人の世は、滞在期間の定め無き、今日一日の旅の宿

 時 人を待たず、光陰 惜しむべし
 古より有道の人、国城 男女 七宝 百物を 惜しまず
 唯 光陰のみ、之を惜しむ

本当に分からない

2017-03-05 | 日記

https://www.youtube.com/watch?v=OKHZpLffhZQ



本当に分からなくなって下さい、と禅師が示す。

普通に分からないと言う処は、認識上の我の懐。

分かる分からないは、既に分別の付いた処の事。

青苔未だ生ぜず春雨未だ来らざる以前の仏法は?

芭蕉は、「蛙飛びこむ水の音」と仏頂に返した。

潙山が、父母が未だ生まれる以前の一句を問う。

香厳は、「小石撃ちたる竹の音」で後に開悟す。

法は既知の懐に留まらず、応無処住、一期一会。

文字の意味を認識する処は、記憶の狭間の既知。

認識は、過去と比較した我の分別に他ならない。

未知の言語で語られる説法は、認識ができない。

只今の一切の主客未分の処は、認識未だ至らず。

未だ認識到らぬ処は、分かる分からぬ以前の事。

本当に分からない処は、分別以前の只今の面目。

知にも不知にも属さぬゆえ、知識の有無と無縁。

今日の縁: 「一撃に所知を亡ず」