里の家ファーム

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これでは「再生不可能」エネ!

2014年04月30日 | 社会・経済

 やっぱり理念が違うとこうなるのですね。

(産経新聞西部本部副本部長 遠藤一夫)

 国際宇宙ステーションの窓から青い惑星、地球がよく見える。いつ頃からだろう、緑の日本列島の様子が変わってきた。あちこちに斑点が現れ、特に九州はバラの葉が黒点病に侵されたように黒いシミが広がっている。このままでは九州が黒く塗りつぶされる-。https://fbcdn-sphotos-g-a.akamaihd.net/hphotos-ak-prn2/t1.0-9/10170687_559061594191994_2896477101777671230_n.jpg 

 こんな悪夢を思い起こさせるシミの原因は黒々とした太陽光発電パネルだ。東日本大震災後に菅直人元首相が退陣と引き換えに導入を決めた再生可能エネルギーの「固定価格買い取り制度」が、メガソーラー(大規模太陽光発電所)建設に拍車をかけている。なかでも九州7県では、経済産業省に認定された太陽光発電施設が昨年10月末で11万件、総出力は原発5、6基分の600万キロワットに上る。認定された施設がすべて建設されると太陽光パネルの面積は350平方キロメートルになり、福岡市(340平方キロメートル)の面積を超える、との試算もある。
 
太陽光発電は、原発の代替電源として普及拡大が期待されるが、「お天気まかせ」で頼りにならない。設備利用率も石炭と液化天然ガス(LNG)火力が80%、13カ月に1度の定期検査がある原発は70%、「風まかせ」の風力が洋上30%、陸上20%に対し、太陽光は12%にすぎない。今後の技術革新でパネルの発電効率が改善されたとしても火力や原発には及ばない。広い設置面積が必要で、建設コストも割高だ。
 
それでも菅政権の忘れ形見となった買い取り制度が金科玉条となり、メガソーラーの建設計画が相次ぐのはなぜか。九州のメガソーラー事業会社の幹部は「太陽光が原発に代わるエネルギー源になると本気で考えている事業者はほとんどいない。単なるビジネスの種。買い取り制度があるからやっていける」と明かす。
 電力会社はメガソーラーから電力を市場価格より高く買うことが義務づけられ、費用は電気料金に上乗せされている。先に制度を導入したドイツは電気料金が2倍になり、制度は破綻したという。日本でも電気料金が企業経営や家計を圧迫しており、ドイツの二の舞いにならぬよう制度を見直すべきだ。
 メガソーラーにはまだ問題がある。九州では耕作放棄地がメガソーラー事業者に賃貸され、農業委員会が農地からの転用を許可した件数はすでに1480件に達した。農地が虫食い状態になった地域もある。安倍晋三政権は農業の大規模化や農地集約化を進めているが、メガソーラーはそれを阻害する。
 
名湯、景勝地で知られる大分県由布市は、景観を損なうとしてメガソーラーの規制条例を制定。メガソーラーを建設する際、市への届け出を求めている。ただ、強制力や罰則はなく、小規模施設は対象外。このため、住民からは「メガソーラー建設に歯止めがかかるのか」と不安の声もあがる。
 政府は近くまとめる「エネルギー基本計画」で再生可能エネルギーが総発電量に占める割合を大幅に引き上げる。買い取り制度に手を付けず、あたりかまわずメガソーラーを建設できる状況を放置したまま普及を促してよいのか。国土のあり方や経済的合理性を考えた普及策でなければ、日本列島は黒いシミだらけになる。

 


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