うちなー→えぞ日記 (もとすけのつぶやき)

奈良県出身、沖縄での学生生活を経て、北海道ライフを堪能する、
とある研究者の日常のよしなしごとの紹介。

崖の上のポニョ

2008年08月21日 07時02分13秒 | うちなー日記(沖縄編)
やっとこさ見ることができましたよ、崖の上のポニョ。
弟を中学校の登校日に車で奈良まで送ったついでに、橿原のMOVIXで見てきました。

先に感想を述べておきましょう・・・、めちゃくちゃ素晴らしい映画でした。私の中では近年稀に見る名作だと思います。
巷ではなんだかんだ言われていますが、あの美しい絵となんとも言えない安心感、そして、終わった後の高揚感は、宮崎駿の良さが存分に出ていました。


・・・※ここから下の記事には、やんわりとオブラートに包まれたネタばれが含まれます。・・・

午前9時半からの当日1回目の上映、観客のほとんどはお母さんと子供の組み合わせでした。(ごく少数アベック含む)
初っ端から美しい海中の映像と久石譲の壮大な音楽で始まり、ポニョがクラゲに乗って家出するところから物語の幕が開きます。(すでに子供たちは見入っています)
最初の20分ほどで、テレビの予告編で流れていたシーン(主人公の宗介に拾われてバケツに入れられ、「ポニョ、宗介、好き!」になるまで)は全て消化してしまいました。
事前知識全く無しで見に行ったので、私はてっきり女の子の顔をした魚が人間と出会って「ポニョ、宗介、好き!」になるまでの物語だとばかり思っていたのですが、それはイントロに過ぎませんでした。
そこから先は全く予想外の展開で、宮崎駿的人魚姫物語がテンポ良く、コミカルに進んでいきました。
「となりのトトロ」と同様に、悪い人が一切登場せず、思わず微笑んでしまうような場面が随所に織り込まれていて(その度に観客の子供たちの笑い声がそこかしこから湧いていました)、とにかく気持ちの良い展開でした。
それにしても、映画中盤以降に登場するポニョ人間形態の可愛いこと・・。「となりのトトロ」のメイに似ていますが、可愛さでは遥かに上回っていました。

物語の中で、ポニョのせいで主人公の住む港町は水没してしまいます。実際にそんなことが起これば大災害ですが、この映画では悲惨な感じはせず、なんだかワクワクしてしまう非日常として描かれていました。またその場面で、昔気質で兵隊さんみたいな水産高校の先生が出てきたり、被災地の救援にイージス艦が出てきたりするあたり、いかにも宮崎駿らしくて私はニンマリしてしまいました。

物語の最後は、いつもの宮崎駿的めでたしめでたしな終わり方で、「まあとにかく良かった、良かった」と観客に思わせるものでした。

今回の映画は、5歳児でも理解できるお話を念頭に作られたそうで、映画に高度な意味や意義を求めている人にとっては、やや物足りないものかもしれません。(もちろん「崖の上のポニョ」にも、様様な意味や意義が込められていますが)
しかし、ここは一つ、子供時代に戻った気分でこの映画を見てみることをオススメします。私は、周囲からピーターパンと呼ばれるような、子供心を忘れない人間なので、この映画を見てあまりの懐かしさに涙が出ました。終わった後も、なんともいえない高揚感がずっと続いています。(この高揚感は、「千と千尋の神隠し」の終わった後と同じものです。)

最近のアニメ作品は、ともすればCGをバンバン使って、やたら意味ありげで、難しいものになりがちですが(そういうのも私は好きですけど・・)、頭を使わないでも安心して見られる、この「崖の上のポニョ」は却って新鮮な感じがしました。
宮崎駿監督はこの映画の企画意図で、「神経症と不安の時代に立ち向かおうというものである」とおっしゃっていますが、私自身、普段は大学で多忙な研究生活を送っていて、精神的な余裕がほとんど無いところ、この映画を見て心が洗われるようでした。
世間では、やれ景気が悪化しつつあるだの、凶悪犯罪が増加しているだのと、ともすれば暗いニュースで溢れてしまいますが、このような映画がある限り、日本はまだまだ安泰だなと思います。

今、私はもう一回この映画を見てみたいと思っています。


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