鈴木海花の「虫目で歩けば」

自然のディテールの美しさ、面白さを見つける「虫目」で見た、
身近な虫や植物の観察や飼育の記録。

『虫カフェ@原宿シーモアグラス』満員御礼

2013-02-06 16:34:05 | 日記
看板出したぞー!


 かねてよりお知らせしました『虫カフェ@原宿シーモアグラス』。
店主の坂本さんの絶大なるご協力により、2月3日、ついに開店にこぎつけました。
 いったいどんなことになるのか、言い出しっぺの私も予想ができず。
でも、ツイッターを見て駆けつけてくれた人たちも含め、20名が集まり、
小さな喫茶店は満員御礼となりました。


 三々五々、人が集まりはじめたシーモアグラスの店内。棚には絵本がぎっしり。


 そろそろ『海花の部屋』はじめようか・・・・・・。
シーモアグラスの店内は細長いので、手前奥にもお客さんが。



 毎回どなたかにインタビューをするこのコーナー。
この日のお客様は、時事通信社の昆虫記者 天野和利さん。
去年12月の末に行ってきたばかりの台湾南部 ケンティンでの虫さがし旅行のお話には、
みんな血が騒ぎます。
 台湾といえば、昔から昆虫少年、マニアたち憧れの地。
渡航、滞在費も安く、移動時間も短いので、気軽に行ける海外の虫旅行目的地としてお勧めだそうだ。特に昼蛾にはきれいなものが多かった、ときいて色めき立つ人も。

 虫は敬遠気味という家族をなんとか説得しつつ、同時に自分の虫さがしをするという目的を達すべく、毎回大奮闘する天野さんの「愛ある虫旅話」は、みんなの心をゆさぶった。
(まず「巨大アウトレット」とか「豪華リゾート」とかショッピングセンターがある場所を探し、家族の了解がとれたら、その後その周辺で虫がいそうな場所を探すのだそう。しかも虫さがしに費やせる時間は日程の半分以下……というのだから、やっぱり「愛ある」なのだ)

 まだシーズンが続いているフユシャクの見つけ方も、写真を見ながら教えていただき、
話が終わった時、切り紙師の鍋嶋通弘さんが、あれ、なにやらつくりだした……



 鍋嶋さんが作っていたのは、いまの話に出てきた通称「ホルスタイン」チャバネフユエダシャクの♀!じみ~なフユシャク世界において「レディ・蛾蛾」と呼ばれています。


 見事なできばえに、みんなからため息が。


 このあと、シーモアグラス店主の坂本さんが、「今日の虫本」を紹介してくれた。

 
 なんとタイトルは『ごきぶりねえさんどこいくの?』!
Amazonの紹介によると―
 この愉快な絵本、実はイランでは桃太郎のように誰もが知っている有名な昔話。絵を描いているのは、テヘランで活躍する男性アーティスト。弱冠27才にしてボローニャに3度の入選を果たしている、才能豊かな青年。とにかく愛らしい色使いと、斬新なデザイン!先入観をもたずに絵本をひらけば、新鮮な魅力に胸をつかまれます。自立心にみちあふれたごきぶりねえさんが、ずんずん進んで行くすがすがしさといったら!題字は五味太郎さん。

「ごきぶりねえさん」が「桃太郎」級の有名昔話って……イラン、スゴいです。


 店内には、虫モチーフの販売グッズも。

みのじさんの、一筆箋やポーチ、新色のダンゴムシ手ぬぐい、手鏡など。


鍋嶋さんの切り紙の虫たち。


木版画家 竹上妙さんの柿と「カミキルムシ」がプリントされた布バッグや木版画のブックカバー。
 そしてイラストレーター、デザイナーの宇佐美朋子さんの人気のゾウムシピンクションなどが並んでいます。

 あ、これは売り物ではありません。

虫ガールまゆ子ちゃんがおかあさんと合作した、だいっじな!どこへでも連れて行くマスコットのジンメンカメムシ(オオアカカメムシ)の人形です。向かって右が可愛がられてクタクタ気味の初代で、左ができたての2代目。



 美味しいスイーツをいただきながら、みんなだんだん席を移動して、あちこちで盛り上がっている。










 このテーブルでは、女子美でデザインを学んでいるCさんが、課題でつくっているという『蛾合わせ』を披露。


こうやって裏返して、蛾の成虫と幼虫をマッチさせるというもの。



すごくかわいい!!!
カメムシ・ヴァージョンもつくってほしいわ~。


 みんなで『蛾合わせ』に興じていると、ツイッターで知ってきてくれたというデザイナーのTさんが。

(写真左の男性がTさん)

 そして取り出したのは、これまた自作の『昆虫双六』だあー。





 卵から成虫へ、チョウの一生はまさに双六にぴったり。
ハチに寄生されて振り出しにもどったり、クモの巣にかかって1回休み、とか、
幼虫に降りかかる波乱万丈の危難を乗り越えて、アガリは羽化。
卵が無事羽化するまでには、こんなたいへんな道のりがあるのだ、ということが実感できる
『昆虫双六』なのでした。




 そうこうするうちに、3時間はあっという間に過ぎて閉店の時間がきました。
どうなることか、と不安でしたが、どうやらみんな楽しんでくれたみたいで、
そして、この濃厚な虫好きのダシの効いたスープのような空間のなかで誰より私が楽しかったような気がして、よかったよかった。
 みなさま、ほんとうにありがとうございました!



 次回に向けて反省会をし、帰宅。
・・・・・・・と、飼育中の蛹に羽化の兆候が!
急いでカメラをセットし、撮影する……と楽しくも忙しい一日でした。


 
 翌朝は、早春の日差しのなかで、きのう購入したアイテムをじっくり見てみた。


宇佐美さんの、ゾウムシ、ハムシ、カミキリムシの針刺し3つ。ころっとしてかわいいな。


みのじさんのダンゴムシ手ぬぐい。シブい緑色が私の好み。



木漏れ日が似合う竹上さんの布バッグは、マチの深さが絶妙で、さっそく活躍してくれそう。
贅沢に木版画を使ったブックカバーは、何度も読み返してボロボロになったダレル著『虫とけものと家族たち』に掛けた。


 そして、鍋嶋さんのピーコックスパイダーとホウセキゾウムシは豆の葉にとまらせて。

 左下のクロカタゾウムシも、右下のオオトラフコガネも、鍋嶋さんに切り紙でつくってもらったら、念願かなって本物と出会うことができた。


究極のハエトリグモ―ピーコックスパイダー(究極っぷりは、こちらの動画をご覧ください。
http://www.youtube.com/watch?v=E-nmeYirsvA

http://irorio.jp/hinakomoriyama/20130116/43580/

http://irorio.jp/hinakomoriyama/20130116/43580/
求愛のディスプレイに使う腹部の扇型の部分には、いろいろな模様があるらしい。


(ついでに見つけたグミキャンディのような南米のジュエルキャタピラーもどうぞ)

http://www.hennaikimono.net/archives/21520906.html
世界には、な、なんて生きものがいるんだ!!!



http://karapaia.livedoor.biz/archives/51997141.html)
やホウセキゾウムシも、いつか見られますように―と願いをこめる。



 次の『虫カフェ@原宿シーモアグラス』は、4月7日(日)、午後3時からです。
『海花の部屋』のゲストが決まったら、またお知らせします。