面白く、そして下らない

私は批判をして何かを為した気になっている大衆の一人に過ぎないが、何か少しでも波紋を起こす小石になれればと書いている。

行動が正しければ動機には目を瞑るべきだ

2022-03-28 18:40:34 | 日本人への呼びかけ
~~引用ここから~~
「旗野中尉は、好きなのだと思います。軍隊と戦争が金や物をやりとりすることより、自分や他人の命をやりとりすることの方が」

 つまりこの男も病気なのか、新城は思った。娑婆で、身綺麗にすることばかり気を使っている連中に使われながら、玉薬の香りや、塹壕で嗅ぐ濡れた泥の臭いを思いだす。客や友人に愛想良く笑いかけつつ、糞便を垂れ流しながら断末魔を迎えた負傷兵の呻き、恐怖に凍った敵兵に鋭剣を突き刺す興奮を思いだしている男。

 確かに生まれつきの兵隊だ。この世にごく少数だけが存在する、天性の殺人者。軍に属することで、その異常な性質をどうにか世に合わせようと無駄な努力を重ね続けてきた男。

「うん」新城は子供のような声で言った。

「使えるかな、安心して」

「おそらく旗野中尉は」冴香は会ったこともない男についてつけくわえた。

「本部へ敵兵が突入してきた時、少佐殿の隣で一歩も引かずに戦ってくれる将校の一人です。あっという間に戦死してしまうかもしれませんが、逃げることだけはありません」

『皇国の守護者7 愛国者どもの宴』より抜粋
~~引用ここまで~~


タイトルは少し穏当なものにしたが、「生まれつきの兵隊」を「銃を人に撃ちたい衝動を持つ異常者」や「天性の殺人者」と変えても良い。日常で人を殺せば殺人という大罪だが、戦争では合法だ。民間人や捕虜の殺害は違法だが。戦争を経験してみたい、銃を思う存分撃ちたい、人を殺したいと考えている人間はウクライナに義勇兵として行けばその異常な性質をウクライナのため日本の国益のために役立てることができるのだ。行かない手はない(政府は反対しているが)。

モラリストぶって、戦争絶対反対とか、戦争で従軍するにしても義憤や愛国心がなければならないとする考えもあるだろう。だがそんな綺麗事を言っていては戦争に勝てない。結果が正しければ動機には目を瞑るべきなのだ。

それに功利主義の立場を取るわけではないが、この種の人間の欲求を満たし、社会に居場所を与え、名誉や富さえ(義勇兵に支給される金銭はゼロかもしれないし、支給されてもわずかだろうが)得られるのだ。経済的にも需要と供給を釣り合わせることができる。一石何鳥でもあるのだ。

ただこの種の人間は必ずしも戦争で活躍できるとは限らない。暴力衝動や殺人衝動を弱者にしか向けられない屑もいる。戦場に立ってみなければわからないだろうが、そういう屑は役に立たない。敵前逃亡で銃殺されるか、大人しく平和な日本(外国でも良い。「生まれついての兵隊」は日本人だけに限定していない)で暴力衝動や殺人衝動を抑えて生きていくしかない。平和な日常で人を殺せば殺人罪で裁かれるしかないのだ。

そのような「生まれつきの兵隊」「銃を人に撃ちたい衝動を持つ異常者」「天性の殺人者」などいるのか疑問に思う人もいるかもしれない。しかし人は結構暴力衝動を持っているものだ。「天性の殺人者」などという次元だと極少数しかいないが。

例えが漫画で申し訳ないが、『ドラゴンボール』の主人公孫悟空は闘いが大好きだ。さりとて闘いがないときは大人しく修行をしている。原作では働いていない穀潰しだが(『ドラゴンボール超』では農業をしている)。サイヤ人だからというのもあるが、戦闘狂なのだ。赤ん坊の頃頭を打ったので残忍な性質は消えている。闘いにしか役に立たない。それでも世界を何度も救っているわけだ。

漫画やアニメ、ラノベやゲームなどフィクションには戦闘狂や殺人狂の人物がいくらでも出てくる。ただ人を殺せば殺人者に過ぎないが、「世界の敵」を倒せば英雄になれるわけだ。ロシアにはプーチンには彼らなりの正義があるわけで「世界の敵」と見なすべきではないのだが。

