印鑰智哉ブログ 2024/05/11
食料・農業・農村基本法改正案、そして食料供給困難事態対策法案の最大の問題点はここまで日本の食・農をダメにしてきた政策を変えずに「これまでのビジネスをそのままやらせろ」というのが基本になっていて、そんなことをすれば確実にやってくる食料危機に強権使って対応するというセットになってしまっていることだ。
今、気候危機、生物絶滅危機などの多重危機の進行は予想を超えて進んでおり、このままでは世界全体で危機的な事態に陥る。その中でもっとも脆弱な部類の日本はさらに厳しい状況に追い込まれるから、もっとも機敏に対応しなければならないのだけれども、現在の政権の下ではそれは期待できない。官僚がマイクのスイッチを一度切ってしまったら、オンに戻させることすらできない大臣が構成する政権では無理だろう。
必要なことは可能な限り外部からのインプットを減らす、アグロエコロジー的転換を大規模に行うこと。そのためにはタネから変えていく必要がある。政治的な力がなければ到底、必要な規模での転換は不可能だ。環境負荷を減らしつつ、そうした農業を支えるための予算をつぎ込む。
でも単なる政権交代だけでは実現できない。というのも、産官学の癒着構造ができあがっていて、それは現在の政府だって把握していないだろう。だから政権だけ変えても、その変化は実働部隊までに及ばない。政府の外に民間企業が主体となって外郭団体が作られ、それに補助金や委託事業などで公的資金が使われている。民間企業の、民間企業による、民間企業のための施策が公金で行われている。市民の生活が苦しくなるのも当たり前だ。私たちはますます食べられなくなっていく。
しかし、政権交代が第一歩となって、その下で実働部隊の実態を明らかにして、解体していくしかない。もし、このままの方向を変えられなければ近い将来、かなり恐ろしい事態になることは避けらなくなるだろう。どう変えるべきか、その提言の基盤となる記事をまとめている。完成はまだ先。
食への権利が国連で宣言されたのは1996年¹。日本では2024年になっても食への権利は法制化されず、食料安全保障にすり替え、強権的な体制に押し込もうとしている。
一方、メキシコは今年3月7日、適切かつ持続可能な食料への権利を定めた画期的な法律を制定した²。適切かつ持続可能な食料というのは栄養価が高く、十分な量があり、質が高く、安全で、文化的に適切という意味である。これこそ日本が食料・農業・農村基本法で取り入れるべき観点ではなかったか? 食とは基本的人権なのだから。
日本では権利なき食と農の憲法が現在、参議院で審議中³。
戦時食料法というべき食料供給困難事態対策法は衆議院で審議中⁴。
気候危機・食料危機対策として、早急なシステム転換が必要なのに、そのシステム転換を不可能にしてしまおうという動きが進んでいる。本当に世も末的状況だ。
園のようす。
先日の霜害で・・
ウドが出てこないと思ったら、やられていました。
こちらは🍓いちご。中央部分が黒くなっています。