私の著書『虫目のススメ』の、テントウムシのカバー木版画を制作してくれた竹上妙さんの
『探しさがされ』(池袋ジュンク堂7F)、
と『飛んで、日に日に夏になる』(西荻窪ギャラリーウレシカ)
の、2つの個展が今日から同時開催されます!(ウレシカは7日開始)。
またこれを記念して、特製 作品集も。
会場での特別販売。1200円 手刷りの帯付き!
この個展には私もちょこっと参加しています。
ふたりで大好きなイモムシをテーマに絵本をつくろう、と
この一年間、いっしょにフィールドで見つけたイモムシたちをテーマに
絵本を制作中。
その一部を、今回展示しちゃおうと。
テキストを囲んでいるのはそれぞれのイモムシの食草。
展示でももちろん読めますが、
きょうは1ページ目のテキストを特別公開!
ストーリーはこんな風にはじまります。
「やだなあ、ここ。お店も近くになくて不便だし、学校遠いし(歩いて25分なんて・・・)道はボロっちいし、いじめっ子はいるし、なかなか友達できないし、へんな虫いるし・・・・・・。
三年生になった桐子(とうこ)は、おとうさんの仕事の都合で、都会のまんなかから山に囲まれた○○町へ引っ越してきた。
「早く帰ろっ、と」
ホームルームがおわると、桐子は急いで教室をでた。
うろうろしているとまた、背中にいっぱい「ひっつき虫」をくっつけられるから。
カーディガンにいっぱいついていて、ぜんぶとるのに、おかあさんといっしょにすごく苦労した。
あれは誰がやったのかわからなかったけど、たぶんあいつだ、と桐子は思う。
きっと、「イシイくん」って呼ばれているやつだ。背が低くて色の黒いやつ。
通学路はひどくぬかるんでいて、水たまりがいっぱい。
朝はあんなに雨降っていたのに、今はもう青空だ。
「ながぐつと傘、じゃまっけだなあ」
「あっ!」
傘をふりまわして駆けだしたときだった。
道のまんなかまで張りだしていた木の根っこにつまずいて、看板が倒れるみたいに、ばたっ、と倒れた。
頭のなか真っ白。
ヒザとおでこと鼻と肘が痛くて、起き上がれない。
涙がこみあげてくる。
すこーし、痛みがひいてきて、桐子がやっと顔をあげると
目の前に小さくてやわらかそうなササの葉があった。
その一枚の葉の上に、……なんだろう?!
「ネ、ネコの顔……」
これって、何?
それは痛いのも、ころんだ情けなさも忘れさせてしまうほど、ふしぎなものだった。
つづきは、ぜひ会場で読んでください。