按:柴胡加竜骨牡蛎湯は《傷寒論》第107条にあり: “傷寒七八日,胸満煩驚し,小便不利,譫語し,一身尽く重く,転側できない”。
《皇漢医学》に曰く:“此の方は胸満煩驚が主証で,其の他は皆 客証也”。
又《餐英館治療雑話》では:“此の方は癇証及び癲狂に用いて屡効を得ている, 今世の病気は鬱と肝鬱者が十のうち七八である,
肝鬱者とは,癇証の漸(軽症)にして,婦人に尤も多いのは肝鬱と癇証なり, 若し能く此れを知れば,当今の雑病は治療が困難ではない”。
本方は温凉補瀉の并用である。
如えば《医宗金鑑》に曰く:“是の証はまた,陰陽錯雑の邪にして, 方はまた攻補錯雑の薬なり。…錯雑の薬を以って,錯雑の病を治す也”。
現代の大量の臨床及び実験研究が証明しているように,該方はセロトニン、 ドーパミン、ノルエピネフリン、アセチルコリン、グルタミン酸塩等の神経物質 の代謝に対して調節作用があるのは明らかである。
故に癡呆, 癲癇, 抑鬱, 等の精神疾患に対して皆療効がある。
经方亦步亦趋录 より