●今回は次の箇所が格段、胸にきた。(武沢氏より)
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志は塩のように溶けやすい。男子の生涯の苦渋というのもその志の高
さをいかにまもりぬくかというところにあり、それをまもりぬく工夫
は格別なものではなく、日常茶飯の自己規律にある、という。箸のあ
げおろしにも自分の仕方がなければならぬ。物の言いかた、人とのつ
きあいかた、息の吸い方、息の吐き方、酒ののみ方、ふざけ方、すべ
てがその志をまもるがための工夫によってつらぬかれておらねばなら
ぬ、というのが、継之助の考えかたであった。『峠』上巻
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●なぜ胸に来たかというと、次のように文書を書き直してみたからだ。
・・・経営理念は塩のように溶けやすい。経営者の苦渋というのもそ
の理念の高さをいかにまもりぬくかというところにあり、それをまも
りぬく工夫は格別なものではなく、日常茶飯の自己規律にある、とい
う。
経営理念というものは、朝の起床から始まって出社前になにをするか、
どのような仕事のすすめかたをするか、人とどう接するか、何に喜び、
何に怒り、何に哀しみ、何を楽しむか、などすべてがその理念をまも
るがための工夫によってつらぬかれておらねばならぬ、というのだ。
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●日常の自己規律という面に、河井もブルース・リーもストイックな
面において似ている。かくありたいと思う。