https://www.med.osaka-u.ac.jp/pub/kanpou/kampo/diagnosis.html
燥湿との関係
水の状態を現すのに漢方では燥湿の病性基準があります。
- 燥は乾燥、或いは水分の少ない状態です。
- 湿は湿潤、或いは水分の多い状態です。
燥の状態は陽明病の脱水である石膏剤の適応でもありますが、一般的には血毒との関係が強くなる場合が多いです。
水毒は燥湿の中の湿の状態と考えられます。
水毒が原因の痛み
以外なのに、痛みや関節痛などが水毒と関連が強い事があります。麻杏薏甘湯や桂枝加朮附湯などです。
桂枝加朮附湯は吉益東洞が創生した薬方です。吉益東洞が京都で診療に当たっている時、神経痛の患者さんが多かったそうです。京都は盆地で高温多湿です。湿に侵された神経痛と考え、水毒を除く朮を使われました。傷寒論の中の桂枝加附子湯に朮を加え桂枝加朮附湯を創られたそうです。
麻杏薏甘湯や越婢加朮湯など多くの神経痛、関節痛、リウマチなどの漢方薬が利水剤を多用しています。
血毒が原因の痛み
起床時に痛みが強い場合は、血流との関係があることが有ります。寝ている間の発汗量は500ml位と言われます。起床時は血液がドロドロになっています。その上、海外旅行の時のエコノミック症候群と同じで就寝時は身体をあまり動かしません。血行不良による痛みが出現する可能性が高いです。
酒飲みの疎経活血湯証と言われることがあります。お酒を飲むとアルコール代謝のため血液中の水分が大量に使われます。その結果、血液がドロドロとなり血流が低下します。血流が低下することにより生じる痛みです。血栓による痛みも有ります。