鈴木海花の「虫目で歩けば」

自然のディテールの美しさ、面白さを見つける「虫目」で見た、
身近な虫や植物の観察や飼育の記録。

秋のカメムシ日和その1 鎌倉中央公園で

2011-10-14 09:33:57 | 日記


 金木犀の香りが空気に満ちるこの時期、
10月はじめの連休は鎌倉中央公園、高尾の林道、西高根地域、と外を歩き回っていました。
折から今頃はカメムシを見かけることが多い季節。
あっちでも、こっちでも。

 まずは鎌倉中央公園。

 わりと身近にみられるわりには大型で目立つカメムシであるアカスジキンカメムシ。
この大口を開けて笑っている顔にも見えるのは5齢幼虫で、このままのステージで越冬し、
翌年の5月ごろ羽化して成虫になります。


ちなみに成虫は、このように派手な色合いと模様の美麗種。
幼虫時代とがらりと装いが変わります。


 さらによく見るのが、このクサギカメムシ。

これも比較的大型で1センチくらいある。

 アカスジキンカメムシと違い、このクサギカメムシは今頃成虫になり
成虫で越冬するらしく、このように羽化して間もない翅が透き通っているものをけっこう見かけた。


 すわっ!白いカメムシかっ!?
と思ったこれも、どうも羽化したばかりのクサギカメムシらしい。

透明感のある白、グレーに薄茶に黄色、そしてアクセントに赤、という
なんとも美しい色合いです。

 ちなみにクサギカメムシの4齢幼虫はこんな姿。

卵から帰ったカメムシの一齢幼虫は、5齢までつぎつぎに脱皮して成虫に。
この時期には幼虫から成虫まで、けっこういろいろなステージのカメムシをみることができます。

 不完全変態のカメムシは、各齢ごとに大きさ、模様、色、形、と変化するのがおもしろいのですが、
幼虫だけをみて、名前を知るのが難しいのが悩み。
たとえば・・・・この黒猫顔みたいな模様の幼虫は誰?

採集してどんな成虫になるのか飼育中。

 イネ科の植物を吸汁するトビイロハゴロモ。
ハゴロモ科のこの虫もカメムシ目に属します。
たった5ミリですが、体全体に粉をふいたように白くて、とんがった顔が面白い形。


 あっ、大好きなホタルガ。


赤い頭部と櫛形の黒い触角。
白い裾模様の黒マント。
くるくると円を描きながら飛ぶので、
この白い線が輪のように見えて、とてもかわいい。

 これも大好きなヨツボシハムシ。

秋になってから、あまり見かけなくなったけれど
冬はどうするの?
調べてみたら、幼虫時代は土の中で植物の根を食べて育ち、
成虫になって越冬するようです。
この時期に会う虫たちには
冬はどうやって過ごすの?
ときいてまわりたい。

 派手な色合いのキアゲハの幼虫もいました。

もうそろそろ前蛹になりそうな雰囲気だけれど、
キアゲハが出現するのは年1~4回、3月から11月というから
これから羽化するのかな。
パセリやニンジンなどのセリ科の植物が食草というが
気温も低く、食べ物が少なくなるこの時期に羽化して生きていくのは
たいへんだろうなあ、なんて勝手に心配になる。

 さっきからまわりを元気にとびまわっている少年ふたり。
なにを採っているのかなあ、と思ったら、
手を開いて見せてくれた。

なんとシジミチョウならぬシジミっていうのが、しぶい。
左のがきょういちばん大きな1個。
もう味噌汁用に50個以上採れたので
これらは川に返すところだという、採集マナー正しき兄弟なのでした。



 明日は、高尾で見た虫です。