「しんぶん赤旗」2024年11月22日
困窮世帯の小中学生の3割近くが学校を「楽しくない」と答えていることが21日、公益財団法人「あすのば」(東京都港区)のアンケートで分かりました。担当者は「経済的支援を拡充してほしい」と訴えています。
アンケートは2023年11~12月、生活保護を受けるなどしている1万4845世帯を対象にオンラインなどで行い、保護者4012人、小中学生551人を含む子ども1862人から回答を得ました。
小中学生に「学校は楽しいか」と聞いたところ、10・9%が「全然楽しくない」、17・1%が「あまり楽しくない」と答え、「楽しくない」とした割合は3割近くになりました。「全然楽しくない」と答えた子のうち88・3%が生活の苦しさを訴え、81・7%は「何もやる気がしない」ことが「よくある」「ときどきある」と回答しました。
また高校生・大学生などに対し、学校をやめたくなるほど悩んだ経験の有無を聞くと約半数が「ある」と回答。理由を複数回答で尋ねると、「経済的余裕がないから」が24・3%で最多でした。「希望の就職先や進学先へ行けるか不安」(14・8%)や「勉強についていけない」(13・0%)といった答えも目立ちました。
自由記述欄には深刻な声も。生活苦のためスマホなどを我慢しているという大阪府の中学1年生は「塾に行けないので学校でしか勉強できず、授業内容も理解できない」と訴えました。岩手県の高校2年生は「コロナ禍と物価高騰で家庭の厳しい経済状態が続く。進学できるか不安」と嘆きました。
あすのば代表理事の小河光治さんは「子どもの貧困対策は最優先課題。学校が楽しくないと感じるだけでなく、授業が理解できないという子もいる」と指摘。「政府には児童扶養手当の増額など困窮世帯への経済的支援の大幅拡充を求めたい」と話しています。
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きょうの潮流(「しんぶん赤旗」)
学校が楽しくないと思っている子どもほど家庭の生活が苦しいと感じている―。そんな傾向のあることが、子どもや若者の貧困対策に取り組んでいる公益財団法人「あすのば」の調査で分かりました▼同法人が経済的困窮世帯を対象に実施したアンケートで、学校が「全然楽しくない」という小中学生は、9割近くが「生活が苦しい」と感じているか、感じたことがあると答えています。同じ困窮世帯の子どもでも学校が「とても楽しい」という子で「生活が苦しい」と感じているのは74%にとどまります▼困窮世帯のみを対象にした調査なので単純にはいえないかもしれませんが、学校を楽しいと感じられないことと経済的な生活の苦しさに、一定の相関関係がうかがえます。不登校の小中高校生は41万人にのぼりますが、そのなかには貧困が背景にある子どももいるのではないでしょうか▼同調査によると、収入の少ない世帯の子ほど塾や習いごと、誕生日やクリスマスのイベント、友達との外出などをあきらめた経験があります。経済的な貧困が招く「機会の貧困」です▼経済的格差が学びや体験の格差につながり、子どもの将来の格差につながっている現実があります。同法人は国や自治体による子どもの貧困対策の拡充を求めています▼国連の子どもの権利委員会も、「子どもの貧困および社会的排除を減少させるための戦略と措置の強化」を日本政府に勧告しています。大軍拡ではなく、国民のくらしを優先する政治への転換が必要です。
子ども時代くらい平等な環境を保障してあげたいものです。
園のようす。
雪が消えて・・・
クレソンがいっぱい。
最後のバラ。