秋は来て 花のかを知る 金木犀 夢詩香
*珍しく、字余りです。
写真は少し前に写したものです。もう今は、金木犀も終わってしまいました。あのきれいな香りを楽しめるのは、ほんのつかの間ですね。でも毎年うれしい。
「か」をひらがなにしたのは、「香」も「価」も入れたかったからです。「顔(かほ)」もある。日本語はこういう遊びができるのがいいですね。17文字に入れられる意味が格段に増える。
近くの空き家の庭に、青々とした涼しい木がありました。わたしは最初にそれを見た時、クスノキか何かの木だと思っていたんだけど、秋がくると、薄だいだい色の小さな花がたくさん咲いて、香りを放ち始めて、金木犀の木だということがわかったのです。
それを見たときは、ちょっと感動でした。男の子だとばっかり思っていた子が、女の子だったという感じで。
花の正体も真価も、花の咲く季節が来てみないとわからないものですね。
上の子は、女の子っぽい男の子です。それはいたずらっ子で、活発な子なんだけど、感じ方がどことなく女の子っぽい。繊細で、けっこう複雑なことを考えている。
難しいことに対して、自分を守ろうとするやり方が、どことなく女の子っぽいんです。どういったらいいかな、わたしの感じ方なんだけど。男の子だったら、ここで乱暴な口を利くものなんだろうというときに、あの子は黙るんだ。そして自分の中で自分の気持ちをかみしめてる。わたしには何も言わない。
それは悪いことじゃない。あの子の良さなんだ。きっとあの子の中にも、季節が来たら咲く金木犀の花のような、何かがあるに違いない。
それを大事にしてやりたい。