念を押しておくが、「人を殺して英雄になれるなんて素晴らしい話じゃないか」などという「旨い話」をしたいわけではない。戦争は甘くない。人間は流れ弾が一発急所に当たるだけで死ぬ。腕や脚を損なうこともある。捕虜として待遇を与えられず拷問されるかもしれない。母親の名前を叫びながら死ぬかもしれない。ウクライナは劣勢の側なのだ。最終的には勝ちそうだが。

「生まれつきの兵隊」「銃を人に撃ちたい衝動を持つ異常者」「天性の殺人者」にその衝動を抑え込まずに何とか世の中に役に立つ場所があると言っているだけだ。死んでも後悔しない人にしかウクライナ行きは勧めない。外国人義勇兵2万人のうち何人死ぬかなど私には全く予測が立てられない。あるいはウクライナが負けても結構生き残るのかもしれない。わからない。

おかしな表現になったかもしれないが、言いたいのは次のようなことだ。

~~引用ここから~~
ウクライナ「義勇兵」志願者の動機 暴力団幹部の視点は「銃」

ウクライナ「義勇兵」志願者の動機 暴力団幹部の視点は「銃」

 警察や軍関係、暴力団組織などの内部事情に詳しい人物、通称・ブラックテリア氏が、関係者の証言から得た驚くべき真実を明かすシリーズ。今回は、ウクライナの「義勇兵」...

NEWSポストセブン

 


(略)

「70人の応募者の中には、俺たちより危ないやつがいたかもな」

 ある暴力団組織の幹部が語る“ヤクザより危ないやつ”とはどういう人間なのか。“傭兵”のことかと思ったが、そうではないらしい。幹部が話した“応募者”とは、在日ウクライナ大使館が募集した「義勇兵」のことだ。

(略)

「応募したのは元自衛隊員が多いらしいが、中には俺たちでもこいつはヤバイと思うような奴も志願しただろうな」このニュースを聞き、冒頭の幹部はそう思ったという。

「そういう危ない人間を見る機会は、一般人より何かと多いんでね。ハジキを撃つのが趣味みたいなおかしな奴はいる。最初は的を目がけて練習する。当たるようになれば的を遠くして、空き缶など小さな物を撃つようになる。それに飽きると、動く物を撃ちたくなる。ネズミやウサギ、小動物だったものが大きな動物を狙うようになり、終いには人間を撃ってみたくなる。無差別に人を狙って傷付けると犯罪になるが、戦争は違う。オレに言わせれば合法だ。奴らにとって義勇兵の募集は、人助けと称した絶好の機会だろうね」(同幹部・以下同)

 すでに各国から2万人以上が義勇兵として集まっているという。中には彼が言うように、不当な目的のために応募した者も紛れているかもしれない。また彼は、「銃に関する意識や感覚が、日本と海外ではまるで違う。彼らは銃を扱うことに慣れている」と話す。

(略)
~~引用ここまで~~


~~引用ここから~~
ウクライナ義勇兵に「元自衛官50人応募」のなぜ…自衛隊OBは「彼らの心情は二つに分かれる」 | デイリー新潮

ウクライナ義勇兵に「元自衛官50人応募」のなぜ…自衛隊OBは「彼らの心情は二つに分かれる」 | デイリー新潮

ウクライナ政府が募集する義勇兵に、約70人の日本人が志願したことが大きなニュースになっている。…

デイリー新潮

 


(略)

 一方で、「自分の力を試していたい」と志願した若者が含まれている可能性もあると指摘する。「士」と呼ばれる一兵卒として入隊した場合、3曹と呼ばれる下士官に昇進しない限りは、陸自は2年、海自と空自は3年の任期制となっている。任期終了後に契約を更新しないまま除隊する人も多く、その中には「物足りなさ」を理由とする者もいるという。

政府は反対

「『銃を持って戦いたい』というモチベーションで自衛隊に入る人もいる。けれど、実際に経験できるのは訓練だけ。そういう不満を持った一部の人たちが、『実戦を経験したい』と数年で除隊してフランス外人部隊などを目指すのです。除隊後の生活が満たされない中で、この募集をチャンスと捉えて志願した人もいるのでは。もちろん、そういう気持ちでの志願には賛成できません。自衛隊員の多くは、基本的には戦争なんて望んでいません」

