夏は虫も多いけれど、虫の本もたくさん出版されるのがうれしい。
特に今年は定番の図鑑のほかに、いろいろな切り口の虫本が多いように思う。
まず一度読み終わって、すぐまた読みはじめているのが丸山宗利著『昆虫はすごい』。(光文社新書)
『この世のなかをとりまく問題に対するさまざまな評価や対処には、われわれヒトを一介の生物であると認識していないがために不自然になっていることが多いように思える』
「はじめに」にある、この一文にまず激しく共感。
「ヒトは一介の生物」という認識は、いろんなことを考えるときの基本のひとつだと思うから。
一般の読者にもわかり、おもしろいとかどきっとするような、昆虫全般について書かれているものって、少ない。
専門用語も、そこで一般読者が突っかからないように、わかりやすく使われている。
『動物の子育ては、一見そのように見えても、自分の遺伝子を効率よく残す一生活様式にすぎない。「愛」でひとくくりにされてしまいがちがなまざまな行動には、それぞれ何らかの生物学的な意味があるのである。少々冷たい言い方かもしれないが、それはヒトの「愛」をとってみても、実は同じようなものである』
なんて、ドキッとする記述があちこちに。
携帯して何度も読み返したい本です。
つぎは名著が多い「博士入門シリーズ」の1冊、山崎秀雄著 『昆虫博士入門』(全国農村教育協会刊)。
図鑑で調べて名前がわかったら、その虫についてもっともっと知りたくなるもの―そんなときにはこの1冊。
ほとんど図を使わず、上のように体のつくりの説明ページも写真なので
すごくリアルにわかる。
成虫だけでなく、幼虫や卵、巣、暮らし方なども豊富な写真で説明されているのだ。
そして、待ってたよーン、『ハムシ ハンドブック』。
日本産ハムシの3分の1が掲載されている。
さいしょに実物大ページもあるんだなあ。
ハムシがどんなにちっちゃいかってことを改めて認識。
でも『虫のたまごハンドブック』よりはマシか。
『虫のたまごハンドブック』を手にした日、私は初めて手元用の眼鏡を買った。
中ページは大きくて鮮明なハムシの写真が実に見やすい。
これでハムシはばっちり!と。
え・・・と、次はゾウハン、おねがいします!