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まだ間に合う、投票しょう!

2021年10月31日 | 社会・経済

週のはじめに考える 見くびられぬために

「東京新聞」社説 2021年10月31日 
 
 今日は何の日でしょうか。そう「日本茶の日」。一一九一(建久二)年のこの日に、栄西禅師が宋から茶の種を日本に…いや、それもそうなのでしょうが、まずは、やっぱり衆院選の投票日と言うべきでしょうね。国民が参政権を行使して国の針路を決める大事な機会なのですから。でも、ここ三回の投票率は60%未満…。まだの方は「いろいろ用もあるし」なんてお茶を濁すのはやめて、さあ、投票に行きましょう。

◆先人の「血が通う」一票

 今回は第四十九回ですが、第一回衆院選が行われたのは一八九〇(明治二十三)年のこと。投票率は、実に、93・91%でした。しかし、です。その時の有権者数は今回の二百分の一以下、たったの四十五万人強。投票できたのは「直接国税十五円以上を納める二十五歳以上の男子」だけでした。有権者数は人口の1・1%。要は、ごく限られた富裕者の男性以外には投票の権利がなかったのです。
 その後、徐々に納税額が引き下げられ、一九二八(昭和三)年の第十六回からは納税額の制限もなくなって有権者数は次第に増えていったわけですが、一九四六(昭和二十一)年の第二十二回では、二十一回の約千五百万人からいきなり約三千七百万人へと急増しています。なぜか。女性に初めて選挙権が認められ、年齢も二十歳以上に改められたからです。
 その前年、日本は敗戦。連合国軍の占領下で初めて完全な普通選挙が実現し、すべての二十歳以上の国民(現在は十八歳以上)が投票権を手にできたのでした。その七カ月後、一四条で女性参政権を明確に保障した日本国憲法が公布されています。
 つまり、憲法も、成人が等しく持てるようになった一票も、あの戦争で夥(おびただ)しい数の命が失われ、夥しい量の血が流された結果、国民にもたらされたもの、ということができます。そのころ、連合国軍総司令部(GHQ)の意向で発足した憲法普及会と東京新聞が共催で記念歌詞を公募しています。これは、その入選作の一つ。
 <犬死(いぬじに)でなかつた 証拠にや 新憲法の どこかにあの子の 血がかよう>
 愛する子の死をせめて意味あるものと思いたい。切ない親の胸中です。私たちが、今、手にしている一票の権利とて同じことでしょう。そのどこかには無数の<あの子>らの血がかよっている。そう思えば、その一票を、あだやおろそかに扱うわけにはいきません。

◆選挙結果と民意のズレ

 しかし、前述のように低投票率が続いているのが現実です。例えば、過去最低だった二〇一四年の衆院選の52・66%とは、どういう意味なのでしょうか。単純化して有権者総数が百人、主張が対立するA党とB党の候補が争う選挙区と仮定してみます。投票したのはわずか五十三人で二十七票をとったA党候補が勝利しました。つまり、この選挙区の代表はわずか四人に一人強の有権者の意向で決まってしまったわけです。仮にB党候補に投票した二十六人に加え、棄権した四十七人も実はA党候補を支持していなかったとしても、その計七十三人、七割以上の人の民意は選挙結果に反映されていないことになります。
 しかも、現実の衆院選・小選挙区には、得票第一党が、議席獲得率で、かなり「優遇」される傾向があります。例えば、前回選挙で自民は得票率48%だったのに、何と議席の74%を獲得しています。投票率の低さと相まって、思われているよりずっと少ない支持で大勢力の政権党が誕生してしまうという構図です。「公正な選挙」の結果のはずなのに、適切な民意の反映がなされない、あるいは、本当の民意とズレる恐れが強まると言ってもいいでしょう。
 現政権は発足間もなく、この選挙では、安倍・菅政権という自民党長期政権への評価が問われる面が強いでしょうが、その特徴の一つは、さまざまな疑惑や専横的振る舞いに国民が割りきれなさを感じていても、懸命に釈明しよう、誠実に説明しなければ、という姿勢が希薄だったことです。

◆国民を恐れない政治

 こんなことをしたら・しなかったら不興を買うのではないか、と世論にビクつく感じがあまりなかった。総じて国民を見くびっていたという印象が拭いきれません。
 なぜ、甘く見ていたのか。一つの理由が、投票率の低さにある気がするのです。岩盤のような支持者が四人に一人程度いてくれれば政権は安泰。その層の意向に配慮すればいい。奥底には、そんな意識、妙な自信のようなものがあった気がしてなりません。
 見くびられたくないのなら、まず、すぐできることは、一つ。投票に行くことです。

お願いします。
おごれる自民・公明を落選させてください。
維新もだめです。


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