肺癌の中でも、腺癌であれ、扁平上皮癌であれ、しばしば間質性肺炎を伴って、すでに転移が生じている人達の漢方相談が増えている。
その場合、重症でない限りは、間質性肺炎に対して、証候(一連の症候)が八仙丸(味麦地黄丸)証にマッチしているケースが多く、これによって一定の軽減を得たり、あるいは悪化を防ぐ目的でも貢献できているように思われる。
また、中医漢方薬学的には、中国の書籍で「抗癌中草薬」と分類される各種の中草薬類との併用が望ましい。
ともあれ、八仙丸というネーミングのために、やや高齢の人達は、八味丸と誤解されることがあって、これは大問題なのである。
六味丸に麦門冬と五味子を加えたものが八仙丸(味麦地黄丸)であり、もしも間質性肺炎の人が、間違って八味丸を服用しようものなら、八味丸中の附子が肺陰を損傷して、ますます間質性肺炎を悪化させ兼ねないので、本当に注意が必要である。