人の世は、滞在期間の定め無き、今日一日の旅の宿

 時 人を待たず、光陰 惜しむべし
 古より有道の人、国城 男女 七宝 百物を 惜しまず
 唯 光陰のみ、之を惜しむ

迷悟

2017-02-03 | 日記


彼有れば此有り、此滅す故に彼滅す。

悟り有れば、悟りを認める主が有る。

掴んだ悟りを縁に、迷いが輪廻する。

法は自己を忘じる処ゆえ、悟り無し。

認める主体の無い処は、対象も無い。

悟る主体の無き処ゆえ、悟りが無い。

我を立てる処で悟りの有無は、無明。

迷い有れば、迷いを認める主が有る。

迷いを忘じる処は、迷う主体も無い。

迷いの滅す処は、認める主が滅す処。

迷いを認める処は、悟りの余地あり。

悟る処は、迷いを認める主が滅す処。

認める主を忘じる故に、迷いが滅す。

迷いを忘じる処は、悟る主体も無い。

認める自己が無き故に、迷悟も無い。

迷い無ければ悟り無く、発心も無い。

迷いは悟りの発露、厭うべきに非ず。

無門関  三十八: 牛過窓櫺
認める自己あるゆえ対象の残滓が有る。
http://tozanji.cocolog-nifty.com/blog/2007/03/post_ec37_38.html

今日の縁: 正法眼蔵「現成公案」
迷を大悟するは諸仏なり、悟に大迷なるは衆生なり。
http://kohgetsuji.justhpbs.jp/genjokoan.html

迷いと一つの処は、迷いを認める主体を忘じている。
悟りと一つの処は、悟りを認める自己を忘じている。
法を得る処に相対二見なく、未だ思量分別は到らず。
迷い悟りも縁に生死の、我の与り知らぬ処の縁起生。
迷悟の分別が無い処は、迷いを厭わず悟りを追わず。