(略)
~~引用ここまで~~


ウクライナの義勇兵になるのに御大層な大義名分や義憤、愛国心が動機でなくても構わない。ウクライナを助けるために日本の国益になるならば(政府は反対しているが)、「人殺しがしたい」などという邪悪な動機で構わないと言いたいだけだ。

そのような動機だと負け戦になれば逃げ出すかもしれないが、最後まで戦う「生まれつきの兵隊」もいるかもしれない。それならば動機などどうでも良いのだ。自らの平和な時代では絶対に満たされない欲求を満たしつつ、ウクライナを助け、日本の国益になるのだ(繰り返すが政府は反対している)。行かない手はない。

もっとも「生まれつきの兵隊」「天性の殺人者」は世の中に極少数しかいない。そんな人が私のブログを読むことは考えられないのだが。

「実戦を経験したい」くらいの考えの人には私は勧めない。だがそれくらいでも本当の意味で自己責任ならば行っても良いのかもしれない。

ウクライナに日本人義勇兵を送るべきと考えていた、のだが - 面白く、そして下らない

「貴方に妻子はいないのか。あなたがウクライナで死んだら残された妻子はどうなる?路頭に迷うことにならないか」

「年老いた老親をおいてウクライナで死ぬことになればこれほどの親不孝はないぞ」

「ロシアは国際法を破っている。義勇兵は捕虜として扱われないかもしれない。拷問されて無惨に死ぬことになっても構わないのか」

と自問自答しても行くならば止めようがない。もう既に何人か日本人義勇兵はいるようだからだ。

だが軽い気持ちで行くとこんなみっともないことになる。

~~引用ここから~~
「韓国に帰りたい」義勇兵としてウクライナに行った韓国人が哀訴?

「韓国に帰りたい」義勇兵としてウクライナに行った韓国人が哀訴?

25日、韓国・イーデイリーは「ウクライナの義勇兵に志願した人物と思われる韓国人が、ネット上のコミュニティーの管理者に連絡を取り、韓国に帰りたいと訴えた」と伝えた。...

Record China

 


2022年3月25日、韓国・イーデイリーは「ウクライナの義勇兵に志願した人物と思われる韓国人が、ネット上のコミュニティーの管理者に連絡を取り、韓国に帰りたいと訴えた」と伝えた。

記事によると、あるネット上のコミュニティーに25日、ウクライナの義勇兵となった韓国人Aさんが同コミュニティーの管理者にメッセージアプリで連絡を取ってきた際の内容が公開された。

Aさんは管理者に義勇兵であることを証明する写真を送り、「現在ウクライナにいる韓国人に帰国命令を出してほしい」と、政府関係者や外交部に伝えてほしいと頼んできたという。ほとんどの韓国人がロシアの攻撃を実感し帰国したいと考えている雰囲気だが、帰国すれば処罰を受けるため、どうすることもできない状況だと説明し「帰国者への赦免か処罰の軽減」を訴えている。Aさんと一緒にいる人物も砲弾の破片で危うく死ぬ目に遭いパニック状態になったとし、「そうした人たちだけでも帰国させてやりたい」と話している。

また、韓国政府は現在ウクライナで義勇兵として参戦している韓国人は9人だと把握しているが、ウクライナの将校が確認した人数は40人ほどになるとも伝えている。

Aさんのメッセージの真偽は確認されていないが、コミュニティー内の書き込みは現在、全て削除されている。

この記事に、韓国のネットユーザーからは「帰国命令?行けと命令でもされたのか?」「ゲームと現実の戦争は違っただろ?」「サバイバルゲームでもしに行ったつもり?怖くて帰りたいなら帰ってくればいい」「政府があれだけ行くなと言ったのに勝手に行って、やっぱり怖いから帰りたいとめそめそするなんて。処罰が怖いから赦免か軽減を頼む?ふざけるな」「行けば処罰されると分かってて、覚悟の上で行ったんじゃないのか。どうか無事に帰って、自分の行動に対する責任を果たしてもらいたい」「帰りたいなら帰ってきなよ。勝手に行ったのに、政府に呼ばれて帰国したように見せたいわけ?」「みっともないな。男らしく最後まで戦ってきたら?」など、批判のコメントが殺到している。(翻訳・編集/麻江)
~~引用ここまで~~



皇国の守護者引用文を冒頭に移動。

タイトル変更。

本文修正。

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