小型図鑑でつぎつぎとヒットをとばしているあの文一総合出版から、先ごろ発売された『日本の昆虫1400』にあちこちから賞賛の声。
で、私も買ってみました。
まず、パラパラっと見て……「わあ、蛾類がこんなにたくさん載っているのは、うれしい!」
蛾類の名前調べにはいつも苦労しているから。
昨今の図鑑は、専門的な大図鑑は別として、標本写真でなく、生きている状態の虫を撮影した写真が使ったものが断然多くなっているようだ。
これは野外で出会う状態の虫の名前を知るのに好適。
加えて本書は、「生きている虫」かつ「白バック写真」で虫の特徴がわかりやすい。
しかも、文庫本サイズ、値段は仰天の1050円(税込)!
さらに「野外で出会う頻度の高いもの」を掲載する、というのが編集のコンセプトということなので、ふだんの観察にとても役立ってくれそうだ。
種の見極めが難しい虫については、「絵解き検索」のページがありがたい。
たとえば、見るたびにどれなんだろう?と迷うクヌギカメムシ、ヘラクヌギカメムシ、サジクヌギカメムシ。とてもわかりやすく見分けポイントが説明されているので、これからは迷うこともなさそう。
「カメムシ目」の充実が特にすごい!というレビューが多いが、奥付を見ると、
編著者には、カメムシBBSの長島聖大さん(伊丹市昆虫館学芸研究員)、『日本原色カメムシ図鑑』シリーズの高井幹夫さん、同定に同じく石川忠さんというカメムシ界のそうそうたるメンバーの名前が並んでいるので納得。
5月に売されるという『日本の昆虫1400②トンボ、コウチュウ、ハチ』の巻(①②を合わせて1400種)も楽しみだ。
(私的には、ハムシとゾウムシがたくさん載っているとうれしい)