぬ形で、被害を受けた17人の犠牲者たち。
彼らは、それまで当たり前のようにしていたことが「二度と」できない。
「友人のカーメンは、もう二度と、ピアノの練習をしたくないと愚痴ることはない」
「アレックスは、彼の兄弟のライアンと一緒に登校することはない」
「スコットはキャンプでキャメロンと冗談を言い合ってじゃれることはない」
二度とできない。もう二度と...。
ゴンザレスさんは17人の名前を全て読み上げた後、急に沈黙した。
語ることをやめ、前をしっかりと見つめる。
その頬を涙がつたった。
沈黙が長引くにつれ、聴衆に戸惑いが生じてきた。「一体何が起きてるのだろう」
にわかに「Never again(二度と起こしてはならない)」のコールと手拍子が巻き起こる。
しかし、彼女はそれでも口を開かない。
「何が起きてるんだろう...」。会場も再び静けさを取り戻す。
あまりにも長い沈黙。緊迫感が最高潮に達した時。
「ピピピ......」
タイマーのアラームが鳴り響いた。
「私がここに出てきてから、6分20秒が経ちました」
17人の命が奪われた時間。耐えがたいその重みを、ゴンザレスさんは「沈黙」で伝えた。
そして、彼女が次のようにスピーチを締めくくると、聴衆からは割れんばかりの歓声が上がった。
「どうか、自分の人生のために闘ってください。それが他人の手に委ねられる前に」
2018.3.26追記
銃で撃たれ、友達も殺された女子高生、おう吐しながら銃反対のスピーチをやり遂げる
「世界中に中継されてるテレビの前で吐いちゃった。これって、最高の気分よ」
全米で3月24日にあった、100万人以上の生徒・教師らが参加した銃規制デモ「MarchForOurLives(命のための行進)」。17人が命を落とした、フロリダ州・パークランドの高校の銃乱射事件を生き延びた、サム・フエンテスさんの力強いスピーチに世界から賞賛が集まっている。
「ハリー・ポッター」の著者、J.K.ローリングさんは、次のようにツイートした。
「銃で撃たれ、友達の死を目の当たりにした。何百万の前に立ち、吐いてしまった。でもそれを笑い飛ばして、最後までスピーチした。サム・フエンテス、もう言葉が見つからない」
高校生が中心となって、全米に大きなムーブメントを起こしている銃規制の呼びかけだが、フエンテスさんは"大人"たちの力が不可欠だと訴えた。
「法律家や政治家は、銃が問題なんじゃないと言う。でも、私の目を見て...」
そう強い口調で語った直後、彼女は後ろを向き、嘔吐してしまった。
聴衆はざわつき、心配そうな顔をしながら、彼女を励ます声をあげた。
しかし数十秒後、マイクの前に戻ってきたフエンテスさんは、笑顔で一言。
聴衆は大歓声を上げた。フエンテスさんはスピーチを続ける。
「禁止しろって頼んでるわけじゃない。歩み寄ろうって言っているんです。信条や肌の色を忘れて、お互いを救おう」
「私たちの使命はシンプルです。私たちの野望は絶対に曲げられない。間違った人たちの手から銃を離そう。それらを安全で、分別のあるところでちゃんと管理しよう」
フエンテスさんは、今こそどうすべきか選ぶ時だと呼びかけた。
そして彼女は、本当ならこの日に誕生日を迎えるはずだった、亡くなった同級生のために「ハッピーバースデー」を歌った。
「私の目の前で亡くなったニックのために、一緒に歌ってほしい」。
聴衆たちは涙を流しながら、ハッピーバースデーを歌った。
「6分20秒で、17人の友人が奪われた」
銃規制デモに80万人、
高校生が惨状を訴えた。
全米各地や海外でデモの動きが広がっています。
朝日新聞 2018年03月25日
「どうか撃たないで下さい」というプラカードを掲げ、「私たちの命のための行進」に参加した高校生たち=24日、ワシントン、ランハム裕子撮影
