食・農業の憲法と言われる食料・農業・農村基本法改正案が昨日衆議院通過。なぜ、農業が限界状況迎えているのに、政府は抜本的な手を打たないか、要するに日本という国が米国へのコバンザメ国家で、米系多国籍企業へのコバンザメ企業が政治を仕切っているから。
日本で地域の自立した食のシステムを作ることは米国の食料戦略に抵触するからやらない。またそんなシステムを作っても大企業は儲からないからやらない。だから農家の支援政策は打ち出されない。海外で安く作ってもってくる、日本で食料自給するよりも日本の農産物を海外で高く売った方が企業にとっては儲かるのだ。農家は支援せず、飢える人や栄養不良な人がいても無視して、海外に食品を輸出する。
このような貿易のことを「飢餓輸出」と呼ぶ。南の国の多くは外貨を稼ぐために、国内に飢餓があっても、食料輸出を強化し続ける。食料はあるのに国内の飢餓者には食べさせず、国の借金を払うために海外に輸出する。
今回の基本法の改正案の議論でも政府は「農業を発展させるためには輸出しかない」と繰り返す。日本はこのままでは本当の「飢餓輸出国」になる。政府を変えない限り。
そして、これは米軍の考える世界秩序にそれは好都合。日本の大企業もすんなりその方針に従う。でも、今後はそれでは十分な食が確保できなくなることが予想されるのに政府は手を打たない。いや、食はもう確保できなくなってきていて、日本は5%未満の栄養不良者の存在する飢餓国としてFAOにも認定されている。
学校給食の質も下がり、コンビニの弁当にもその影響は現れている。これは一部の貧困者だけの問題ではなく、日本列島の住民全員の問題であり、すでに日本の栄養状態は悪化し続けている。
こういう問題が多い法案の場合は修正案が出ざるをえない。ほとんどの党が修正案を出すが、自民党と日本維新の会が提出した修正案が採択された。日本維新の会は今後ますます自民党に寄り添っていくつもりのようだ。この修正案には口当たりいいことが並ぶが、肝心の日本の食の危機に有効な施策は見当たらない¹。
メディアはどれだけこの危機を報道するだろうか?
数年前「おにぎりが食べたい」と言って餓死した人のニュースを耳にした時、信じられない思いがあったが、今や状態化してしまった感じである。
今やインバウンドで日本の食が注目されている。
多様性のある和食を守り、お米の需要拡大を目指すべきではないのか。
毎日違う花が咲きだします。