鈴木海花の「虫目で歩けば」

自然のディテールの美しさ、面白さを見つける「虫目」で見た、
身近な虫や植物の観察や飼育の記録。

江刈のカメムシはかせたちと

2014-08-10 09:42:45 | 日記

 

 

2月、6月とお邪魔した岩手県葛巻町の江刈小学校。

設立は明治、現校舎は築50年。

 石川忠さん、長島聖大さんの指導によるカメムシ調査がつづいています。

 いっぽう私は、このカメムシをめぐる話を絵本にするためにこの土地の四季の取材をつづけていて、

夏休みのカメムシはかせたちといっしょに、通学路をゆっくり歩いて、カメムシをはじめとする虫さがしをしに、

また来ちゃった。

6月にはたくさんのナガメの卵が見つかった学校の裏庭のクリの樹にもかわいい青い実がついた。

 

みんなで面倒をみているサフォーク種の羊のメル。もくもくと草を食べている。

 

左から江刈カメムシはかせNo.1のSくん3年生

右が江刈カメムシはかせNo.2のTくん同じく3年生

そして真ん中にいるのがTくんの弟で「ぼくカメムシだいきらい~」というSHOくん1年生。

 

しゅっぱつ~

 

3人の通学路はこんな風。いちばん遠いSくんは片道40分くらいかかる。

虫目で歩けばいったいいつになったら学校に着くのか。

 

あっ!

 

道端に落っこちていたミヤマカラスアゲハ

裏側も見てみよう

 

ぜんぜん色がちがうね。

 

『江刈カメムシ図鑑』掲載の37種のうち、約半数を見つけて、みんなからカメムシはかせと認められているSくん。

これはブチヒゲカメムシ

『江刈カメムシ図鑑』にも出ているのですっかり名前を覚えている。

 

最初にカメムシさがしを前校長先生とはじめたTくんは、江刈のカメムシはかせを自認していたが、

転校してきたSくんが自分よりたくさんカメムシを見つけてくるのを見て、

みずからカメムシはかせNo.2と名乗るようになった。

10歳にして味のある人柄を感じさせるTくんは、弟の世話もばっちりのやさしいお兄ちゃんでもある。

あっ、これ、『江刈カメムシ図鑑』に載ってない新発見種だよ!チャモンナガカメムシ。

 

「ぼく、カメムシだいっきらい」と公言するSHOくんだけど、この真剣なかまえは、立派に虫目。

 

お、なんかつかまえたー

SHOくんがつかまえたのは交尾中のシロオビナガタマムシ。

8ミリしかないのに、よく見つけたね。

年齢が低いうちはとかく小さな虫に集中できないものだけれど、

さすが、カメムシさがしで鍛えている江刈の子は虫目ができとる。

 

雨ふってきたけど、へいき、へいき。

エゾアオカメムシは葛巻に多いカメムシだ。

 

あ、にげた・・・

 

 

秋になると家のなかにはいってくるスコットカメムシ

 

 

トゲカメムシ。

ヒメマルカメムシ

アカヘリサシガメ

モンキクロメクラガメ

この幼虫、なんだろう?

これも初めてみつけた。

長島さんたちに名前をきいてみよう。

きょうは新発見、たくさんあったね。

 

カメムシ類のほかにも・・・・・・

アリとがっぷり四つに組んでいるカニグモの仲間とか

 

ハバチの幼虫とか

 

ハムシの幼虫とか

 

1センチちかくもあるオオゴボウゾウムシとか←高橋敬一さんからアナアキゾウムシの一種と教えていただいたので、訂正します。

 

イタドリハムシとか

 

ミバエの仲間とか

 

モンキアワフキとか

 

ゴミムシの仲間とか・・・いろいろ見つかった。

 

 

 

 

ごはんにしよう~

長考のすえ、3人ががオーダーしたのはオムライスと、ピザと、お子様ランチでした。

 

 

 学校にもどって、副校長先生にパソコンを起動してもらい、

虫の名前しらべ。

 

午後からはプール。

水からあがるとけっこう寒いので、江刈のプールは全天候型だよ。

 

次回10月にお邪魔する学校林の入り口まで、校長先生に案内していただいた。

江刈小学校は全国でも有数の広大な学校林を持っている。

  カラマツの紅葉がはじまり、カメムシたちが越冬のためにぞくぞくと家のなかに押しかける秋に、

  また来ま~す。