6月末、仙台へ遠征。
なぜ、仙台へ?
それは一冊の写真絵本から。
今年はじめに飯能のフィールドでごいっしょした昆虫写真家 中瀬潤さん(水生昆虫を主なテーマにしていらっしゃる)からいただいた
『うまれたよ!アメンボ』
アメンボの一生を丹念に描いた力作です。
何よりも、表紙をめくった最初のページにあるこの写真
この溜池を舞台にアメンボの一生が描かれています。
この1枚の写真の力強さ、静かさ、緑の匂い、もういろんなものが伝わってきます。
こんな場所にいってみたい!
こんな場所で水生昆虫を観てみたい!
というわけで、仙台へ行きました。
水生昆虫・・・・・ちょっと苦手な分野。
理由はたぶん、子どものころヤゴに手を噛まれたのがトラウマになっているのと
水際にしゃがんで観察するのが、苦手(腰が悪い)だから、かな。
でも、水生昆虫の世界が豊かなのはひしひしと感じているので、この際、トラウマを乗り越えよう。
仙台にはいいフィールドがたくさんありますよ、という中瀬さんの言葉通り。
まず連れて行ってもらったのは、渓流沿いのここ。
胴長を履いて、流れの中で自作のハウスにいれたカメラでこんな風に撮影。
水生昆虫の撮影って、たいへんです。
石をめくってみると、幼虫が。
渓流沿いにはアワブキがいっぱい!
スミナガシの若齢幼虫がいました。
次に行ったのは、農地のなかの草生した溜池。
あの『うまれたよ!アメンボ』の撮影が行われたのがここ。
ゲンゴロウがときどきスイスイと泳いでいます。
卵をいっぱい背負ったコオイムシ。
農道のなかの水たまりにも、多くの水生昆虫が生きているときいてびっくり。
そういえば以前、高知県の川岸の水たまりから、いきなりハイイロゲンゴロウが飛び出して、驚いたことがある。
次の日は、ホタルを観に行きました。
この本を作るのに2年以上通い詰めたという、小さな流れのある環境。
暗くなる前に、下見。
向かって左が湿地、右の木立の下に小川がかくれている。
誰もこない、しずか~な場所。
でもここに来る道はもう細くて、細くて、軽自動車がやっと通れるはば。
えっ、真っ暗になってから車でくるのはあぶないでしょっ。
わたし、歩きますよ、
というと、
だいじょうぶ、何回も通っているから、と中瀬さん。
でもぉ・・・・ちょっと心配。
撮影中にいっしょに来た編集者が運転したときは、溝に車輪が落ちたそうだし。
暗くなるまで近くで夕食。
8時ごろもどると(灯りはまるでなく、暗いのでかえって道から落ちそうという怖さはなく)
あ、光ってますね!と中瀬さん。
ゲンジボタルっていいよね~
ゆっくり、強い光が、上へゆら~
下へゆら~
すごく高く飛ぶものもいて、星と混じって見える。
ゲンジホタルの光に見とれる私
(中瀬さんが撮ってくれた画像をトリミングしたものです)
すぐ近くにもいるので、小さなライトをゆっくり点滅してみると・・・寄ってきた!
えいっ、とやると、手の中へ~
もう一生分のホタルを観たような 笑 仙台の夜なのでした。