「6分20秒間で...」若者ら演説 銃規制行進に80万人
米フロリダ州の高校での銃乱射事件を受けて、高校生が呼びかけた「私たちの命のための行進」が24日、首都ワシントンで開かれた。NBCテレビによると約80万人が参加。全米で約800カ所、欧州やアジアなどでも集会が開かれ、銃規制と学校の安全を訴えた。
ワシントンでは、連邦議会前の大通り約1キロがプラカードを掲げた群衆で埋まり、周辺の道路にあふれ出した。特設ステージでは、事件のあったマージョリー・ストーンマン・ダグラス高校の生徒や、銃で家族を亡くした若者たちが次々と演説した。
同校生徒のエマ・ゴンザレスさん(17)は「6分20秒間で17人の友人が奪われた」と話し、犠牲者の名前を読み上げた後、突然口をつぐんだ。約4分半、ゴンザレスさんが涙を流しながらまっすぐ前を見つめる間、会場からは「Never Again」(二度と起こさない)の合唱が起きた。アラームの音が鳴り、ゴンザレスさんが再び語り出したのは、登壇してからちょうど6分20秒後。「誰かに任せる前に、命のために闘おう」と訴えた。
会場では11月の連邦議会の中間選挙や2020年の大統領選挙を見据えて、ボランティアが若者に有権者登録を促した。同校のキャメロン・キャスキーさん(17)はステージで「政治家は我々の声を代弁するか、さもなければ退場して。選挙が近づいていることを知って欲しい」と話した。
ヘイディ・アルバレスさん(16)は2012年に乱射事件があったコネティカット州の街からバスで6時間かけて来た。
「(12年の事件は)みんなのトラウマになっている。でも、悲劇は何度も起きている。やることは分かっている。銃の規制を厳しくすること。長い時間がかかるが、今行動しなければならない」と話した。
この日、トランプ大統領はフロリダ州の別荘に滞在。ホワイトハウスは「勇気のある若い米国人が(表現の自由を定めた)憲法修正第1条を行使することをたたえる。子どもの安全を守ることが大統領の最優先事項だ」との声明を出した。(ワシントン=香取啓介)
■「次は私?」サンフランシスコでもデモ
ワシントンから遠く離れた西海岸でも各地で「私たちの命のための行進」が行われた。サンフランシスコでは小さな子どもから大人までデモに加わり、市内中心部の大通りを行進した。
「今日1日で何人が殺された、NRA?」。参加者たちは、銃規制を拒み、政治家に献金を続けるロビー団体NRA「全米ライフル協会」に怒りの声を張り上げながら歩いた。手には段ボール紙などに「次は私?」「もう遺書を書かないといけないの?」などと手書きしたプラカード。
デモに参加した中学1年のミアさん(12)は「学校に銃を持った人が入ってきて、先生から体育館の壁に隠れるように言われたことがある。学校に行くのを怖がらないといけないなんておかしい」。手には「2024年の有権者」と書いたプラカードを掲げた。
別の中学に通う1年のデージー・ペリスコットさん(12)も普段から学校で乱射事件に備えた訓練をしているという。「ワシントンの政治家は、もう一度学校を安全な場所にするべきだ。銃規制は一つのやり方だと思う」と話した。(サンフランシスコ=宮地ゆう)
自分の命は自分が守る。
銃によってか!
銃をなくしてか!
きょうもいい天気でした。日中は今年初めてストーブを消しました(事故で何回も消えたが)。
電信柱に雪が一番多かった時の線をクレヨンで書きました。ずいぶん減ったのがわかります。
車より高く積もった雪でした。
雪の中からハーブ、オレガノが出てきました。
そして裏山へ。白樺樹液を採るために、根本の除雪をしてきました。
明日の朝、ドリルで穴を開けてみます。この天気ですから、もう出ているでしょう。