『傷寒論』の再認識86
※太陽中風証と胸陽不足証相兼の証治
太陽病,之を下して后,脈促,胸満する者は,桂桂去芍薬湯 が主る。(21)
桂枝湯 は陽中に陰有り,芍薬の酸寒を去れば,陽気は流行して邪は自ら結ばず, 即ち扶陽の剤となる。
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※桂枝湯 / 最も基本となる漢方薬
構成生薬
体表を覆い、汗が出る穴を閉じたり開いたりして体温調節している機能(気)を 「衛気」といいます。
風寒の邪によって衛気が弱まっているために、自然と汗が出てしまっている状態 (自汗)にあります。
また、血液中に存在し、栄養分を全身に補給している機能をもつもの(気)を 「営気」といいます。
桂枝と芍薬の配合は、桂枝で温め(陽)、芍薬で潤す(陰)わけで、陰と陽を共に 補う組み合わせです。
衛気は陽(衛陽)であり、営気は陰(営陰)に属します。
甘草もそこに組み合わせることで、営衛が調和され、それぞれの機能が発揮されます。
これらの作用により風寒の邪による症状がうまく改善へと向かいます。
そしてこれら桂枝湯に含まれる生薬の構成は、その後の多くの漢方薬のベースとして 重要な骨格となっていきます。