鈴木海花の「虫目で歩けば」

自然のディテールの美しさ、面白さを見つける「虫目」で見た、
身近な虫や植物の観察や飼育の記録。

仙台へ

2019-07-07 12:50:12 | 日記

 6月末、仙台へ遠征。

 なぜ、仙台へ?

 それは一冊の写真絵本から。

今年はじめに飯能のフィールドでごいっしょした昆虫写真家 中瀬潤さん(水生昆虫を主なテーマにしていらっしゃる)からいただいた

『うまれたよ!アメンボ』

アメンボの一生を丹念に描いた力作です。

何よりも、表紙をめくった最初のページにあるこの写真

この溜池を舞台にアメンボの一生が描かれています。

この1枚の写真の力強さ、静かさ、緑の匂い、もういろんなものが伝わってきます。

こんな場所にいってみたい!

こんな場所で水生昆虫を観てみたい!

というわけで、仙台へ行きました。

 

 水生昆虫・・・・・ちょっと苦手な分野。

理由はたぶん、子どものころヤゴに手を噛まれたのがトラウマになっているのと

水際にしゃがんで観察するのが、苦手(腰が悪い)だから、かな。

でも、水生昆虫の世界が豊かなのはひしひしと感じているので、この際、トラウマを乗り越えよう。

 

 仙台にはいいフィールドがたくさんありますよ、という中瀬さんの言葉通り。

まず連れて行ってもらったのは、渓流沿いのここ。

 

胴長を履いて、流れの中で自作のハウスにいれたカメラでこんな風に撮影。

 

水生昆虫の撮影って、たいへんです。

 

石をめくってみると、幼虫が。

 

渓流沿いにはアワブキがいっぱい!

 

 

スミナガシの若齢幼虫がいました。

 

 

 

 

 

 次に行ったのは、農地のなかの草生した溜池。

あの『うまれたよ!アメンボ』の撮影が行われたのがここ。

ゲンゴロウがときどきスイスイと泳いでいます。

 

卵をいっぱい背負ったコオイムシ。

 

 

 

農道のなかの水たまりにも、多くの水生昆虫が生きているときいてびっくり。

そういえば以前、高知県の川岸の水たまりから、いきなりハイイロゲンゴロウが飛び出して、驚いたことがある。

 

 

 

 次の日は、ホタルを観に行きました。

この本を作るのに2年以上通い詰めたという、小さな流れのある環境。

暗くなる前に、下見。

 

向かって左が湿地、右の木立の下に小川がかくれている。

誰もこない、しずか~な場所。

 

でもここに来る道はもう細くて、細くて、軽自動車がやっと通れるはば。

えっ、真っ暗になってから車でくるのはあぶないでしょっ。

わたし、歩きますよ、

というと、

だいじょうぶ、何回も通っているから、と中瀬さん。

でもぉ・・・・ちょっと心配。

撮影中にいっしょに来た編集者が運転したときは、溝に車輪が落ちたそうだし。

 

 暗くなるまで近くで夕食。

8時ごろもどると(灯りはまるでなく、暗いのでかえって道から落ちそうという怖さはなく)

あ、光ってますね!と中瀬さん。

 

 ゲンジボタルっていいよね~

ゆっくり、強い光が、上へゆら~

下へゆら~

すごく高く飛ぶものもいて、星と混じって見える。

ゲンジホタルの光に見とれる私

(中瀬さんが撮ってくれた画像をトリミングしたものです)

 

すぐ近くにもいるので、小さなライトをゆっくり点滅してみると・・・寄ってきた!

えいっ、とやると、手の中へ~

もう一生分のホタルを観たような 笑 仙台の夜なのでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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