鈴木海花の「虫目で歩けば」

自然のディテールの美しさ、面白さを見つける「虫目」で見た、
身近な虫や植物の観察や飼育の記録。

フィールド始動!

2015-04-21 13:44:34 | 日記

 

 4月の中旬までは、ぽっと暖かい日があっても、人間が感じるほど虫はほいほいと出てくるわけではなく、がっかりがつづいたけれど、4月も後半となれば、もう大丈夫!

先週末は虫友とフィールドへ。

歩きはじめる前にまず里山施設で朝掘りのタケノコとか野菜とか、お弁当とかを確保。

行くぞー。

新葉が伸び始めている柳の枝にチョウセンカマキリの卵鞘。

 

キバネホソコメツキ。ほっそりと小さくて華奢なコメツキ。

 

 

ちょっと珍しいマルクビツチハンミョウ。

 

ミツボシツチカメムシの交尾ははじめてみた。

 

ワカバグモのオス。

ワカバグモって、8つの目がこちょこちょってまとまってあるのがおかしい。

 

ベニボタルの一種

 

去年もいまごろ、同じ場所でさがしたけれど、見つからなかったアリ(ノ)スアブの幼虫が見つかった!

そばの穴から、幼虫を運び出すアリ。

 

こんなのも。朽木の下にはいろんなものが生きている。

 

 

すぐそばにいたヒロズコガの幼虫。

 

 

 

オドリコソウで花粉を集めているミツバチ。集めすぎちゃって、体が重くて飛べないらしく、

それでもさらによろよろと花に向かっていた。飛べなかったらどうするんだろう?と心配に。

 

 お弁当タイムにしようと、いつもの場所に向かうと、コブシが新葉をつけている。

昆虫写真家 森上信夫さんが、

「コブシには今頃、オオアヤシャクの幼虫が新芽に擬態しているんですよね」と。

オオアヤシャク……はじめてきいた名前。

しばらく新葉をみてまわった森上さんが

「いたいた、ほらこれですよ!」

みんなは、「どこどこぉ?ええ、これほんとに幼虫ですか?」

「ちがうんじゃない?」

「どう見てもこれただの葉っぱに見える」

みんながあまりにいうので、森上さんも自信がゆらいだみたいで

「あれ、確かだと思うんだけどな、違ったらどうしよう・・・・・」と弱気になってる。

写真が撮りにくいちょっと高い枝を、みんなが順番に写真を撮ってみると、

おお、やっぱり幼虫だ!

顔のさきっぽまで、ぴんと伸ばして、新芽になりきっている!

でも、写真を撮って拡大してみると、

ほらね!

胸脚を目立たないようにぎゅっと縮めているけなげな擬態。

「ああ、よかった~」と胸をなでおろす森上さんに、

「すごーい、こんなの教えてもらわなければ絶対わからないよ」とみんなのまなざしが「疑惑」から「尊敬」に、一気に変わる。

 

動き出したらばればれだね。(後はほっとした顔の森上さん)

 

 お弁当のあとは、また虫目に。

セイボウに寄生されているらしいイラガの卵発見。

 

 森上さんが、急な斜面を指さして、「先週、あの上にミイデラゴミムシがいたんですよ」という。

え、見たいなあ……でも斜面は見るからに急で、雨のあとだし登るのがたいへんそう。

みんながあきらめて、歩き出してしばらくすると、「あれ?昆虫記者、どこ行っちゃったの?」

見回すと……いた!あんなところに昆虫記者が。

ミイデラゴミムシをやっぱり探しに登ったらしい。

あの顔は、見つけた顔だね。

 

ベニシジミが産卵中。

すごく普通にいるので慣れてしまっているけれど、ベニシジミはきれいなチョウだとみんなで再認識した。

ジョウカイの仲間?

 

まだ羽化していないジャコウアゲハの蛹もいた。

 

真っ赤なダニブローチをつけているのはキンイロエビグモかな。

 

ミズキの葉にヒメヤママユの幼虫。3齢くらいかな?

 

 きょうはいろいろ見られて、みんなの顔も満足げ。

こういうふうにいいスタートを切れると、「虫見たい欲」増進。

GWに期待がふくらむ。